旅するランナーさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.1

【メンヘラに誘い込むストップモーションアニメ】

あんマリ~ヤ~。
ここまで病的なアニメは見たことない。
シュヴァンクマイエル的であり、リンチ的であり、大友克洋的である。
でも、それらをも凌駕する独創
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(2021年製作の映画)

3.9

【チリからの衝撃】

チリの二人組監督レオン&コシーニャの初長編「オオカミの家」と同時上映。
アリ・アスター監督(「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」)が製作総指揮に名を連ねてます。
2021年の
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古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

4.2

【極め付きの邦題】

プリンスとプリンセスによるラブストーリー3話。
「ファラオ」「美しき野生児」「バラの王女と揚げ菓子の王子」。
ミッシェル・オスロ監督による、美しさを極めたアニメーションに酔いしれ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.6

【赤いイナズマが僕を攻める】

前半の松岡茉優と窪田正孝のラブストーリー。
松岡演じる、映画監督の卵でもある主人公が言ってるように、映像的にはダサいセリフが続きます。
でも、窪田の演技力によるのでしょ
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ドミノ(2023年製作の映画)

4.5

【いい映画っぽい】

ロバート·ロドリゲス監督が21年前に「めまい」を観てアイデアを思い付き、脚本を書き始めたが、しばらくほっぽっていたとのことです。
原題は「Hypnotic」で、「めまい」の原題「
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.4

【ある男湯】

今泉力哉が、また一つ名作を生み出した!
今、この監督に波が来てます。

人を分かるってどういうことなのか?
家族のことは分かっているのだろうか?
自分のことですら分かっていると言えるの
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アナログ(2023年製作の映画)

4.2

【また、夢になるといけねえ】

ビートたけしによる初の恋愛小説を映画化。
連絡先を交換せず、木曜日の夜に広尾の喫茶店「ピアノ」で再会できるかで付き合い続ける男女の純愛。
小説では、スメタナ「我が祖国」
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ヲタクに恋は難しい(2020年製作の映画)

3.6

【オタクの役には難しい】

さすが高畑充希、ポップでキュートです。
ミュージカルシーンも見事にこなします。
山崎賢人も信・キングダムと真逆のクールなイケメン。
これだけの外見をもってして、どうして“ヲ
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

4.2

【池松壮亮・仲里依紗他舞台挨拶付上映】

ジャズミュージシャン南博の回想録を大幅に脚色して映画化。
池松壮亮が一人二役(南&博)を演じているのがミソ。
また、昭和63年末、銀座のキャバレーでの一夜の出
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ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)

4.3

【猫だっそー】

タイトルに「パリ」とか「猫」とか入ってると、ついつい見たくなるタチです。
今作は「パリ」と「猫」が揃っていて、しかも猫が可愛くて、チラシを見た時から、必見映画にリストアップしておりま
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.9

【女史力】

もちろんアガサ・クリスティー女史の推理小説が原作です。
1969年に発表された「ハロウィーン・パーティ」。
設定を、第2次世界大戦後、ベネチアでのハロウィーンの一夜にしています。

亡霊
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少年、機関車に乗る 2Kレストア版(1991年製作の映画)

3.9

【再発見!フドイナザーロフ/ゆかいで切ない夢の旅】

原題「БРАТАН(Bratan)」はロシア語で兄弟の意味。
というわけで、17歳の兄と7歳の弟による機関車ロードムービーです。

マイペースな運
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名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)

4.0

【あなたの色に染められ】

水族館のある遊園地でのパニック映画。
とにもかくにも、キュラソー女史の身体能力がものすごい。
首都高でのドリフトカーチェイスから始まって、観覧車が「1941」みたいになっち
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名探偵コナン 天国へのカウントダウン(2001年製作の映画)

3.6

【ドキドキが止まらない】

超高層ビルでの火災とアクション。
タワーリングインフェルノとダイハードの面白さを併せ持ち、ドキドキが止まらない。
蘭姉ちゃんの火事場の馬鹿力と勇気ある行動にもドキドキします
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.1

【夢で逢いましょう!】

塚口サンサン劇場で、今敏監督作「パーフェクト·ブルー」「パプリカ」連続鑑賞。
女優をめぐるスリラーと、夢の中の女による戦い。
ひねりまくったストーリーがトコトン面白い。

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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.6

【パーフェクトな怖さ】

監督:今敏。
キャラクター原案:江口寿史。
企画:大友克洋。

女優をめぐるスリラー。
現実なのか、ドラマなのか、妄想なのか、分からなくなってくる。
その恐怖、キャシー・ベイ
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.1

【本物の美しさ】

パリ·オペラ座の現役ダンサー、プルミエル·ダンサーズのマリオン·バルボー。
コンテンポラリー·ダンスの振付師ホフェッシュ·シェクター。
本物のバレエ・ダンスに圧倒されます。

冒頭
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.8

【せんべいのような映画】

隅田川べりの昭和な雰囲気を残す下町風情の中での、昭和チックな人情噺。
登場人物、セリフ、風景、物語の展開、どこを取っても山田洋次監督。
山田洋次すぎる映画。

母:吉永小百
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シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

3.8

【ありがとうエヴァン・ハンセンです】

これは、アメリカ人好きだろうな~。
夏休みに子供たちが一緒に生活しながら、ひとつの舞台を作り上げる、演劇スクールキャンプ。
ちょっと変テコな教師たちとともに、コ
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

4.1

【苦悩が整う言葉の力】

犬神家の一族的ノリからの逸脱、まさかの天パーの呪い、そして誰もいなくならなかった。
祟りじゃ~、天パーの祟りじゃ~。
あっ、これは八つ墓村か...

いつも重要な役で出てくる
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.7

【逃げきれなかった睡魔】

光石研の一人芝居を見るような作品。
光石さんの出身地北九州でロケしてます。
記憶が薄れていく症状が出だした定時制高校の教頭を、哀愁漂わせ滑稽さも滲ませながら見事に演じていま
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ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.9

【オーケストラファンに】

ふたりのマエストロ(父親と息子)が主役ですから、クラシック曲が多数流れます。
どの曲もすごくいい。
音がとてもいい。

ブラームス:間奏曲第7番
モーツァルト:ヴァイオリン
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ラーマーヤナ/ラーマ王子伝説(1993年製作の映画)

4.0

【塚口のサンサンとした熱狂】

今、9月16日に開催される「ヴァチカンのエクソシスト」の発声可能応援上映が、塚口界隈をザワつかせてます。
日本語NGラテン語のみOK(カンペ、単語帳、辞書の持ち込みOK
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星くずの片隅で(2022年製作の映画)

3.7

【コロナ禍の片隅で】

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた香港。
清掃業を営む男性:ザクとシングルマザー:キャンディの交流を描く人間ドラマ。
不要不急の外出禁止、経済停滞による仕事の
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K.G.F:CHAPTER 2(2022年製作の映画)

4.2

【新たなるロッキー伝説誕生】

ロッキー! ロッキー! ロッキー!
イタリアの種馬からインドの鉄鎚へ。
ROCKY STAR ヤシュの野趣溢れる野獣ぶりにヤラレます。
権力と金を手に入れた悪のヒーロー
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K.G.F:CHAPTER 1(2018年製作の映画)

3.8

【こいつは、ごっつい、振り切ってる(K.G.F)】

スラム街生まれの少年がマフィアとなり金鉱を支配する、悪の出世物語。
弱きを助け、強きを叩く、喧嘩に強くて、美女に弱い。
フーテンのヤシュと発します
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.2

【ウェス・アンダーソンすぎる映画】

これも、ウェス・アンダーソン監督作品を観続けていて、この人のオタク気質への許容性がある程度備わっていないと、なんじゃこれは!?で終わっていまいそうです。
あからさ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.1

【クリエイティビティ・オブ・ザ・フューチャー】

これは、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品を観続けていて、ある程度クローネンバーグ耐性が備わっていないと、拒絶反応のみに終わってしまいそうです。
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

2.9

【初キッスは爆発だ!】

パラレルなファーストラブワールド。
変われない世界から、希望の未来へ君を送り出す勇気と優しさに心打たれる、MAPPA制作のアニメ映画。

心音が聴こえて来そうな、雪降るキスの
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

2.0

【リバー、濁らないでよ】

京都を拠点とする劇団ヨーロッパ企画によるSFコメディ。
京都・貴船にある老舗料理旅館ふじやと貴船神社が舞台。

ちなみに、地名としての貴船は「きぶね」だけど、貴船神社は「き
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神回(2023年製作の映画)

3.8

【中村貴一朗監督舞台挨拶付上映】

サマーウォーズならぬ、サマーループ。
夏休みの教室での5分間(13:00-13:05)がタイムループする。
青春映画であり、老活映画でもある。

延々ループする不可
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シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

4.0

【ある偉人の生涯】

シモーヌ・ヴェイユの生涯を描く力作。
エルザ・ジルベルスタイン演じるシモーヌが回顧録を書く中で、人生を振り返ります。

シモーヌは、フランスあるいは世界の現代史において重要な存在
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

【2023年バービーランドの旅】

女の子向けのキラキラ映えるファンタジーと思ってました。
ところが、さすがグレタ・ガーウィグ。
人形(人間)存在の深淵にまで迫る、深~い哲学的作品になってます。

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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.8

【霧中の綾瀬はるかにもう夢中】

レトロ感と、和洋中折衷な雰囲気を醸し出す、長浦京による大藪春彦賞受賞小説の映画化作品。
綾瀬はるかとシシド・カフカに見惚れてしまいます。
美しきガンファイト。
「グロ
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世界の終わりから(2023年製作の映画)

3.7

【この映画を愛したい】

紀里谷和明監督が監督引退宣言した作品ですよね。
そこまで人間不信・人間嫌いになったんでしょうか。
こんな世界なんて滅亡してしまえ!みないな感じになってます。
思念の海とか言
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カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)

3.8

【それにつけても...】

風船をいっぱい付けた家が空を飛ぶ、美しさ。
老人と少年のバディムービーとしての、楽しさ。
「犬ヶ島」の先行く犬たちの活躍の、面白さ。
トム・クルーズにも負けない、じいさんv
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