ルーク大佐

Suburra -暗黒街-: シーズン2のルーク大佐のレビュー・感想・評価

Suburra -暗黒街-: シーズン2(2019年製作のドラマ)
4.0
期待以上の良作チンピラドラマだ。
元金髪、モヒカンロマ、警官ら3人のチンピラがローマを陰で牛耳るサムライに戦いを挑むストーリーである。シーズン2では、旧移民ロマに加え、イタリアが抱える新・移民問題を物語の中核にすえてきた。政治、選挙戦も含むため、現代の暗黒ストーリーとして奥行きが高まっている。

チンピラ3人衆は己の我欲を達成するために付かず離れずの関係を築く。意外に仲間思いの面もあり、単なるサイコ系チンピラではなく、どこか彼らの脊髄反射脳に理解を示したくなるときさえある。

3人の中でももっとも脊髄脳のモヒカンロマ男だが、こいつがなかなか憎めないキャラをやっている。うぶなのだ。辛い体験を背負って半泣きになることもある。

最終話では予想外の展開になり、これは驚いた。仲間のリアクションもよかった。やはりフランスのギャング映画やドラマと比較したくなるが、イタリア産のほうが日本人には理解しやすいんじゃないかな。田舎の凶暴なヤンキーに近いメンタリティがある。

フランス産ドラマの場合は精神異常者やサイコばかりが出てくるので、見ている方が疲れてしまう。制作チームにそういう傾向の者が多いのかもしれないが、ロジック無視のストーリーが多いので脳がやられてるんじゃないかと思うときもある。

イタリア人の老いも若きも男も女も、彼らの気質がよくわかるドラマなのでシーズン3も続けてみたい。
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