うまいっ！！
何が上手いて、映像化がメチャクチャ上手い！！
元々原作を読んだ時には、オブビートな笑い、2人の関係性、行き先が見えないながらラストに一気に収束していく物語。これが漫画『カラオケ行こ！』の魅力と捉えていました。
映画『カラオケ行こ！』では、原作の魅力を守りつつ、「失われる事への寂しさ」というテーマが表に出てきていると思います。凄いのは、そのテーマは（声変わりや死など）元々原作の中に組み込まれていたけれど、上記のポイントに比べ目立っていなかったのが、（巻き戻せ無いビデオや変わりゆく街など）映画化時の改変でよりテーマをはっきり打ち出している事だと思います。更にそれが、テーマ曲の歌詞にシンクロしていく。まるでパズルがはまっていく様な快感がありました。
元々原作が持っていた要素をより輝かせるって、映像化の一つの理想では、とすら思います。
その他、映画オリジナル要素もバッチリはまっている。「愛は与えるもの」から、食卓、合唱の流れ。「間に挟まないと気がすまないんですか」などは、映像でしか出せないテンポと笑いで、けれど原作の雰囲気にピッタリ合っている。桃ちゃん先生、映画部の友人、和田君のキャラ変なども、いい感じの追加部分。
久しぶりに山下監督作を観ましたが、やっぱり面白い！
