面白い。完璧主義者で知られる監督のフィンチャーはこの作品を通して自己批判、自嘲している。人が大なり小なり抱えてる人間の変質性みたいなものを滑稽に描いている。暗殺者の一日と仕事の流儀とその哲学。感情を捨>>続きを読む
グレタ・ガーウィグはやっぱり素晴らしい監督。彼女のカリスマ性と優しさが映画に希望を与えている。エンターテインメントでありながら、ある場面で本音と魂が溢れ出し、観る者に根付き考えさせる。おそらく映画とは>>続きを読む
この映画は確かに私たちのことではないし、私たちはその一部ですらない。宮崎監督自身と彼の世界、そして彼の視点だけが描かれている。とても個人的で、ある意味利己的でさえある。それがすべて。大きなメッセージも>>続きを読む
スコセッシがこの映画をどのように監督し、どのようなビジョンを持ち、映画を通して何を指摘したのか、とにかく感心できる。確かに長いけど、間違いなく注目する価値がある。この手の映画を撮れる監督がどれだけいる>>続きを読む
とても楽しく、撮影も美しいが、ストーリーテリングが弱い。新しい壮大なSF映画になり得たかもしれないが、それ以上でもそれ以下でもなく、完成度はいまいち。でもなかなか挑戦的で意欲的な作品であると思う。
今でもずっとこの映画を初めて観た時のことを鮮明に覚えている。まだ学生だった時、実家の狭い自分の部屋で小さなスクリーンで、観終えた後すぐに後悔したことも。ちょうどその時はこの映画の上映が終わってレンタル>>続きを読む
IMAXと70mmで3回観ました。同時公開されたバービーとオッペンハイマーの不適切なファンアートのせいで日本で問題になっていて、その表面だけを知った人たちが作品自体を批判していて残念です。そのせいでこ>>続きを読む
あの日この手からすり抜けていったものと、音もなく滑りおちていった日のことを思い出す。誰にも知り得ない想いと誰もが知っている痛みが、決して重なり合わずにいつまでも夜を彷徨い、波打つ海に消える。小さな言葉>>続きを読む
劇場に観に行ったけどこんな嫌な気持ちになる映画は初めてかも。意図がわからない。演出に苛立ちすら感じた。私利私欲を満たすために芸術という名の衣をまとって表現していることが本当に不愉快だった。
この監督が前作から描いてきたものは本当に興味深く、悍ましくも美しいものであったが、今作で描くのはただただ底にある欲と怒と狂の異形な人間。評価できない。
夜明けと夕暮れの始まりと終わりがどこかで姿を変える。始まりの朝に光がない日が幾度も巡り、不安と恐怖は夜に消える。街を歩く身体がただの肉体に、その瞳でみえる世界は無色に。周りの声、街の騒音に、自分の声を>>続きを読む
総じて面白かった。ツッコミどころはあれどちゃんと考えられた脚本だなと思いました。ただサムライミ版スパイダーマン2は越えてこなかったな。
男性と女性の狭間で抗う者とその認識すらない者。線引きをする者とその線を容易く越える者。性の意識と個の尊厳。正しくも間違いでもない"ひと"の一生を挫くのは何か。その"人間"を砕くのは誰か。
去年観た映>>続きを読む
私たち人間が他の誰かのため、あるいは自分のためにどれほど狂えるのか、情熱を持ち、情愛を持ち、笑い転げ、泣き崩れ、怒り、嘆き、獰猛に本能を剥き出し、人間味を晒す。誰のものでもないこの世界と人々の中で、も>>続きを読む
"老い"という普遍的なテーマをビーチで描くってことで楽しみにしてたけど広がりがなくて残念だった。シャマラン監督らしい映画の仕上がりだろうけどそんな熱狂的なファンじゃないとちょっとね。
肌におちる雪がどれほど温かいのか
肌にとける雪がどれほど冷たいのか
おりたつ命きえゆく命は同じ空から
ここ数年で観た映画の中で最も美しい作品
表面の神々しさだけでなく内面の尊さを捉え、信念と意志と一生涯について丁寧に描いた実話に基づく話
神と信仰について描き続けてきた『ツリー・オブ・ライフ』などで知>>続きを読む
加害者青年のその後をみて、もっと見つめなおして、もっと考えなきゃいけないものがあると思う。
https://youtu.be/qUcqRpq-4eA
気づかぬ内に自然は人の弱点に入り込み
前触れもなく訪れては過ぎ去ってゆく
漂流する者のように留まることを知らない
あけましておめでとうございます。
本作は2020年のTIFFで鑑賞して、去年観た新>>続きを読む