とりあえずめちゃくちゃおもろい。
戦地から戻った青年らがギャングになるという『仁義なき戦い』と同じ構図。あとジェームズ・キャグニーがジョー・ペシすぎる。
常に権威に反抗していくのがウォルシュ映画の人間。警察を海に投げ込む群衆と上流社会の規範を乱すサリバン。ヒロインもゾッコンなわけ。戦績を積むシーンの見事な省略とメロドラマ的結着を突き破る爽快なラスト。
中平卓馬がローシャ『黒い神と白い悪魔』とヴァルダ『幸福』について〈「現代」と言いながらも、おのおのが棹さす「歴史」のどうしようもない隔たり、その一見絶対的な非和解性を感じさせる〉と述べていたが、この『>>続きを読む
映画の窃視構造を逆転して、ぶち壊してるラストなんだろうけど。
ツァイ・ミンリャンは断然初期のほうが優れているとつくづく思う。
ワン・ビンの実は周到にレイアウトされた編集はすげえなって思った。最も感動したのは 、凄惨な歴史の地で、子供たちが無邪気で美しい笑顔をみせた第一章の終盤。歴史の不可逆性の残酷さと回復力の二面性。
フレ>>続きを読む
バキバキの画面を撮る濱口は珍しいのと、黒沢清じゃねえか!としか言えない。
濱口って作家主義に極めて自覚的というか、論じやすいんだけど、自らの作家性をゆるがすものを撮ってみてほしい感はある。終盤のギャグは面白かったけど今回は河井青葉以外の演技はとことんハマってなかった気がする>>続きを読む
『河』のときよりすげえ素直になったと思うけど、自分は初期のほうが好きだな。でもこの映画の持つ他にはないノスタルジアはそれだけでもこの映画を傑作の域に近づけていると思う。不具の表象をツァイ・ミンリャン通>>続きを読む
掘り下げていくほど人間理解の不可能性が深まっていくというテーマはオーソン・ウェルズ的。同時にこの恋愛模様はエドワード・ヤン映画のよう。『恋愛時代』のラストとか、吉田喜重『甘い夜の果て』を思い出した。
中国を旅したとき車窓から見た工場群や線路沿いの小さなレンガ造りの家々。長距離列車の中で酒を酌み交わした労働者たち。私は彼らの優しい目を知っているし、この映画の人々も同じだ。
「失われた景観がそこにあ>>続きを読む
めちゃくちゃ面白い。他に類を見ない長回しをやってる。といってもぼくは相米慎二を思い出した。
謎が謎のままで物語と世界が開き続けるというのは『彼女たちの舞台』や『北の橋』でも通底している。
濱口竜介みを感じた。リヴェットが撮る女たちは最高っすね。
「待つ」瞬間をほとんど省略している。なぜ男に惹かれ、死ぬのかがほとんど説明されない点でこれはメタメロドラマ。
長回しとは言わないまでもよく動き、複数ショットを一つのショットに集約させているショットが>>続きを読む
村で祭りに遭遇するシーン、彼女は群衆に負け、道から外れることが出来なかった。にしてもジュリエッタ・マシーナの演技が本当に凄い。
武田潔が『ロング・グッドバイ』の入水のシーンを映画史の反射として批評し>>続きを読む
ドリーを攫う人間がジプシーだという点で、『國民の創生』はつくるべくしてつくられたんだなと。
フェリーニが極めて個人的作家であったのはここからすでに見て取れる。『8 1/2』の前日譚として。
未だに死刑廃止を出来ていないこの醜い日本国まじダセえ〜。
まあ昨今のコンプラっつーのは差別を廃絶しようと見せかけて実は隠蔽してるだけなんだな。この映画はそれをよーく知ってるから朝鮮人も性暴力も人命も宗>>続きを読む
このカメラワークの流麗さはゴダールではほとんど感じたことがない。加えてゴダールの女性像との差異も目立つ。
戦争が個人の友情に何一つ影響を与えていないのはあまりに美しく、楽観的だ。
まずもって言わなければならないのは吉田喜重は「場」の発見に極めて長けているということ。
で、めっちゃくちゃ面白い。労働者映画、メロドラマ、サスペンス、ヴァカンス、青春が一つの鍋で煮込まれて怪異的な映画>>続きを読む
話は面白いんだけど、絵が弱い。露光が良くない。
しかし太田光海さんはめちゃくちゃ尊敬してる。
60年にして68年の敗北を見据えていたのか。にしてもカンタベリー物語形式で演劇的な演出とフラッシュバックという単純な構図は面白い。
最後の演説は底気味悪いね。
海の上で出会ってしまったばかりにギャバンは浮気をはたらいた。海と陸の対置として相米慎二『魚影の群れ』を参照。最後のシーンは重なる。
荒れる海と「予兆・omen」としての風はエプスタインの映画とも重な>>続きを読む
「家」と家族≒血の物語かな。画の作り方としてああいう現像の仕方と光のとり方はめちゃ勉強になる。
FUCK GENTRIFICATIONっす。
単純で秀逸なギャグと巨大なセット。チャップリンとジャック・タチの融合(というか母胎)
終盤の群衆の狂乱と風のシーンは必見でしょ。
ルノワールにも劣らない監督だと思う。
6つ目なんてストローブユイレの映画じゃないか。
贅沢のためなら全財産を擲つ。
圧巻ですわ。汗と血。民衆のどす黒い力が小さなドヤ街で渦巻き、過熱しきっている。大島渚の極めて政治的な姿勢は当たり前にゴダールと重なる。
にしてもシネスコが上手すぎる。
群衆と病というソビエト的モチーフはここにも発見することができる。ハンガリーまで伝播しているのか。
『DAU.退行』と繋げて考えたい。