Yuhiさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

(1997年製作の映画)

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真っ暗な部屋で禁忌を犯した彼らは生を続ける。蔡明亮による蔡明亮の映画だ。ゲイであり映画監督である彼の原罪。

王家衛も蔡明亮もマック表象が上手すぎる。
高度に都市化した中でも古い伝統が根強く残ってる台
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愛情萬歳(1994年製作の映画)

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都市の開発と人間の疎外が同時進行で進んでいく情景。大きな歴史にとりこまれていく姿。
ラストシーン、開発途中の公園と孤独に堪えられなくなる女。

ツァイ・ミンリャンは人間関係が交接する空間というか、トポ
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青春神話(1992年製作の映画)

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開放感と閉塞感、交わらない種類の人間がいる。クールとナード、内と外、ひとりとふたり。

空間論としての部屋、洪水。

とりあえずバイクがほしい。

テンペスト(1947年製作の映画)

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傑作。『海の黄金』の時より映画作家としての腕が確実に上がってる。映画技術の向上も寄与してる。

人物が被写体としてキャメラに映るときそこには契約があるわけだが、自然を相手にそれは通用しない。

揺りかご(1931年製作の映画)

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モンタージュなんだけど、エイゼンシュテイン的ではまったくない。当たり前だけど。

海の黄金(1931年製作の映画)

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正直言ってストーリーはどうでも良くて、ミソはブルターニュの自然。エプシュティンの作家性がよく出てる。

まあ音楽がうるせえな。にしても素晴らしい出来。

苦い銭(2016年製作の映画)

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フレーミングが驚異的に上手い。即興撮影でここまでできてしまうのは天才だ。

にしても夜の光が素晴らしいな。あのオレンジの街灯。

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

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ここまで倫理的につくられると映画は恐ろしい。カサヴェテスの役者への絶対的な信頼がその倫理に与してる。

クズ野郎できめえのにかっけえんだよなあ。

後半の若干リンチ的な幻夢的な演出はけっこう意外だった
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魚影の群れ(1983年製作の映画)

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二重構造の天候への反抗、空疎で深遠なマチズモ。
緒形拳の身体性がクロースショットを拒む。

長回しが本当にヤバい。

F.Jinshiの批評はやはりとても面白い。

(1989年製作の映画)

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焼きつけられた顔と自然。
徹底的な構図と陰影は物語性を凌駕する。

ペドロ・コスタの新作はやくみたい。

高原の情熱(1944年製作の映画)

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いやあこれは大傑作。

仮面舞踏会の狂乱とダム工事現場のカオス。似て非なるエネルギーの奔流。

リュミエールが写し撮った自然の息吹を感じる。そうした古典的な美学の中に、ヌーヴェル・ヴァーグ的なサウンド
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ショコラ(1988年製作の映画)

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暑い静寂に潜む欲望、人種、欺瞞。

リュックの純粋レイシストたる姿が醜悪すぎる。行動原理は国家アメリカそのもの。

フレーミングがすげえ特徴的。バザンが「フレームは事物を見せないもの」みたいなこと言っ
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ドッグ・イート・ドッグ(2016年製作の映画)

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ドープな『バービー』で罪と罰。
前半がめちゃ面白い。

ポール・シュレイダーって巨匠になることを拒否しているよね。

CURE キュア(1997年製作の映画)

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傑作。如何に最小限で見せるか。
継がれし悪、天使は負けた。

殺人の媒介物としての煙草。

造形と演出がまじで上手い。黒沢清がここまで「撮れる」監督だとはしらなかった。

沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)

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千葉真一=過剰な身体性と正当なナショナリズム。

沖縄を地政学的に描ききり、本島/他諸島の差別構造さえ言及した点ではとても意義深い。しかし現地ロケをしていない。

後半はもはや戦争状態。世界最大の武器
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博徒外人部隊(1971年製作の映画)

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沖縄ジレンマとワイルドバンチ。
『アラビアのロレンス』でもあるんだな。

絶対風景としてのフェンスは存在感を消さず、軍用航空機がガンファイトを要請する。ジルーの受け渡しのシークエンスは黒澤美学的な素晴
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希望の樹(1976年製作の映画)

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要請された革命。
終盤の行進のシークエンスのためにすべてがある。

祈り(1967年製作の映画)

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思い出されるのはパラジャーノフとヴラーチフ。
濃縮された民族性と呪いがかったショット。

秋津温泉(1962年製作の映画)

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ここまで大胆に省略できる監督はいない。
反女性的でありながら、強烈な女性映画。

序盤の15分くらいのショットがえげつない。

サイコ(1998年製作の映画)

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この挑戦に対する勇気と誠意だけは絶対に認める。しかしひとつの作品としての価値は認められない。

女のバスローブの色を緑にしたのは罪深い。

サイコ(1960年製作の映画)

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60年代ヒッチコックが素晴らしいのに変わりはないが50年代の彼ほど重要ではない。60sアメリカ映画の熱はすでにアンダーグラウンドに移っていた。

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

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合衆国と市民の対立は予見されていた。

列車の暗喩はあまりにも有名。

めまい(1958年製作の映画)

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ここまで完璧に設計された映画はもう見れないかもしれない。

ここから8本も撮ったのがすげえ。

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

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ファスビンダー映画の激烈な低俗さよ。

演技畑のファスビンダーは映画というメディアに移って何を為そうとしたか。ストイックすぎるフレーミングのみの表現か。

室内空間を執拗に撮り続ける。彼は運動を撮るの
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甘い夜の果て(1961年製作の映画)

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驚異のモダニズム。すべてを吹き飛ばす強烈なショット。

静と動の対立。聳える山、巨大な工場↔バイクの疾走、ボートの滑走。

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

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55年にこれをつくるサーク。アメリカ的良き家庭が崩壊し始めてる予兆なのか。

色彩による空間表現と記号学的表現が目立つ。服装、部屋の内外、車。ケイの部屋のシーンがやばすぎる。
そしてフロイトキチガイの
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血は渇いてる(1960年製作の映画)

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本当に凄い。東京の撮り方が上手すぎる。
こんな映画が撮りたい。

ろくでなし(1960年製作の映画)

5.0

まじでかっこいい。最高。東京も日本もつまらん場所になってしまった。

青春の終わり、、。

遠い声、静かな暮し(1988年製作の映画)

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「すべての映画は民俗の記録である」という金子遊の言葉が思い出される。

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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都市のスケッチとして最高。コロナも東京も撮りたくないけど、三宅唱は撮った。

街の呼吸とボクサーの呼吸。

鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

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驚嘆すべきエネルギー、咆哮。新文芸坐の爆音がやばすぎる。

もう二度と観たくない作品でもある。

ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

このバランスが絶妙。ヤクザ映画の脱構築的な。北野武は省略の天才だ。

北野武ほんとゴダール好きだよな。

3-4x10月(1990年製作の映画)

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バチバチ切るのとか『女は女である』感ある。沖縄のカラオケのシーンは明らかにウォン・カーウァイ。

石田ゆり子がマジで可愛い!!!

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

5.0

乾いた暴力。ドン・シーゲル並みに直接的な暴力の発露。虚構としての東京を撮るのいいなあ。

縦のショットの連続。たけしはゴダールとか深作欣二大好きすぎ。ショットが最高。