いろどりさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

天空の草原のナンサ(2005年製作の映画)

3.8

パルムドッグ賞受賞!
垂れ耳が可愛い😊

内モンゴルではなくモンゴル国の映画。
6歳のナンサは好奇心旺盛で、洞窟から犬を連れてきてしまう。オオカミの仲間の可能性があり、臭いでオオカミを引き寄せてしまわ
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芙蓉鎮(1987年製作の映画)

3.9

文化大革命の時代に生きる女性の映画はチャン・イーモウ監督の「活きる」が名作。時代に翻弄されながら悲しみ、苦しみ、ぼろぼろになりながら生き抜く様子は今作も同様で、本当に恐ろしい時代だったんだと改めて恐怖>>続きを読む

天菩薩(1986年製作の映画)

3.9

アメリカ兵士が中国山岳地帯の原住民イ族に10年に渡り奴隷にされたという驚くべき実話をもとにした作品。はじめて西洋人を見て「人間?」という言葉が出るのは、きっと日本でも同じだったのかもなんて考えた。>>続きを読む

三城記(2015年製作の映画)

3.3

ジャッキー・チェンの両親の話。ジャッキー・チェンは出てこないけどラストに赤ちゃんの写真が出た。巨大児だったそうで、ジャッキー・チェンは生まれたときからビッグだった。

日中戦争や国共内戦のなかでジャッ
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ラストキング・オブ・スコットランド(2006年製作の映画)

3.5

大衆からの人気を得て大統領になるも、
みるみるうちに独裁者へ変貌する様子がリアルで恐ろしかった。フォレスト・ウィテカーの迫力ある演技あっての作品といえる。

主人公のニコラスに甘い蜜を吸わせ主治医だ、
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らくだの涙(2003年製作の映画)

3.5

可愛い可愛い♡
らくだが可愛い🐪
ジャケットは子供のらくだ。
親らくだも子らくだもちゃんとカメラのほうを向いて良い表情をする。
なんて可愛いの♡

この映画は公開当時にどこかの映画館でチラシを手にし、
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ルパン三世 VS キャッツ・アイ(2023年製作の映画)

3.4

キャッツアイはちゃんと見たことがないけどルパン三世好きとして鑑賞。
タイトルバックはルパン三世のスタイルを踏襲していてスタイリッシュで良かった。音楽は大野雄二氏の個性が強く出ていてカッコ良い。つるんと
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キャラバン(1999年製作の映画)

4.2

中国の息のかかっていないネパール側の高地ヒマラヤに住むチベット人という文明から離れた民族の貴重な文化に触れることができた。出演者は俳優ではなくほとんど現地の人ということで、時代考証に関して西洋資本でも>>続きを読む

春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

4.3

好きです、この映画。
聖地巡礼したい!!

人間の残忍性を描く印象を持っていたキム・ギドク監督、その片鱗は確かに感じるものの、こんな静謐な作品も撮っていた!
山奥の湖の真ん中にポツンとある寺院。湖のほ
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草ぶきの学校(1999年製作の映画)

3.5

草ぶき屋根の家、川には渡し船に風車。あまりに美しくのどかな田舎の風景はまるでテーマパークみたい。作り物かと思ってしまうほど完璧な田舎の美しさがあった。文革前のゆるい時代にのびやかに育つ少年の在りし日の>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

頭が牛のミノタウロスはゴツく描かれることが多いけど、羊のアダちゃんは思っていたのと全然違って可愛かった。もっと異形のものと対峙する覚悟で見たのにこんな気持ちは想定外。時折出す息づかいにはやられた!可愛>>続きを読む

頭山(2002年製作の映画)

3.7

スイカの種を食べるとおへそから芽が出ますが、ケチなおじさんがさくらんぼの種を食べたら髪のない頭頂部から木が生えた!
落語の演目「さくらんぼ」のアニメ化。
浪曲師、国本武春氏による三味線を伴奏にした語り
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怪物学抄(2016年製作の映画)

3.6

中世ヨーロッパの架空の怪物学者による怪物の生態の公文書のアニメーション。ヘンデルのバロック音楽が奇妙な世界に合っていて好き。上品な怪物ショーでした。

ココシリ(2004年製作の映画)

3.9

チベットカモシカの密猟者vs山岳パトロール隊の男臭い映画。雪山での攻防は銃の撃ち合いではなく密猟者のボスの追跡がメイン。命がけの執念は凄まじく、寒い寒い雪山の雪が溶けてしまうほど熱い男の闘いだった。パ>>続きを読む

トゥヤーの結婚(2006年製作の映画)

3.7

第6世代である中国人監督ワン・チュアンアンによる内モンゴル自治区が舞台の話。先日観た「天上草原」も内モンゴルだけど、今作は町との関わりがより密接。砂漠化が進み水がなくなり、自然のなかで生きることの難し>>続きを読む

聖なる蝶 赤い部屋(2021年製作の映画)

2.5

江戸川乱歩の「悪魔人形」が原案。原作は小学生のときに読んだ。児童書の表紙しか覚えていなかったので観ながら思いだそうと思った。

こ、これは。
江戸川乱歩の妖しさはエロやグロに寄りがちで映像化の難しさは
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氷海の伝説(2001年製作の映画)

3.7

イヌイットの監督がイヌイットの人たちだけで、イヌイット語で撮ったというイヌイットの文化保存の役割を持った作品。「足の速い人」というイヌイットの伝説の叙情詩。真冬に極寒の地の映画をまた観てしまった⛄>>続きを読む

天上草原(2002年製作の映画)

4.7

これはモンゴルの映画の代表的な作品といっても良いのではないかと思うほどモンゴル文化を美しく残した映画だった。モンゴル族の監督夫婦による貴重な作品。エキゾチックな民族衣装、内装もきらびやかなゲル、壮大な>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

3.6

社会においても家庭においても女性の権利が制限されている様子を張りつめた空気で描いていて見ているこちらも息が詰まる。

心理サスペンス、圧巻のクライマックスというキャッチコピーではあるけれど、その印象は
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トーゴー(2019年製作の映画)

3.7

極寒の地の映画は真冬より真夏に観たほうが良いかもしれない。観ているだけで寒かった⛄暖房の設定温度を低めにしている私の貧乏性がこんなところで裏目に出た😢

シベリアンハスキーのなかにもいくつかの血統があ
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アリス・イン・ワンダーランド/不思議の国のアリス(1999年製作の映画)

3.6

うさぎ年の1本🐰
原作の挿し絵ジョン・テニエルの不思議な雰囲気は子供のころから好き。今作はそんなルイス・キャロル×ジョン・テニエルの可愛くて奇妙で、不気味で怖い世界観の再現に成功している。

金色がか
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胡同(フートン)の理髪師(2006年製作の映画)

4.0

80~90年代のチャン・イーモウ作品、チェン・カイコー作品に見られる古き良き中国の面影を残した味わい深い映画だった。

北京オリンピックで立ち退きを迫られる北京の中心地の胡同。胡同とは北京に古くから残
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主戦場(2018年製作の映画)

3.2

ずっと観たいと思っていただけに残念だった。これはプロパガンダといっても良いでしょう。

慰安婦問題の真相追求の体で、右派を貶めることに主眼を置いている。右派と左派の対立を煽る攻撃的かつ扇情的な内容。ユ
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

3.8

説明を省いた観察映画で4時間半。ずっと字幕を追い続けて疲れるので2日に分けて鑑賞した。ボストン市庁舎の裏側、日本ではまだお目にかかれない「市民のための政治」がそこにあった。

市民の55%が非白人で、
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

4.7

虎と少年の漂流譚で、迫力あるCGを楽しむつもりで観た。それなのにラストで180度見る目が変わった。こんなに深い話だとは思っていなかった。多重の解釈を持たせるメタ的な作りに観たあとしばらく考え込んでしま>>続きを読む

フリーソロ(2018年製作の映画)

4.0

何度も「ひっ!!」と声が出た。背筋がヒヤッとする感覚がずっと続く後半はあまりの緊張感に少し涙が出た。これを観てアレックスの現在を思わず調べて生存していたことにホッと胸を撫で下ろす。

人間に対して冷め
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.5

ベストオブピクサー。
生きる目的を探すことや自分探しは「探すこと」が目的になりがち。それも生き方として間違いじゃない。ただ「何をしているか」ではなく「どう感じるか」が大切。生きるとは、を掘り下げた大人
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ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

4.3

好きな世界観だった。馴染みやすい東洋思想にスッと入り込めた。青みがかった森の泉の幻想美、赤く光る目、電飾の祭壇、どれも印象的なものばかり。画面からマイナスイオンを浴びているような心地よい自然音。この映>>続きを読む

ポゼッション(1981年製作の映画)

3.7

白目を剥き出してカッと見開くイザベル・アジャーニが最狂。この狂演でカンヌで女優賞を受賞したということだけど、私はこの映画がカンヌ映画祭に出品されたということに驚き。みんなでこの狂った映画を観たのか。な>>続きを読む

チャドルと生きる(2000年製作の映画)

3.5

「人生タクシー」で好きになったジャファル・パナヒ監督。あらゆる制約を課されたイランの女性の生きづらさを描く。監督は体制批判をしたとして現在は収監中。映画製作を禁止されていた「人生タクシー」のときより1>>続きを読む

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.5

うさぎが出ているので選んだ映画だけどうさぎはほとんど出てこない(当然🐰)。

時間に追われる大人に捧げられた一本といえる。ロビンがプーさんと再会してからしばらく、プーさんに辛辣な言葉ばかり投げかけてプ
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

4.0

支配者は被支配者をとことんバカにしている。支配される者はそれに気づかない、あるいは気づいているけど何もしない。最果てのディストピア、社会主義の話としながら、人間社会の本質をあぶり出しているからこそ響く>>続きを読む

アオサギとツル(1974年製作の映画)

4.0

これが一番好き。
素直になれないツルとアオサギのお話。もうさっさと一緒になっちゃいなよ、と言いたくなるほどいざというときツンとしちゃう2匹が愛おしい。ノルシュテインのアニメは作品ごとにアニメのタッチが
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25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.7

25日とは、10月のロシア革命の最初の日とのこと。
エッシャーを感じる不思議な重ね絵。
そこに入り込む全体主義礼賛の群衆の足並み。
そして赤赤赤!
短いなかに灰色の資本主義が社会主義の赤にのまれていく
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ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.8

ロシアとタタール人の戦争を14~16世紀ロシアのフレスコ画・細密画で描く美しい映像叙事詩。
タルコフスキーの「アンドレイ・ルブリョフ」でもロシアはタタール人に攻められていたけど、これはさらに昔の話で、
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キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.8

うさぎ年の一本。
民話をモチーフにしたお話で民族的な美術が見どころ。
オオカミや熊がうさぎを襲わずに助けてあげていたのが新鮮でほっこり。熊は雄鶏がキツネと戦っているときも画面の端で応援していて可愛かっ
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