六四二さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

六四二

六四二

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蟻の王(2022年製作の映画)

3.6

控えめな作品という印象だが、アルドの鋭く強い言葉が心に残る。そして偏見の無い目で真実を汲み取り、自らの信念に従ってアルドの支援に回るヤサグレ記者のエンニオが静かに熱い。
エットレの母親の印象がどうして
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.2

日本に住むものにとって非日常の極みである戦場を、非情なリアリティを持ってスクリーンに現してみせる。銃弾の雨にバタバタと斃れながらも銃剣を付けて突撃する歩兵の決死の進軍。人に向かって放たれる砲弾の恐怖。>>続きを読む

怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.4

面白かったが想像していたものとは違った。
サイコ同士のガチバトル三番勝負くらいがいいのになーと思う。タイトルが秀逸だったので期待してしまった。

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.3

正直なところブスッとして見ていた。
ところが、出ているのを知らなかったエレンバースティンが登場するくだりでカチッとスイッチが入り、そして泣きそうになる。なんと偉大な第一作だろうか。50年の時を経てなお
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

4.2

パワーアップしている!
見落とした小ネタを拾うために再鑑賞したいほどだ。最近で一番楽しませてくれた映画なのは間違いない。配信で前作を見てから臨んだ方がいい。
しかし、私はなぜ笑いながら泣いているのだ

バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.0

タイトルのことは、バッファロー(猛牛)’79や、タイガー(虎)’85 くらいのニュアンスだろうか。
物語はバッファローのフットボールチームがチャンピオンになった66年でなく、主人公ビリーがムショを出て
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コーポ・ア・コーポ(2023年製作の映画)

3.4

このぬるい映画は自分が好んでよく観ているテレ東深夜ドラマみたいだ。作者の願望が描き出すアパートの住人たちはことごとく幸福そうに見える。ユリは常に猫を抱いて、ヒマを持て余すスウェパンの貴婦人のようだ。>>続きを読む

インファナル・アフェアII 無間序曲 4K(2003年製作の映画)

4.7

Ⅱで物語は香港クライムサーガの様相を帯び、大河のごとき格調を醸し出す。見るのが二度目であっても驚かされる脚本は見事過ぎる。本作ではアンディラウもトニーレオンも出演していないのに「役者が揃った」感の強さ>>続きを読む

インファナル・アフェアIII 終極無間 4K(2003年製作の映画)

4.1

ジャンルはサイコサスペンスへと移行し、男が新たに登場する。ヤン、ウォン、サムらのファンへのサービスは抜かりなく、まだ生きて存在するかのように画面に出てくる。
完結しないで欲しいと駄々をこねたい人は私以
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攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間(2023年製作の映画)

4.5

大スクリーンと音のいい施設で見るべし!
今回モトコより、グリコが主役と言っていいだろう。前作を見ているに越したことはないが、画像の力がすごいので十分に楽しいはずだ。
CG版の違和感が無くなった

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.6

タイムリーというべきか、武装集団に拉致され、その後救出された日本人男性の現在を追うドキュメントがNHKで放映された。不幸にも殺害された事件もあった。その時のニュースを見てホッとしたりショックを受けた記>>続きを読む

パリ、テキサス 2K レストア版(1984年製作の映画)

4.3

ライクーダのサントラが本作との出会いで、カセットテープかMDに入れて聞いていた。このたびはじめて映画を見てバグダッドカフェとの類似点を強く感じた。ドイツの人はアメリカの荒地に興味を持つのだろうか。
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.5

面白かったのに、雑なくらい性急にお話が畳まれてしまった。映画一本に収めるよりはドラマにしてじっくり描くのが良さそうだが、そんな時代ではないのかな
自分以外にもうひとり見ていたはずだが、明るくなって振り
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ポエトリー アグネスの詩 4K レストア(2010年製作の映画)

3.9

邦題の補助線がなければ、うっかりと流してしまうところだった愚かな自分である
もう一度見れば見えかたが変わってきそうな作品である
イチャンドンの世界は深い

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.4

私の見ていた鬼太郎とは、まるっきり別物だ
ファンの層が厚すぎてどこを狙えばよいかわからなかったろう。
搾りかすのようになったユーレイ族や、醜くなってしまったゲゲゲの女房などで水木しげるの絵とわかるくら
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PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

3.4

ほとんど日本語セリフによる韓国映画
難度の高いチャレンジをよくやったと思うが、であれば日本人俳優を使ったほうが良かったのではと思ってしまう。
好きな俳優達が見れていいんだけど。
みんな、日本を嫌いにな
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.6

SISUとはFin国で折れない心のようなことらしいが、柔と剛でいうならばどうも「しなやかさ」つまり柔によるものに思われる。主人公はどうみても剛の人だ。
ストイックで枯れた復讐の鬼というのでもなく、GO
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グロリア(1980年製作の映画)

4.8

こんなのも作ってしまうカサベテス
本当に撮りたいものを撮るために資金を集めたんだろう
ジーナローランズがクルマに向け容赦なく発砲するシーン。居合の達人が伝家の宝刀を抜いたようである。ギャング達が泣きそ
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インファナル・アフェア 4K(2002年製作の映画)

5.0

好きな映画を、劇場で見れたことに感激する
改めて脚本の素晴らしさに対して賛辞を贈りたい
エンタメ映画の金字塔だ

夢二 4Kデジタル完全修復版(1991年製作の映画)

3.4

耽美的で全てのシーンがきまっており、俳優陣も豪華だ。私にはファッション雑誌を眺めているような体験だった。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

オクラホマ州オーセージ郡
石油の利権をアメリカ先住民が握り、経済的に白人より優位な地域と時代があったことの驚きと、アメリカ史への興味がそそられる作品だ。
主人公はこれまでのスコセッシ映画の人物像とは少
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4人の小さな大人たち(2023年製作の映画)

3.9

見れる人はあまり調べずに見てもらえばいいと思う。新時代の夫婦関係の一つのあり方の提示に正直驚愕した。
色々と、考えさせられる良作だ

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.7

何のために殺し合いをしているのか?
一人はビジネスだと言った。これを見ていると本当にわからない。登場人物は皆、魅力的である。善人も、悪人もである。ただし、善良そうな人物は一人しか出てこないが…
黒のK
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

NHKやBBCのドキュメントのようだ。
仕事の段取り、プロの技、心構え
あるいは情熱大陸

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.1

もしも、こんな風に人が育てられたら…
そんな、仮説なのか、実話なのかわからないが
35歳のオールドボーイ、バビーがまちに放たれる。獣のようなバビーがまちでの経験、ミュージシャンとの交流などを経て人間ら
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

ヒトとは何か?生物とは何か?
このAI◦クローンものの命題を本作でも突きつけられる。

アメリカ人やベトナム人がこれを見てどのように感じるかを想像すると、あまり良い気はしなさそうだ。映画はベトナム戦争
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

強引な展開で気になる点はたくさんあるが、良い場面やアイデアも多くあった。具体的にあそこがどうこうというのは野暮な話。祭りなので…
重圧に耐えてよく作ってくれた山崎氏に感謝
財布に余裕があれば4DX鑑賞
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.8

デンゼルワシントンは古武術の達人のようだ。相当鍛えたのだろうな、トレーニングデイ(笑)スティーブンセガールのようだった。
細かいところはともかく、骨組みとしてはオーソドックスなアクション映画だ。西部劇
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.0

この映画は予習が必要なのか。何十年も前の緩い海外ドラマを見ているようだ。
ジェイソン様は動きのキレがよく敵をやっつけるのを見るのは楽しいのだが、それがない大人しい場面が多過ぎて意識を飛ばしてしまう。そ
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台風クラブ 4Kレストア版(1985年製作の映画)

4.2

過去見たときと違う印象を持った。
歳をとり多少いろんなものが見えるようになったからか。しかし今どきの映画に慣れた人間にはこの映画が余りにも世間の目を怖がっていないことにそわそわする。表現や内容は現在で
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ガールズ&パンツァー 最終章 第4話(2023年製作の映画)

5.0

走り、ぶつかり、転がり、跳び、滑走するのは主役である戦車達だ。近年のアクション映画を凌駕する映像である。格闘戦表現の精密さがとんでもなく増していて、このようなアクションがあるいは可能かと思わせる。今回>>続きを読む

リゾートバイト(2023年製作の映画)

3.6

面白い!
途中で席を立ちたくなっても、最後まで見るべきだ。中盤から怪しさが増して、やがてジャンルボーダレスの様相となる。きさらぎ駅変奏曲その2といったところか

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

3.7

3色に色分けされた字幕にまず驚かされる。ルーマニアの、映画の舞台となった地区では複数の言語が日常に飛び交うということだ。映画に描かれたことは大陸に暮らしてきた民族だけの問題でない。消滅に黄信号が点る日>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

3.9

岩井俊二作品に相応しいピュアさと線の細さではあるが、歌声が力強い。自分の世代でなら玲葉奈と安藤裕子とCHARAの良いところがぎゅっと詰まったような歌を歌う。アイナジエンド。わたしはお初だったが、ジエン>>続きを読む

almost people(2023年製作の映画)

3.8

自分のことを感情の一部が欠落した人間と感じている四人にまつわる四遍のオムニバス。各話の豪華なキャストが見どころの一つ。気楽に見れて質の高いこのような作品の存在がシアター通いの原動力になっている。たいへ>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.6

音楽のことは雰囲気でしか語られぬロマン溢れるドタバタコメディであり、それが良い。キャストをみて楽しむ映画だと思う。好きなキャラはバンマス高橋和也とクラブ店長杉山ひこひこがいい味を出してる。いくつかよく>>続きを読む