群青さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.9

ちょっと古めかしいが色遣いが魅力的な映画。

ラストの2人が歩く後ろ姿のカットが良かった。

「男なんてみんな同じ型の鋳物よ・・・しかも、壊れてる」という台詞が好み。

陽炎座 4Kデジタル完全修復版(1981年製作の映画)

4.2

大正の浪漫あふれる美しさとおどろおどろしい世界観の調和。

色彩に溢れた映画で、劇中の芝居等演出も素晴らしい。

女性の情念の怖さ、翻弄されつつも楽しむ男性の飄々さ。

さまよえ記憶(2023年製作の映画)

3.9

監督の実体験をもとにつくりあげた作品。

子どもが川遊びをするカットの美しさ。

記憶というものは、生きるためになければならない。

時には、残酷な選択をしなければならないことを問いてくれる。

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

4.1

子どもながらに社会と向き合わなければならない現実。

父親の「この問題はこれからの子供には死ぬまで一生ついてまわるんだ」
「こいつらも一生侘しく爪を噛んで暮すのか。俺のやうなやくざな会社員にならないで
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独りになるまで(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

仲良さそうなカップルと思いきや、犯罪者と被害者女性という意外な事実が判明するラスト。

もう一回見直したい。

じゃあね!また明日。(2023年製作の映画)

2.8

青春もの

コンプレックスに対して向き合う主人公の成長と淡い恋愛。

エル・スール(1982年製作の映画)

4.5

穏やかだが痛切に訴えかけてくる美しい映画。

父と娘の大切な時間。

オアシス 4K レストア(2002年製作の映画)

4.0

希望ある終わり方で良かった。

主人公がヒロインの家に忍び込むのは如何かと思う。

市子(2023年製作の映画)

4.3

杉咲花の演技がうまくてハッとさせられる。

どんな運命になったとしても、あの頃の2人の幸せな時間だけは本当だから、尊い。

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.2

子どもの頃、最も無垢で純粋な時に築けた王国。

それは、社会の中で形成される家とは相容れないものだと自覚せねばならない。

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

4.2

文学的で格好良い映画。

同性愛カップルの行き詰まりと新たなはじまり。

ひとつひとつの台詞に重みがあって良い。

個人的に好きな台詞は、「幸せなふりをしても声は嘘をつけないから」

やっさもっさ(1953年製作の映画)

4.1

淡島千景の好演。

戦後、米兵と日本人女性の混血児が社会問題化していたと学べる。

この時代から夫婦別居であったり、女性の考え方が現代レベルで進んでいたことに驚かされる。

影の主人公はバズーカお時で
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誰かの花(2021年製作の映画)

4.0

カトツシンスケさんの演技が良い。

誰もが加害者であり、被害者となる。

たとえ正しくなくても生きていかねばならない。

夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

3.9

いなくなった猫についての会話の後のホームレスの「明日こそは目覚めたくない」と言う言葉が印象的。

ラストの腹時計はホラーだ。

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

3.9

戦後の夫不在の子持ち女性の生きることの難しさ。

生きるための手段に対しての夫婦の葛藤と再生。

この時代は家父長制だったとよくわかる。

麦秋(1951年製作の映画)

4.5

実りの季節である「麦秋」というタイトルの通り、まさに家族の絶頂期を描いた映画。

小津安二郎監督が得意とするコメディーと人間ドラマのバランスが素晴らしい。

紀子の縁談を中心に物語が進むが、老いた祖父
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野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)

3.7

昭和アニメを観ているようなB級映画。

レトロな音楽がお洒落。

もう少し笑いの数がほしい。

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

4.0

利発な姪がおじとおば相手に自由に振る舞うコメディー。

姪の賢さによっておじは振り回されるが、最後におじの一段上の賢明さが見られて、姪が感心する様子が素晴らしい。

叱った後に自分から謝って妻に花を持
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マリの話(2023年製作の映画)

3.6

想像することへの浪漫と想像し続けることの難しさ。

作品づくりと恋愛は繋がっている。

恋しているうち、新奇なものを追いかけているうちは楽しいが、それが終わった時にどう続けていくべきか。

早春(1956年製作の映画)

4.6

日本の夫婦を描いた作品の原点にして最高峰。

サラリーマンの実際と夫婦のすれ違いが描かれるなかで、切っても離せない夫婦の絆と愛が内包されている点が素晴らしかった。

ラストの夫婦で東京行きの汽車を見つ
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火の鳥 エデンの花(2023年製作の映画)

4.2

ロミがエデンに帰ってきたシーンで感動して泣いてしまった。

だから、原作とは異なる点もあるが、それだけ素晴らしい作品なのだろう。

原作のテーマが「無常」に対して、映画のテーマは「再生」だ。

ロミの
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サーチライト-遊星散歩-(2022年製作の映画)

3.8

ヤングケアラーがテーマ。

ドラマのシナリオ大賞の受賞作みたいな映画。

LIKE THAT OLD MAN(年製作の映画)

4.0

おじさんの警官と女子高生の深夜から朝にかけた会話劇。

「少年よ大志を抱け」の後の台詞からのタイトルより、緩く将来を見据える余裕が素敵だった。

「諦めることも楽しめるようになった」

ぼけますから、よろしくお願いします。(2018年製作の映画)

4.3

「長生きしたね」「うん、長生きしたね」
「ええ女房もらってね」「ああ」
「ははは」(嬉しそうに笑う)

素晴らしい夫婦。

七人の秘書 THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.6

どことなくドクターXの雰囲気。

乱闘シーンは様式美。

アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.2

かなえと悟が海の前のテラス席で話すシーン良い。

嘘をついてしまう悟がかなえに本当のことをを明かすシーンは美しいが、それでも最後に耳心地の良い嘘をつかなければならないところに絶望を感じる。

心の深層
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川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

4.0

川の底から、社会の底辺から頑張っていこうという魂の叫び。

石井裕也監督の原点が伺える。

イチケイのカラス(2023年製作の映画)

3.8

フジドラマのスペシャル回、公害問題扱いがち。

裁判官を主人公にする発想が面白いドラマ。

彼方のうた(2023年製作の映画)

4.3

あえて説明しない「余白」を大切にした映画だ。

他者のことは決して完全には理解しえない。

杉田監督が映画で語らないのは、本当の意味での他者への優しい眼差しゆえのものだと感じた。

たとえ理解できない
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浮雲(1955年製作の映画)

3.8

富岡みたいな仕事は無能だけど色気がある人間がモテるのは現代と変わらないなあ

なにもこわいことはない(2013年製作の映画)

4.1

一度では飲み込めないほど深い映画だった。

ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地を彷彿とさせる女性の生きづらさを描いた作品。

なにもこわいことはない。

それでも、
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

ラストの役所広司の表情の素晴らしさ。

ほとんど台詞を発しないのに想いが伝わってくる。

不平等で苦しみに満ちた世界で真っ直ぐ幸せに生きようとする主人公が力強い。

全ての現代人に見てほしい映画。