天才は多産であり、多動である。
エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー映画であるが、
およそ2時間45分の上演時間中のすべてが、
とてつもない熱量に満ち溢れており、
元気をもらえる作品である。
モリコーネ自身、そのキャリアの初期段階において
「映画音楽に関わることは屈辱的であった」と述べているが、
20世紀という映画の時代を通して、
やがて映画音楽というジャンルそのものが洗練され、確立していく。
そのプロセスに多大な貢献をした、まさに「映画が恋した音楽家」
作品の中でタランティーノが言っているように
ベートーヴェンやバッハに比しても決して負けることがない偉大な音楽家として、
モリコーネを同時代で、リアルに感じることができたことは、
とても誇らしいこととして、
我々も近い将来、幸せだと思うになるだろう。