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わたしは最悪。のJTのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.6
私たち人間が他の誰かのため、あるいは自分のためにどれほど狂えるのか、情熱を持ち、情愛を持ち、笑い転げ、泣き崩れ、怒り、嘆き、獰猛に本能を剥き出し、人間味を晒す。誰のものでもないこの世界と人々の中で、もがき、傷つけ合うことにどれだけの意味を見出せるか。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を監督したラースフォントリアーの遠い親戚にあたるヨアヒムトリアー監督の最新作。トロント映画祭で観てきました。一応ジャンル分け的にはラブコメなんですが、ややヒューマンドラマ色が強く、シリアスでエモーショナルな場面も多かったです。この監督の描く作品はラース監督と比べて対照的で、気持ちのいいユーモアが多くて大好きです。でもラース監督と同様で絵の作りや演出が頭抜けてます。この監督の作品には毎度、"絶対的な瞬間"があると思います。何にも邪魔されない、映画的で情緒的で感情的な映像の魔法がありました。
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