仮面の大使

君が心をくれたからの仮面の大使のレビュー・感想・評価

君が心をくれたから(2024年製作のドラマ)
3.7
 今を大切に生きたくなるドラマ。

 母に虐待された幼少期の過去から自分に自信を持てずにいる逢原雨(永野芽郁)は高校時代に朝野太陽(山田裕貴)と出会い、10年後にお互いの夢を叶えて再会しようと約束する。しかし、10年後二人は夢破れた状態で再会する。再び夢を叶えることを誓いあった矢先、太陽が事故にあい、もう助からない。そんなときに案内人という怪しい黒服が太陽を助けたければ心を差し出せと雨に言うのであった…。

 『桜のようなボクの恋人』『この恋は世界でいちばん美しい雨』といった感動作品を手掛けてきた小説家宇山佳佑が脚本を担当し、永野芽郁と山田裕貴が出演ということで今期一番たのしみにしていたドラマでしたが、見てて辛く悲しいドラマでした。

 太陽の命を救う代わりに雨に課せられた奇跡の重さ。五感を失うなんて命を失うのとほとんど同じじゃないか、なんて思ったりもする。

 そんな過酷な奇跡を与えられた雨が味覚を失うときにもっと努力すれば良かったと言っていたのが印象的。人は失うときになってはじめてもっと頑張らなかったことを後悔するもの。余命系や病気系は大抵、今を大切にしなければということを感じさせてくれるけど、このドラマではより強く感じさせられる。

 自分のことよりも相手のことを優先する雨と太陽。とても尊い。
 
 悲しくも少し晴れやかな気持ちになるラスト。奇跡とは雨と太陽が必死にもがいたあの3ヶ月の日々そのもののことだったんだと感じた。

 周囲の評価よりは良かったと思うけど、ファンタジー設定の甘さだったりが気になるし、何より週のはじめから重すぎる。このキャストで普通のラブストーリーやったらどうだったんだろう。

 

 
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