六四二さんの映画レビュー・感想・評価

六四二

六四二

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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

3.8

多くの人に向けた爽やかな青春映画でありながら集中せねば迷子になる。配信で何度か行きつ戻りつした。
韓国リメイク版を先に見て、肝心な事でひとつ相違があったように見えた。オリジナルの方が好きだと思った理由
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.7

リゾート地の美しく楽しげなカットの後ろで不気味な音楽を全力で鳴らして映画が始まる。後半になってもどの程度のどんな事が起こるか想像がつかない。コメディーでは?とちらっと思ったがとんでもない。
ゲスト家族
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異人たち(2023年製作の映画)

4.0

遠い昔に見た大林版とは雰囲気が違う。
ノスタルジーのひと大林宣彦の作品では鶴太郎の白いランニングシャツ姿と、江戸っ子口調の台詞が記憶に残る。こざっぱりした印象に対してこの度の英国リメイクは独自の要素を
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あまろっく(2024年製作の映画)

3.9

当て書きのシナリオなのか、江口のりこがすごくハマっている。ストーリーは新喜劇ばりだが芝居に中毒性がありずっと見ていたくなる。

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.8

テキパキしたジャンル映画より繊細なカットを掬っていくのがいいという人はこの映画と相性が良さそうだ。
役者が光る映画である。フリアンは個性的で見たら忘れない顔だし、ティアナはフリアンが惹かれる女性として
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辰巳(2023年製作の映画)

3.5

この映画によると反社の中にも高級、低級があるらしい。そういうのを教えてくれる映画でもある。さらには何する技術にしてもプロの仕事には裏打ちされた理屈がある。そういうのが見えるのもキモ楽しい。

空に住む(2020年製作の映画)

2.5

青山真治の最後の作。いろんな映画を撮る人であったことよ。
何となしに気持ちが苛つくのはなぜか。多部未華子と有名タレントとの関係がインスタントで9時10時のドラマばりに陳腐に見える。だから二人ともに気持
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海の上のピアニスト(1998年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

主演の1900ことティムロスより、目が泳ぎ続けるラッパのマックスの方の印象が強い。味のある個性だがこういう病気らしい。彼は映画の語り部の役割を担う。
この映画には印象的なシーンがいくつかあるが、マック
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

なんといっても、バリーコーガンの怪演!
風貌に異常性を宿す彼が画面に現れると吸い寄せられるように顔を見てしまう。
因果応報とか、究極の選択とか、フォーカスすべき点は人それぞれあろうが、こんな不気味な奴
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.0

奇妙奇天烈な映画だが、嘘臭さを感じることなく面白い。みんな大真面目でやっている。
発想の原点は何だろう?
ギリシャが日本と同じく少子化の問題を抱えているからだろうか。あるいは高い離婚率の。

男女の強
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.8

物語を通して作者がキリスト教布教について肯定的には捉えていないのが、冒頭から明らかである。牧師ルーカスが彼の上司にでデンマークからアイスランド行きを命じられるシーンの異様さからそれが感じられる。
この
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陰陽師0(2024年製作の映画)

3.5

冒頭で見るものにマジナイをかけるところがこの映画ならではである。おかげで斜に構えた者も壁を一つ取り払えた感がある。若手もベテランもキャスティングが良かった。特に男優2人のキャラクター造形が好ましく絵も>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

3.4

キムミニ× エロスで必見となる。
見た後に考えた。パクチャヌクは作り手としても見る側としても、エロシーンが嫌いなのではないか?変態方向に振り切った内容なればこそ撮影できたのではないか。小中学生が大声で
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No.10(2021年製作の映画)

3.7

映画がどこへ向かっていくのか…
想像の範囲を超えてくる。
あるものへの痛烈な批判のメッセージは私には爽快だったが、不快に感じる人もいるかもしれない。ゲッ!と映画を見て驚きたい人は見て欲しい。

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.0

とっても面白いのに、タイトルがイマイチなのが残念だ。最後までニュージーランドが舞台と勘違いしてたよ

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.7

淡々とした作風のライカートの中でも本作の淡白さは際立っている。男2人が温泉に浸かりに行く映画を世に出すのはその意義に強い信念を持ち、観客への信頼がなければ出来ない。
ライカートがセレクトした温泉がまた
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.6

冒頭の朝食のシーンでエリック家のパワーに圧倒される。バイタリティと食は比例するのだ。この家からやがて光が失われてしまうことになるとは想像し難い。
映画だけを見た私見では、カネに汚い以外、フォンエリック
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.2

映画の構図としては都落ちした家族の受難の型となる。悪さをするのは雪国のティーンエージャーである。
ミスミソウは何かというと、悪さをしない男子がヒロインを口説くのに利用する野草だ。この映画の文脈でいくと
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

自然と離れ離れになってしまった男女が、12年もの歳月ののちに相手を探し出して再び近付こうとするのだろうか?
ヘソンがそれをして、なんとそこからまた12年
そこまで相手に執着する心情は理解できないものの
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毒娘(2024年製作の映画)

3.1

親子が醜態を曝け出していがみ合う泥試合を期待したが、積み木崩しの映画ではなかった。
脚本と監督の内藤氏はティーンエージャーに対して暗い影を見ているようである。ご自身の実体験に根ざす恨みなのか、そうでな
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東京公園(2011年製作の映画)

4.0

パーフェクトデイズのルーツがここにある。
東京が公園にどれほど恵まれているか、東京近郊に居る人は理解すべきだ。そして携帯端末の電源を切って散歩をすればいい。三浦春馬の視線を感じることができるかも知れな
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.7

フォーチュンは好きではなかったがこれは悪く無い。分かりやすく、揺るがないものを核にしているのとマニッシュなのが心地良い。たまにはいいではないか。

COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)

3.5

ドラマーにスポットを当てた映画が作られたことに感激する。自分は今でもドラマーか太鼓打ちになりたいから、登場する演奏家の人達のパッションがわかる。

サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)

3.9

最高の光石研が見れる。
中国人のブローカーも本物みたいに見えるし、主演の浅野は言うに及ばず俳優の持ち味をを活かし切っている。
間宮運送のロケーションもそうだが、街の雰囲気に北九州の匂いが濃厚にたちこめ
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.2

なんじゃこりゃ
アトラクションにしたら面白そうだが
ゆるすぎやろ(笑)

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.8

ローマの撮影が美しい
画作りが豪華だし、チャント風のサントラも雰囲気がある。久しぶりのオーメンなので忘れかけていたが名場面を工夫を加えて再登場もさせている。サービス満点で想像以上に楽しむことができた。

霧の淵(2023年製作の映画)

3.6

川上村という撮影場所から河瀬直美さんのことを思っていたらプロデューサーの筆頭に名を連ねていた。山あいの村で暮らしていた人が突然その存在を消してしまうという共通点も感じた。「萌の朱雀」のそれと違い、この>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.6

鍋釜、毛布、その他生活道具を乗せた3台の幌馬車を牛馬に引かせて荒野を行く。ビーバーの毛皮で一儲けを企むアメリカ開拓移民である。
その移動の様子を捉える撮影が素晴らしい。冒頭の数分で旅の苦労が知れる。オ
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.5

たしか水面が海とツライチに見えるプールのことかと思う。贅沢なリゾートホテルを象徴するものだ。そういう観光のあり方やリゾートツーリズムの痛烈な風刺をエグい内容で繰り広げる。
ミアゴスが出ていてエックスと
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.8

故郷を出て愛犬のルーシーを連れたウェンディはアラスカに新天地を求める旅をしている。途中、自らの行動が招くトラブルにより先へ進めなくなった。
主演のミシェルウィリアムズがフレッシュなのだが、スクリーンに
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

長尺でかつ倍速再生のように走る映画だ。
不快だった。
オッペンハイマー氏の人生の浮き沈みなど知ったことではない。
描かれている権力闘争など無意味である。
原作に無くても、ストーリーの半分を犠牲にしても
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.8

ライカート作品をまとめて見てわかったのは、この作品以外(自分が見た範囲で)すべてオレゴンを舞台にしている。長編を監督した一作目の本作が例外的に故郷フロリダのマイアミ近郊、フロリダ湿地帯で撮っている。>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.3

スタイリッシュな映像音楽で気持ち良くさせてくれる映画。旅行カタログかインスタグラマー氏の動画のように観光地のザッピング映像が映る。
お話としては、少子化問題に踏み込んでくれそうで期待したが、ちょっぴり
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

3.5

殺人を犯すほどの激しい憎悪が、だんだん薄れていくのが興味深い。このようなことを描いた映画は他に知らない。
独特のアイデアが光るばかりでなく、意外と考えさせられるタイムリープものである。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

マンガの国に蔓延するルッキズムにアンチを唱えるかのような作品である。それには喝采を贈るとして…
頭上に覆い被さるフタみたいなものが、現代日本人の心象風景のように思える。そして、リアリティのある若年寄り
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.4

発情期の獣に見えるジャングルのサムニール。
駅のベンチで寝ていた酔っ払いがサインペンで落書きされたような顔のハーベイカイテル。
勘違いしてはいけないと、男は肝に銘じるべきと思った。
裏をかかれまくりの
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