パーソナルな問題ではなくて、システムとしての男性性の悪夢。
「泣いてもいいんだよ」って言葉では浮かばれなさすぎる。
暗いマッチョなザック・エフロン。そういえば『ハイスクール・ミュージカル』の主人公も父>>続きを読む
主人公が音声マンだし、霊現象とフォーリーの組み合わせは面白そうだなと思ったけど、特にそれが活かされるわけではなかった。でも大分変わった物語で飽きない。
理不尽な何かが起こってるということ自体は感知でき>>続きを読む
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「Katzelmacher」は、ヨーロッパ南部出身者への侮蔑語とのこと。ヨルゴスはギリシャからの「Gastarbeiter」だけど、途中までイタリア人と呼ばれる。劇中のミュンヘンの若者達は、粗>>続きを読む
冒頭と結末で、ファーリー・グレンジャーもキャシー・オドネルも佇まいや表情がまるっきり変わる。95分でここまでの変化を描けるのが単純に凄いと思った。
エドワード・アンダーソンの原作タイトルは「Thiev>>続きを読む
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高低差がヒエラルキーを如実に示し続ける。
見下ろすドリーズームに対応するかのように、スコッティは常に他の人間(主に男達)を見上げている。カメラが彼を見上げる時は、後ろに更に高い建物(教会や塔)>>続きを読む
久しぶりに見た。
密告するのは愛を確かめるため。
ファスビンダーとの比較のために見たけど、あんまり似てないな。
空間の位置関係を厳密に描くことをゴダールはしないし、むしろその逆。
アメリカの換喩として>>続きを読む
めちゃくちゃ元気出た。
自分の世界が拡張する瞬間の喜びを描く映画は良い映画。
再鑑賞
スーパーマーケットや野原で俳優が「自然」に演技している場面は、確かに「neu」で軽やかな空気が流れるが、そのどちらも後の破滅的展開の前振りに過ぎない。
いくら暴力的で排他的だったとしても、ファ>>続きを読む
再々鑑賞
再鑑賞
ゲームばっかやってタバコとビールが主食の「大きい子供」人生なんて続けてると世界終わるぞという教訓映画。
真の大人になるのならば、親も腐れ縁友達もレコードも捨てるしかない!
フェイクでキャリアを始め、フェイクで業界を追われたオーソン・ウェルズの遺作が本作なのはアツいなと思いつつ、単純にこんな映画見たことない!という驚きに尽きる。
全部フェイクという危険な絶望ではなく、むし>>続きを読む
『まわり道』が風景+テキストの映画なら、『都会のアリス(都市都市のアリスの方が正確)』は風景+表情。
写真の証拠性や非血縁関係のコミュニケーションなどは勿論良いけど、根底には寄るべなさが流れている。言>>続きを読む
ファスビンダー自身が扮する暴力的な青年(調べたらネオナチぽい)。
『ザ・キラー』にも思ったけど、拳銃というアイテムは、射殺する以上に、相手の行動をコントロールする(手を上げさせる、命令に従わせる)暴力>>続きを読む
発見の映画だと思った。
アハマッドが何かを見つけ続けることを通じて、映画内世界も広がり続ける。
この家二階建てだったのかとか、今夜になったのかとか、常に新鮮な発見ができる。
何かを無視する大人達。
最>>続きを読む
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チェイスシーンが有名だけど、群像劇として面白いな。
逸れもののリンゴとダラスが次第に同じ画面に収まっていく。
先住民の描き方は、アパッチ族はかなり差別的だが、シャイアンは逆にマジカルな使われ方>>続きを読む
いわゆる効率的な語りによる映画なのだろうが、散髪屋との会話や道端で遊ぶ子供達など、本筋に直接関係のない要素が入っているし、しかもそこで物語を停滞してる印象が全くないのが面白い。
殴ったり殴られたりの動>>続きを読む
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マゾヒスティックな自殺願望。
本当に大学の自主映画みたい。でも公園の俯瞰、日本と西洋についての朗唱など時折目を見張る場面もある。
スクリューボールコメディとして笑える箇所は随所にあるけど、予想以上にセクシュアルな話だった。
夜に寝床を分ける二人の距離が徐々に近づく過程が、ロマンチックというにはあまりにも暗く生々しい。
森の中で唇>>続きを読む
展開が蓄積すると共に、主人公のフラストレーションもどんどん高まっていく。ライカートの映画は全部そうだった気もするけど、今作はそれがコミカルに昇華されていてずっと楽しい。その緊張を一瞬で破る動物達の運動>>続きを読む
湖畔での愛の告白の、凄く単純だけど丁寧に作られた立ち位置の演出。
喧嘩する場面は編集が早いのに、じっくりと話すカメラも動く。
山田五十鈴が唯一髪を下ろしてる場面が良い。
日常の裂け目を覗く。鏡面の使い方は意味わからないけど面白い。
夫?を静止する女性のショットが、『殺しのドレス』そっくり。
リンチがマヤ・デレンを参照したのは聞いたことあるけれど、デ・パルマってどうなの>>続きを読む
寄り合い場としてのバス。規範に包摂されきらない乗客達。
「ありがとう」の言葉と共に峠を歩く人々を追い抜かす時、人がバスを避ける瞬間は映されず、振り返り見送る表情がディゾルブで繋がる演出が端的に示す通り>>続きを読む
言ってることと思ってることや、見せたいものと見てるものの差があるだけでこんな面白い。
いや全然ダメな所もあるんだけど、他の人が酷評してるのを見たらイライラしてしまうぐらい自分はクリストファー・ノーランが好きなんだと思う。
映画文法も何もかも滅茶苦茶なノーラン映画としては過去最高に満足。>>続きを読む
労働者、学生、エンジニア。
同じ人、同じものに異なる意味を与える。
冒頭から惨禍のイメージについての問題提起。
同時代でファスビンダーはアンチテアターで挑発的な政治劇を上演している。
「リメイク」映画としての試み。
キャシーがメロドラマの箱庭から去ることはなく、でも最後に世界はすでに色褪せている。
二人のダンスは、サークほど甘くないけどファスビンダーほど絶望的でもない。しかも恋愛関>>続きを読む
メロドラマ→心理スリラー。
徐々に家の中に暗い影が指す演出が不穏。
暗闇で音だけ聞こえる冒頭も格好いい。
計算された構図に突然侵入するケイリー・グラント。
昨今のハリウッド大作の中では、白人酋長物語にかなり正面から切り込もうとした野心作とも思うし、いくら正面から白人酋長物語に切り込んだところで、これ作ってるのは今のハリウッドなんだよなとも思ってしまう。
映画としての弱さが、そのままメッセージの弱さに繋がってる。
このレビューはネタバレを含みます
ノスタルジーの罠。
過去に意識を向けるうちに、遡行的に「思い出」が作られていく。序盤の演出が秀逸で、時間の境が曖昧な編集が観客を回想に引き込むのだが、それはヌードルスが語る物語の一つに過ぎない。
ヌー>>続きを読む
ジャンルが変わっていくのではなく、法廷劇の中にメロドラマや若者の非行モノが組み込まれている構成。
男が挫折するメロドラマは、ニコラス・レイって感じ。『孤独な場所で』しか観てないけど。
陪審員や裁判官、>>続きを読む
ヘナヘナと橋を渡る少年を見るおとっつぁんの表情が好き。
それまでのロングショットではわからなかった人間味が一気に見える。
こんな高く登っていたのかとわかる木登りの編集。
今はいない人、かつていた人。
証拠性が写真や映像には常に遅延を伴っているのに対して、かつてそこで聞こえた音はダイレクトに語りかけてくる。耳馴染みの良い西島秀俊の朗読や、素朴なインタビュイー達の語りと違>>続きを読む