torumanさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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聖なる証(2022年製作の映画)

3.8

冒頭にいきなり映し出される映画のセット。
意表をついた演出。

続くモノローグで作品のテーマを明らかにしています。
「これから皆さんが合う登場人物は、自身の物語を全身全霊で信じている。
登場人物には籠
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.9

デル・トロ臭満載のダーク感溢れるクレーンアニメ

キャラクターの造形がとにかく秀逸!
この不気味可愛さは、ティム・パートンと同じ異形への愛着を感じますが、デザインはリアルさからのデフォルメと、こだわっ
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.0

法廷を舞台に描かれる傑作青春群像劇

本作はスティーブン・スピルバーグが監督予定でしたが、ハリウッドでおきたストライキが原因で制作が延期され、脚本のアーロン・ソーキンが監督をしています。
アーロン・ソ
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.6

主婦の日常を3日間眺め続ける200分の体験。

シャンタル・アケルマン監督の傑作。
英国映画協会が発表している「史上最高の映画100」では、突如この作品がNo.1 となっています。

アケルマン監督は
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ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

3.7

スパイク・リーが描く、有色人種から見たベトナム戦争。

ベトナム戦争に従軍し、今は御老体の黒人退役軍人4人が、戦死した隊長ノーマンの亡骸と金塊を探しに、再びベトナムの地へ。

冒頭に、激動のベトナム戦
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ノベンバー(2017年製作の映画)

3.9

白と黒、月と闇が織りなす美しい悪夢

モノクロ映像に浮かぶ狼と雪。
頭が牛の頭蓋骨、身体が農具でできた"使い魔クラット"が子牛を捕まえてヘリコプターのように運ぶ。
冒頭のシーンから、美しい映像と独特の
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ANIMA(2019年製作の映画)

3.9

トム・ヨークとPTAのコラボMV

トム・ヨーク本人がコンテンポラリーダンスを披露してます。
撮影は『セブン』『バルド〜』のダリウス・コンジ

地下鉄のうたた寝振り付け
街へ飛び出しマスゲーム的ダンス
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.4

史上最強のファンムービー

今年の初レビューです。

湘北・山王工業戦を中心に、宮城リョータのエピソードを絡めて描かれます。

原作では1200ページに及ぶこの試合。
見せ場をあれこれ入れたくなる所を
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

聴覚障害者でプロボクサーでもあるケイコの物語。
いくらでもドラマチックにできる題材ですが、あえてドラマ性を廃し、普遍的な話として語っています。
また、ボクシングを始める経緯などの起承転結は無く、ボクシ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.0

"驚きと戸惑いの映画体験がいま始まる"
ちょっと大袈裟な宣伝文句😅
濱口竜之介監督のベルリン銀熊賞作品です。

前回レビューした『LOVE LIFE』とは真逆に近いアプローチです。
長台詞と固定カメラ
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.0

矢野顕子の同名曲から着想を得た深田 晃司監督作品

ある悲しい事件を発端に、それぞれの立ち位置・関係性が崩れ始める。

嫁(妙子)に対する義理の両親の気持ち
息子に対する父親の気持ち
前夫(パク)に対
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マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

4.0

「僕は運がよかった。
スプートニクに乗って空を飛んだライカ犬。心臓と脳にはワイヤーをつけられて、餓死するまで地球を5ヶ月回った。
僕はそれよりかましだ。」
イングマル少年の独白が印象的なラッセ・ハルス
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.8

惑星パンドラのネイチャー・ドキュメンタリー

池袋グランドシネマサンシャインIMAX 3D HFRの全乗せ仕様での鑑賞です。

映画技術革新の父(勝手に呼んでます)ジェームズ・キャメロンは、観客に驚く
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.7

『マリッジ・ストーリー』『イカとクジラ』のノア・バームバック監督最新作にして問題作です。

大学教授のジャック(アダム・ドライバー)と妻のバベット(グレタ・ガーウィグ)、4人の子供たちとのパニック・ス
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.0

シャンタル・アケルマン監督の『私、君、彼、彼女』から4年後の自伝的作品です。
今回は監督に専念し、オーロール・クレマンが彼女の分身となります。

映画監督のアンナが自作の売り込みに、ヨーロッパ各地を回
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.9

シャンタル・アケルマン24歳のセルフポートレイト。
アート作品というより実験作品です。

早稲田松竹の二本立て特集で鑑賞しました。
この劇場は配信の無い作品を上映する事の多い得難い劇場です。

この作
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.8

A24制作、『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のデヴィッド・ロウリー監督のダークファンタジーです。

アーサー王の甥であるサー・ガウェインは、日々空虚で怠惰な日々を送っていた。
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バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

4.4

イニャリトゥの『8 1/2 』あるいは『オール・ザット・ジャズ』

『バードマン』「レヴェナント』のアカデミー賞監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの自伝的作品です。

荒地に映る影が助走をつけ
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.1

「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と呼ばれるアニエス・ヴァルダ監督の1985年作品です。

南フランスの片田舎、ブドウ畑の側溝で少女の凍死体が発見される。
ワインにまみれて硬直したその少女はモナ。
カメラは
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

3.9

『パリ13区』でセリーヌ・シアマと共同脚本を執筆したレア・ミシウス監督の長編2作目。

「ファイブ・デビルズ」というフレンチアルプスの小さな山村に家族で暮らす少女ベッキーは匂いフェチ。
類稀なる嗅覚で
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

アダム・マッケイ制作、ドラマで賞を独占している今注目のマーク・マイロッド監督のブラックコメディ・サスペンス

カリスマシェフのスローヴィク(レイフ・ファインズ)が待つ孤島のレストラン。
コース料理12
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.8

チャドウィック・ボーズマンへの壮大な鎮魂歌。

チャドウィック・ボーズマンの早すぎた死。
他の作品だったら新しい俳優によるヒーローの復活は普通にあるパターン。
しかし、前作で成し遂げた彼の業績から代役
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.1

前作から8ヶ月で届けられた、今泉力哉監督作品。
今回は監督が、今泉作品が大好きと公言している稲垣吾郎を当て書きして脚本を仕上げた相思相愛で作った作品です。

妻が浮気しているのに自分がショックを受けな
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.6

超話題作の場合は何を書いてもネタバレになりそうなので、詳しい事は書いていませんが、既に観る予定のある方はスルーして下さって結構です😊

「ルージュの伝言」🎵
ネコ🐈
女の子の成長物語
ジブリの『魔女の
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赤い影(1973年製作の映画)

4.0

赤と水の芸術的なトラウマ

ハロウィンをすっかり忘れていました💦
U-NEXTに再配信された、昔に観た作品で1週間遅れの1人ハロウィンです😅
ニコラス・ローグ監督のサスペンスホラーです。
英国業界人が
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ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

4.5

LOTRで1番好きな3作目。
エクステンド版も含めて4回目の鑑賞。

指輪を葬る為、滅びの山へ向かうフロド・サム。そして指輪を狙うゴラム
ガンダルフ・アラゴルン達旅の仲間とローハン軍のゴンドールの都ミ
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.8

『世界でひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』アカデミー常連デヴィッド・O・ラッセル監督作品

アメリカでもフィルマでも評価が割れています。
この作品をどう捉えるかで評価が変わると思いました。
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RRR(2022年製作の映画)

4.3

『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ監督のスーパーエンターテイメント。
インド映画のエンタメ全振り作品は観たこと無く、ミュージカルもちょっと苦手…、3時間の上映時間。
観るのに腰がひけてまし
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ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.5

「one shot」

午前10時の映画祭で、久しぶりに映画館で鑑賞です。
マイケル・チミノ監督、アカデミー作品賞の衝撃作です。

マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン
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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

4.1

1日1回上映の為、休日は全くチケットが取れず平日のチケットを入手。
やっと観られました。
エクステンド版も含めて4回目くらいの鑑賞です。

前作でバラバラになった旅の仲間、それぞれの目的を持って旅を進
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夢二(1991年製作の映画)

3.9

鈴木清順監督「大正浪漫三部作」の最終作。
特集「和の匠・美術監督 池谷仙克の映画」にて初の劇場鑑賞です。

「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」の原作が怪談話なのに対し、この作品は大正の有名絵師で色事師
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

アダは羊?人間?
それとも?

A24が配給したアイスランド産ダーク・フォークロア(おとぎ話)です。

羊飼い夫婦は羊の出産で、不思議な赤ん坊の誕生に立ち合います。
夫婦は赤ん坊に"アダ"と名付け、静
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.2

73分の小さな宝石

古今東西、女性を描いたら現代最高峰のセリーヌ・シアマ監督の最新作。

8歳の子供同士のハートウォーミング系?
ファンタジー系?
今までの作品とあまりにも違うテーマなので、ちょっと
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ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

4.4

ただのファンレターになってしまった💦

スターウォーズ、ハリポタ、インディジョーンズetc…数あるエンタメ作品のシリーズで1番好きなのがLOTRです。
作品が傑作で回を追う毎に素晴らしくなるシリーズは
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.1

『横道世之介』のコンビ沖田修一と前田司郎の最新作で、さかなクンの半生を描いた作品です。

映画の冒頭に「男か女かはどっちでもいい」の表示がでますが、正にそこにいるのは、のんではなく、さかなクンことミー
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.1

名匠エリア・カザン監督の妻であり女優、48歳で死去したバーバラ・ローデンの監督・脚本・主演の最初で最後の作品です。

自分に自信がなく、他人に認められない事に諦めてしまっている主人公のワンダ。
映画の
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