炭酸煎餅

劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えての炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

3.0
全5部作中の5作目。いよいよ最終作です。大分印象は薄れていますがTV版は一応観ていたので、その視点からの感想になります。

今作では流石に?新勢力の登場はなく、既存勢力による前哨戦~ラストバトルが描かれますが、前作までの描写のおかげでかなりの乱戦模様にも関わらず各勢力の協力・敵対関係は比較的把握できるようになっていたと思います。まあそれでも大分複雑な事は複雑で、何度か状況整理のセリフを10秒戻しとかで再確認したりはしてたんですが、TV版でのこの辺りは本当に何をやっているのかさっぱりだったので、そちらと比べればずっと分かりやすくなっていたと言えるんじゃないでしょうか。
ただ前作とかでもあった、肝心のベルリの心情描写の少なさは今作でもやっぱりちょっと気になりましたね。むしろ本作で一番感情移入しにくかったのがベルリと言えなくもない印象があり、ここはもう少しドラマを見せてほしかったなという感じがありました。

TV版とこの5部作を観て思ったのが、やっぱりGレコという作品は全体の尺に対して要素が多すぎたためにあまりドラマを描き込む余裕が無かったんじゃないかな……という事でした。
世界設定的な情勢描写やキャラクターの関係性については今回の劇場版で確かに大分理解しやすく整理はされてたんですが、ベルリ以外のキャラクターについてもまあ「解釈」は出来るものの心情に対して感情移入できるほど描写が掘り下げられてたかと言うと微妙な所もあり、やっぱりこのキャラクターと舞台でもっと掘り下げたドラマを描ければもっと盛り上がったんだろうな……というのが全体としての印象です。

とは言え、TV版を観て「よく分からなかった」だけで終わってしまうのももったいない作品だと思いますので、もしもGレコという作品についてTV版で消化しきれなかった思いがある方は、機会があればこの劇場版を観てみても良いのではないかと思いました。
炭酸煎餅

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