いろどりさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

4.5

映画のパワーがここにはある。こうゆうのを待っていた!「ケイコ」で岸井ゆきのが出ている映画を色々観たくなって「犬も食わねどチャーリーは笑う」(レビューする気になれず)「神は見返りを求める」を観ていたら、>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.7

以前、居酒屋で元ヤクザだというおじさんに話しかけられて、詰めた小指を見せられ、触っていいよと言われたことがある。変な人に絡まれちゃったなと思ったけど怖かったので、先端が丸くなっている短い小指に触れて、>>続きを読む

心中天網島(1969年製作の映画)

3.9

(しんじゅうてんのあみじま)
本来なら黒子は見えないものとして扱われるのに、やっぱり篠田正浩監督はひと味違う。黒子の顔をアップにしたり、台詞を与えたり、登場人物を導く役割を果たしていて、物語の中でしっ
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処刑の島(1966年製作の映画)

3.3

やっぱり篠田正浩監督は密室劇が得意だね。八丈島ロケも良き。

Away(2019年製作の映画)

3.5

セリフのない感覚アニメ。鑑賞が進むにつれて哲学的なメタファーがふくらみ壮大な解釈へと帰結する。オートバイで駆けめぐる姿はどことなく「キノの旅」を彷彿とさせた。ラトビアの監督がたった一人ですべてを作り上>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.6

今まで岸井ゆきのという人を意識していなかったけど、こんなに素晴らしい俳優が日本にはいるんだ。

赤毛(1969年製作の映画)

3.5

私が今まで観てきた岡本喜八作品と毛色が違い、王道のエンタメ映画だった。あれ、と思い調べてみたら、私が今まで観てきたものは「肉弾」「近頃なぜかチャールストン」「大誘拐」「吶喊」と、「大誘拐」以外は低予算>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.0

社会問題を内包したミステリーで深みがある作品だった。
自分を自分たらしめるものは何か?
置かれた環境で人は変わるし、見せる顔も違う。
でも自分というものは、出自や戸籍といった物質的なものではない。
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

実際の性被害のシーンはなく、言葉での説明や音声だけだったけど、それでも陰鬱な気分になる。根気よく調査を続ける2人の新聞記者の姿はダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードのコンビの再来と見まごうほ>>続きを読む

子宮に沈める(2013年製作の映画)

3.3

実話ものが好きなのでとうとう手を出してしまった。B級な作りではあるが実際にあった大阪二児置き去り事件が基になっているので重く、苦しく、こちらが沈みそうになる。

育児放棄されてからは、家庭内にカメラを
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ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.5

ストックホルム症候群の語源になった事件の映画化。20世紀初頭くらいの事件かと思えば1973年とは意外と近年の話だった。しかも若者同士の話だと思っていたら、強盗犯も強盗犯を好きになる女性も中年、既婚、子>>続きを読む

牡牛座 レーニンの肖像(2001年製作の映画)

3.6

レーニンを描いた本作、ヒトラーの「モレク神」、昭和天皇ヒロヒトの「太陽」と、人ならざる悪魔を描いた「ファウスト」の権力者4部作これで全て鑑賞。配信もレンタルもないものもありコンプリートには時間がかかっ>>続きを読む

モレク神(1999年製作の映画)

3.6

「独裁者たちのとき」のまったり感はここでもみられる。私の好きなソクーロフの幻想的な映像美を堪能できたけど、ちょっと眠くなった。霧深い山の頂きに浮かぶように佇む別荘は、まるで地に足がついていない印象を際>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

枯れマッツも素敵。
デンマークという国の文化が良くわかる作品だった。高校生が次の進路の面接で、キルケゴールをテーマに話すとは!と思ったら、キルケゴールはデンマークの人だった。

チャーチル、ヒットラー
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.0

腹立たしい~
許せない!
それなのに笑っちゃう。

富山市議会で自民党議員たちの不正が発覚、半年で14人が辞職。その様子を富山の小さなテレビ局が気合いで追っていて、監督の信念が伝わってくる。


汚職
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残されたぬくもり(2017年製作の映画)

3.7

ペルー内線で被害を受けたアンデスのケチュア人たちが歌と涙で記憶をたどる。辛かった出来事を伝統的な歌に乗せて語り継ぐ。こうやって口伝は生まれるのだろう。

半世界(2018年製作の映画)

3.5

「あいつ元気そうだったよ。それで良いんじゃないかな。」
地方都市の他人への干渉は窒息寸前。さらりとたしなめてくれる人がいても素直に聞けないのがリアルなのかな。

長谷川博己がいきなり覚醒してアクション
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凶悪(2013年製作の映画)

3.8

トラウマぁ😭
リリー・フランキーが怖いと聞いていたけど、ピエール瀧も相当怖い。この先、ピエール瀧の曲でトラウマ映像が甦りませんように。基になった上申書殺人事件について調べようと思っていたけど、ほとぼり
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カルロス・ゴーン 最後のフライト(2021年製作の映画)

3.9

面白かった。
日産を立て直した英雄から国際逃亡犯になるまでを、本人が語っているから面白い。日産や日本の検察が本作の参加を拒否したことで、ゴーン寄りの内容になっている。私が観たいのはまさにこうゆうものだ
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わたしの魔境(2022年製作の映画)

3.7

オウム真理教の事件をもとに、カルト洗脳を描いた作品。これはただのドラマではなく、オウムの元信者やゆかりの人、上祐史浩氏のインタビューがあったり、ドキュメンタリーとドラマの二部構成になっている。それが良>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.8

誰しもが各々の立場で保身する。
正義と保身の狭間で宙ぶらりんのジャーナリズム。

森達也監督がかねてより声を上げている「ドキュメンタリー制作の現実」がそのまま物語になったといえる。

メディアの腐敗は
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JOINT(2020年製作の映画)

3.9

夜中の作業中の眠気防止にながら見していたけど、途中で作業中断。ついつい鑑賞に専念してしまった。時代が変わるにつれ、ヤクザも進化している。詐欺グループのケツモチ、ルーターにウイルスを仕込んで個人情報を盗>>続きを読む

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)

3.4

平凡な主婦が麻薬密輸の罪で異国で投獄される実話を基にした話。
オーストラリアのメルボルン空港で日本人観光客らの所持するスーツケースから大量のヘロインが発見され、有罪判決を受け14年間刑務所で服役するこ
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田舎の日曜日(1984年製作の映画)

3.9

この土日は花見を予定していたのに2日とも雨で出来なかった。傘をさして歩いて回るというのも良いけど、私は桜の木の下の宴会を楽しみにしていた。この花見で1年間また頑張れるというのに、膨れ上がった花見への憧>>続きを読む

MEMORIES(1995年製作の映画)

3.8

オペラ「蝶々夫人」を宇宙で流す菅野よう子のセンスが本当に好き。菅野よう子の優れた才能に聞き惚れるエピソード1。脚本は今敏。豪華!
どの話も良かったけどエピソード2が一番好き。ラストも面白い。エピソード
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さらばウィリービンガム(2015年製作の映画)

4.0

死刑は極刑だと思わない。反省しなくても、一瞬で楽になれるからだ。本作のウィリーも、一発で殺してくれ!と吠えている。憎しみは憎しみしか生まないけど、罰とはどうゆうことかに深く考えを及ばすことのできる作品>>続きを読む

ボーダレス ぼくの船の国境線/ゼロ地帯の子どもたち(2014年製作の映画)

3.8

その船の中ではただの人間だった。

国というものがある限り、ボーダーレスなんていうものはない。

登場人物一人一人が実際にありそうな状況にある寓話性のある作品。中東の「みかんの丘」は廃船だった。

港町(2018年製作の映画)

3.8

後半のおばあちゃんにすべてを持っていかれた。前半はなんとなく観ている感じだったのに、後半に存在感を増してくるおばあちゃんの圧倒的ヒロイン力に目が釘付けになる。岡山県牛窓の港町がモノクロームの映像により>>続きを読む

father カンボジアへ幸せを届けた ゴッちゃん神父の物語(2018年製作の映画)

3.6

浄土真宗のお寺に生まれ、カトリック神父となり、独身にして14人の子供を育てた後藤神父。ポルポト派のクメールルージュの殺戮からカンボジア難民となって日本に逃れてきた子供を受け入れ、カンボジアで19校もの>>続きを読む

夜間もやってる保育園(2017年製作の映画)

3.5

昼間だけではなく、夕食、お風呂、就寝のお世話までしてくれる夜間保育園の存在意義は大きい。子供の生活リズムを崩さず、最低限の孤独、事故を避けることができる。今作のエービーシー保育園の食事は、オーガニック>>続きを読む

スギメ(2021年製作の映画)

3.0

序盤が「世界不思議発見!」のようだったので、学者がミステリーハンターに見えてしまう。頭の中がスーパーひとしくんでいっぱいに!

旧石器時代と同じ船を作り、台湾から与那国島へ人力で渡る徹底再現プロジェク
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シャイン(1996年製作の映画)

3.7

数年前、飲んでいた相手がたまたまクラシック好きだった。私がラフマニノフの"ピアノ協奏曲第2番"が好きだというと、その人は"第3番"が好きだという。人気曲の2番ではなく3番が好きとはなかなかのお人。と思>>続きを読む

新宿タイガー(2019年製作の映画)

3.7

「シネマと美女と酒と夢とロマンが大好き」
これはなかなか気持ちのよい作品だった。とても心温まる。まずタイガーさんの人柄が最高。人懐っこくおしゃべりで、簡単にマスクを取ってくれて、シネマと美女とお酒と夢
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犬は歌わない(2019年製作の映画)

3.7

犬がいると思って近づいたらガブリとやられる。
これはそんな映画だった。
1950年代、宇宙開発に向けソ連が行ったスペースドッグ計画。世界初の宇宙犬として飛び立ち、初の宇宙の犠牲者となったライカを主軸と
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大海原のソングライン(2019年製作の映画)

3.5

オーストラリアのアボリジニの「ソングライン」という思想に基づいて、かつて同じ言葉や音楽でつながっていた島々の歌をもう一度集結させる!という音楽プロジェクトのドキュメンタリー。ブルース・チャトウィンの著>>続きを読む

聖なる呼吸:ヨガのルーツに出会う旅(2011年製作の映画)

3.5

キックボクシング→ヨガ→太極拳→ストレッチ→何もしないで映画ばかり観る、という流れを経て見事に体力は落ち、腰が痛くなるようになった。これではいかんと、今年からまたヨガを始めた。今度はどこにも通わず家で>>続きを読む