Solo1968

母性のSolo1968のレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
2.5
 主演の戸田恵梨香さんは、下手したらアイドルタレント?という印象しか無かった僕には、かなり本格的に役作りから演技に至るまで、凄い力のこもった熱量が感じられた(他の作品は見たこと無いけど)。
 母 娘 (孫) 親子という関係においての 愛の形(憎悪の形)をテンポ良く描いた作品で 何一つ凶器のかけらすら出てこないものの、血縁関係にある実家の母娘の
親子同士の会話における 気持ち悪さ (←これはもちろん意図的にそういう不快感を誰しもに伝えるためのものとは思う)、そして義理の母を演じた 高畑淳子さんの強烈なキャラ設定と演技も不快な匂いすら画面から伝わるような十分すぎるほどの不快感を見事に表現していて、もうそれだけでも充分な怖さを堪能したが、もちろん本作はホラーではなく、タイトルにある母性という性(さが)にも
いくつかのその愛の形があり、ある程度までは微笑ましく仲睦まじい良い関係だが、ある一線を越えると これが突然 ホラー、サスペンスに姿を変えてしまう、、。
幸い?なのか?自身の周りでは ここまでの 少し過度と思えるような母子関係の人には遭遇したことはないものの、良く思い返すと、これに近い感覚の母子関係の人も確かに居て、それも一人二人では無かった。
本文を読まれた方で気分を害する方がいたら大変申し訳ないとは思うが、ストレートに表現すると、、

充分に成人として実家を出て家庭を築いて苗字も変わっているが、
異様に実の母親への依存が過度な方。セレブテレビタレントが母親とショッピングに行くなどのしょーもない番組で二人でいい歳して手を繋いでショッピングモールを闊歩する、など、あれも個人的には微笑ましいというか、それぞれ何か欠落していると思う。親離れ 子離れが出来ていない そんな関係。こういう関係の親子は決して珍しくも無いが、これが父と息子が同じ事をすると白い目で見られるのは間違いない。二人でゴルフショップで買い物して
やった!パパありがとう!って父親のと腕を組んで店を出たら これは完全にアウトとされる。

僕の価値観 常識が間違いなのかもしれないが、本作でも特に序盤までの 戸田恵梨香さんの母親役を演じた大地真央さんとの間における二人の異様な会話は、普通では無い感を訴えていると解釈できる。

こちらの主人公と母親 実の親と義理の親
この三方のインパクトが強く 永野芽郁ちゃんが随分と影が薄く感じてしまったのとともに 高校生時代をも演じるところにかなり違和感があり、かなり無理を感じてしまった。

母性という女性と娘の関係のドラマなので意図的に男性キャストのインパクトが薄く、必要以上に登場も少ない所で、見ている間に なんで 旦那はこの時なにしてんのさ?
そもそも戸田恵梨香のお父さんは何で出てこないのか?←説明あったかもしれないが覚えていない


冒頭での女子高生の自殺に至るシーンとハイライトでのその場面への繋がりにかけての展開がかなり色々詰め込まれており、孫のその気持ちのやり場 感情を考えるよりも展開が早すぎて消化不良でした。


高畑淳子さんのお芝居で
しばらく
きゅうりの漬物は食べたくなくなりました
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