仮面の大使

どうする家康の仮面の大使のレビュー・感想・評価

どうする家康(2023年製作のドラマ)
3.3
 白兎が乱世を終わらせるためタヌキに化けるドラマ。 

 今までの老獪な家康像とは打って変わり、弱い家康が描かれている。

 各エピソードはそこまで悪くないけど、全体を通してみると、あまり面白くはなかったという感想になる。ただ、なんだかんだいって1年楽しめたのも事実。

 序盤は、家康の弱気ぶりに少し苛ついたりしたけど、岡田准一の信長や阿部寛の武田信玄の存在のおかげで見ていられた。信長亡き後は、ムロツヨシ演じる不気味な秀吉が物語を引っ張ってくれて、終盤は家康憎しの茶々を北川景子が怪演し、松潤の家康にも重みが出てきて良かった。

 好きなシーンは二つある。一つ目は、夏目広次の名前を家康が何度も間違える理由がわかるシーン。今作で唯一泣いたシーンでもある。二つ目は家康ラブの信長が本能寺にて、家康が殺しに来るのを待っていたら、来たのが明智光秀で、がっかりした信長が「やれんのか、キンカンアタマ」っていうシーン。大爆笑でした。

 今作見てて思ったのが、家康は秀吉、信長に比べて部下に恵まれていたということ。エビスクイをみんなで楽しくやる、家族のような部下たち。圧倒的独裁だった信長や、直臣に恵まれなかった秀吉とは違う家康の強みだと感じた。

 次作の『光る君へ』はどんな作品になるだろうか?平安時代を舞台にするのは珍しいので期待したい。

 今年の地上波ドラマはこれにて終了。コメント欄に今年の個人的ドラマアカデミー賞7部門を記しておきます。
 
仮面の大使

仮面の大使