プラットフォームを観たついでに一緒に鑑賞しました。
当時見たときは、「グロいしこんな場所嫌だなあ」くらいの小学生みたいな感想しか持っていなかったのですが、今見るとめっちゃ面白い!
とにかくキャラ立ちがはっきりしていて、人間ドラマにすごく見応えがあるので、全員に感情移入出来ます。システムの怖さもありますが、後半はそれ以上に人間の怖さにどんどんシフトしていき、密室で巻き起こる正義と悪の対峙が見ててハラハラドキドキします。
警察官クエンティンとcubeの建設に関わっていたワースの存在感が絶妙で、前半と後半で彼らの立ち位置は徐々に入れ替わっていきます。頼りになると思っていたクエンティンは暴君に、無口だったワースはリーダー格に、この人間ドラマの演出が素晴らしいです。
更に序盤はメンバーの足を引っ張るだけの存在だったカザンが、このcubeを抜け出す最大のキーマンになるという展開も最高です。
この映画の特徴として首謀者が最後まで一切明らかになりません。建設に関わっていたとするワースも理由などは知らないキャラでした。プラットフォームもシステムの外に関しては一切触れられません。つまり今作も、このcube中で行われるドラマこそが描きたい全てであるということが分かります。
少しプラットフォームと比較しながら感想を言うと、プラットフォームはテーマ性が強かったなと感じます。ほとんどが何かをメタファーとして登場させ、現実世界の皮肉を謳った映画だった印象です。
cubeはストーリー性メインで人間ドラマを主軸に描いていたと思います。理不尽なシステムに巻き込まれた人間たちはどういう行動を取るか、という物語です。最近だとこの手の作品は多く、cubeはそのパイオニア的映画だと思います。そう考えると、プラットフォームは今の時代の作品の流れを逆手にとった様な映画だったとも思います。
しかし、cubeとプラットフォームでは、終わり方に大きな違いがあります。それは、まず主人公の生死です。cubeではカザン以外のメンバーは最終的に全員死に、彼だけが白い光に包まれながら脱出します。演出的にもゴールと表現できる様なシーンです。それに比べプラットフォームは、主人公は生きたまま地下に残り幼い女の子だけを脱出させます。それもゴールという様な演出ではなく、突然プツっとシーンが切れた様に映画が終わります。
ゴールした人物が誰か、というのも重要です。cubeでは、コミニケーション障害を持つカザン、プラットフォームでは、幼い女の子。
どちらの続編が見たいかと言われれば、圧倒的にプラットフォームの方が見たいです。
作品的にはcubeの方が好きですが、カザンを主軸にあの後のストーリーを綺麗にまとめられるとは思いませんし、プラットフォームは、あのシステムの意図が多少理解できるので、首謀者の意見が気になります。cubeはあの箱の意味が全く分かりません。分からないからこそ、怖いのです。あの箱の理由が分かってしまうと、逆に怖くなくなっていくと思います。
作品を比べて観るのはあまり良くないことかもしれませんが、私はどっちの作品も好きなので、お互いの違いを照らし合わせながら深堀りするのが好きなのです!!
最近よく見かける定番となったワンシチューエンションスリラーの原点であり、頂点の映画です。
レブンの理系メガネ女子感めっちゃ好き👩🏫✨