ルーク大佐

ポーカー・フェイスのルーク大佐のレビュー・感想・評価

ポーカー・フェイス(2023年製作のドラマ)
4.1
ライアン・ジョンソン製作、監督、脚本の1話完結型謎解きコメディってことでつまらないはずがない。主役、監督プロデュースは『オレンジイズニューブラック』で個性的な女囚を演じたナターシャ・リオン。

彼女の演技は大げさで耳障りの悪いダミ声で下品なので嫌気がさすこともある。ネトフリドラマ『ロシアンドール』は3話で途中下車したし。

さて、ネタ元はトム・クルーズ主演『ジャック・リーチャーシリーズ』かなと感じた。アマプラドラマ『ジャック・リーチャー』のほうがはるかに傑作ではあるが。

ジャック・リーチャーは巨体の元陸軍憲兵隊長で優秀な捜査官だった。除隊後は着の身着のままで国内を放浪しながら、その地で偶然遭遇した難事件を剛腕と知能で解決に導くストーリーだ。典型的なアメリカンヒーロー。原作はベストセラーの傑作である。

一方、本作は「人の嘘を見ぬく能力」を持つ女性がカジノでいざこざを起こし、殺し屋から逃走する中、たまたま出合った事件を直観と推理で解決するもの。正義感の強い点が好印象だ。

どちらも警察官や探偵ではない主人公が悪人をやっつけるストーリー。刑事コロンボのように最初の15分くらいで殺人事件のプロセスを描き、後から解決していくパターンだ。

彼女はアメリカ国内をオンボロクルマで放浪中、さまざまな事件に出合う。事件はヘビメタバンドや老人テロリストやレーサーや映画界の裏側などバラエティに富んでいる。客を飽きさせない設定は実に巧みだ。

彼女を追っかける殺し屋がもっと登場させて追いかけごっこを盛り込んだ方がいいかなと思う。続編はさらに大きな話になりそうだし、長期シリーズとして制作することもできるのでは。
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