波野なみ松

生きる LIVINGの波野なみ松のレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0
どうしたって感想がオリジナルとの比較になりがちだけど、この映画は完全にカズオ・イシグロの文学世界という気がした。控えめで、上品で、でも奥深く人生の哀しみをたたえて。私はカズオ・イシグロファンなので、庶民的で泥臭い志村喬よりスマートで洗練されたビル・ナイのほうが好きかも。ちょっとカッコ良すぎるけど。
ピアノの伴奏で歌うアイルランド民謡『The Rowan Tree(ナナカマドの木)』には思わず泣けてしょうがなかった。初めて聞いたけど、メロディーといい、歌詞といい、あんな涙を誘う歌は反則だよ…。
にしても、うちの課の仕事じゃないとか、あっちの課が担当すべきだかとか、引き受けてきたら「うちの上司は余計な仕事引き受けてきやがって」とか、もうホントに社内での押し付け合いって、まじであるあるだよな〜。今も昔も、洋の東西にかかわらず、なんだなぁ。
波野なみ松

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