小川勝広さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.0

秘境の秘湯につかる気持ちよさbyA24、
泉名は、
ケリー・ライヒャルト、
呼び方改めライカート、
効能は友情、一点張り。

カリフォルニアの土地売買、
パリの流行、
銀貨の枚数等、
時代や場所を探り
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.8

社会的に正式に悪魔の存在を認める。

数あるエクソシスト作品のいずれかで言っていた。

腑に落ちた。

社会的に正式に悪魔の存在を、認めるとは、どういう事か。

リーガンのようなケース。

メンタルに
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ティル(2022年製作の映画)

3.9

「ミシシッピー・バーニング」「グローリー」等従来の闘う類似作品とは違うアプローチの闘う作品だった。

ボブ・ディランの
「The Death of Emmett Till」の
『ティル』

主人公の闘
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

壮大な戦場、城、美術、
衣装、1カット1カット、
素晴らしい。

自然光のようなライティングも含めて、
素晴らしい絵作りもしながら、
かっこ悪過ぎる夫婦の戦争も、
丁寧に積み上げていく。

ナポレオン
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.5

おもしろき事も無き世をおもしろく

そういう意味では、
正欲の対極的作品、
無関係ではない、
シン・正欲 的作品。

前作より場内の笑いは少なかった。
命のシークエンスは笑いが起きていた。

踊るアホ
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正欲(2023年製作の映画)

3.8

主題が多牌していた。

キレのいいセリフで、ポン。
素晴らしい言葉で、チー。
早々に、
何とかまとめて和了。

半歩踏み込んだセリフ、
殻を破った言葉は、
もう少し時間をかければ、
役満を狙えた。
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(2023年製作の映画)

4.0


虚無→解体→ケダモノ→ばかやろう。

ダダ→キューブ→フォーブ
→ナハナハ。

コント、脱力、暴力。

コント、コント、脱力。

脱力、脱力、コント。

北野ブルーと、
一定のリズムのカット数で、
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リアリティ(2023年製作の映画)

3.8

コンコンコン、
ノックから始まる。

お互いに配慮した日常会話。

3人の立ち話に移る。

ここでは何だからと、
部屋に入る。

立ち話は続く、、、。

3人の芝居がうまい。
視線のやりとり、
仕草、
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ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

4.0

閉館したシネマライズで観たクストリッツア、
の初期作品を、復活したガーデンシネマで観た。

95年渋谷、
後に3館体制になるシネマライズの2館目の
オープニング作品(自分記憶)。

その年のカンヌでケ
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OUT(2023年製作の映画)

3.9

相変わらず、
アクションの魅せ方は上手い。

撮り方、アクションのつくり方、
編集も、間伸びしない、
観客に飽きさせない事を意識して作業しているのが伝わってくる。

一方、
ドラマ部分は、
間伸びしよ
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.3

1930年代の美術は素晴らしい、
シナリオの状況展開もおもしろい、
演出上の登場人物の、
精神的配置も巧み、
物理的距離感もバランスがいい、
小道具の捌き方など芝居の技術も高い。
準備に時間をかけたの
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理想郷(2022年製作の映画)

4.1

【いつも以上に殴り書きが長くなるので結論からいうと、
beastに戻る方が人間らしくていいのでは?
というbeast原理極論に駆逐される前に、言葉だけでも創作して共有して武装しといた方がいいのではない
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

2.5

部屋の窓際で時を待つ、
外出時は全身白の服装で目立ち過ぎたり、
路上で携帯を踏みつけて壊したり、
およそプロらしからぬ無警戒な行動を積み重ねていく。

ということは!

ミスタービーンや、
ファスベン
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.0

ナチスを売りにしない、
タイトルに使わない、
ナチスを便利使いしない潔さには好感を持てた。

一方、
ストーリー上は、
ソ連との関係をワンシーンでもやっていれば・・・とも考えるが、
ここは不死身のおじ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

あっちではなく、
そっち、
そっちではなく、
こっち。

それぞれのポイントで、
主人公が、
あるいは他の登場人物が、
それを選択した動機、行動を、
葛藤、感情と共に丁寧に描く。

本作はそこが弱い。
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

5.0

おもしろい、
ではなくて、
おもしろすぎ。

全カット投球?
ちがう、
一球入魂、
全力投球、

全カット入魂、
全力投球。

色彩、カメラワークも、
ならではのセンス、凄い。

お疲れ様ですーヨーソ
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ナックルガール(2023年製作の映画)

3.0

各シーン、リハーサルの1回目という感じがしてもったいない。

もちろん、さまざまな準備、
リハーサルも繰り返しているだろう。

撮影、照明、美術、アクションの技術は高い、
キャストのポテンシャルも相当
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アナログ(2023年製作の映画)

3.6

ピアノ店内のBGMは無い。

全体的に音楽を極力抑えて、
小鳥、虫、クラクション、
街の音、
波の音、
自然に聞こえる音が耳に残っていく。

その意味がだんだんと効いていく。

心地よくその効果に乗れ
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.0

『CURE』の催眠効果が日本製のアルコールなら、

hypnoticのソレは南米製のオピノイド系薬物、、、

のようなストーリー展開。

意識を解体して再構築する。

キュビズム的にまで解体してしまう
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.6

世界観、国、街、建物、
乗物、装飾、衣裳、装備品、
ガジェットなどなど、
膨大な物量、緻密なギミック、
美術設定等の打合せのメイキングが観たい!
現物を作るのはホントに大変。
書きゃいいってもんじゃな
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.0

映画やドラマで使用される、
ドローンのショットは、
あまり評判が良くない。

これはドローンの映像が悪いのではない。

使用法が良くない。

ドローンの技術が高くない場合が多い。

そもそもカメラは、
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ハント(2022年製作の映画)

4.5

朴正煕、全斗煥、金大中、
米ソ(ロ)、日本、のそれぞれの功罪をたして、
南北で割っても割り切れない、
右と左をひいても余りが多過ぎる。

そんな人としての素朴な気持ちを、
エンタメに乗せ切ってしまう傑
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

かっこわるい芝居が、
あまりに見事なので、
約200分が長く感じなかった。

背中を少し丸めて
(シーンによっては背中に何か入れてた?)、
視線が定まる事も少なく、
相手によって優しくしたり、
脅した
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沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

3.8

連載時は楽しく読んでいた。
長い長い航海だった。

原作者の他の作品への賛否も、
当時色々とあったようだが、
原作は楽しめた。

2023年に実写作品として、
観るにあたって、
ポイントは2点。

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(2023年製作の映画)

5.0

現実が押し寄せるから、
きれい事を並べて盾にするのが人間。

現実で真っ暗になるから、
きれい事で遠くまで明るく照らすのが人間。

カミサマもココロもクニもきれい事。

現実を根拠に偏った考えを基に、
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.4

このバッドランズ界隈で産湯をつかい、
小中は地下鉄で3駅、
高校は通天閣から徒歩5分、、、

スケボーで、自転車で転げまわった坂で撮影されていた。

残念ながら、
この界隈に敬意のけはいすら、
感じら
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.2

レイ・リオッタのお腹、頭、もうみれない・・・
お疲れ様でした。

ワンカット、ワンカット、
説得力のあるフィクションを構築するために、
蟻一匹通さない隙間ないリアリティを検証しながら、
シナリオに関係
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アントニオ猪木をさがして(2023年製作の映画)

5.0

観る前から、、、
映画館に近づきながら、
涙していた作品は、
今までにあっただろうか。

上映終了後、
血を流し、、、
ている人はいなかったが、
涙を流している人は多数いた。

元気ですかー

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.9

グッドラック、ウォリアーズ・・・

チャド監督は現場スタント出身だからか、
アクションの1から10まで全てを見せる。

ガン、ソード、カー、
全てにおいて最初から最後まで。

見せ場を編集したり、
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.5

解れる:読み方→ほつれる。

縫い目、編み目などが、
ほどける。
また、
まとめてある糸や髪などの端が乱れる。

小学館 デジタル大辞泉より。

満席に近い客席。
それは素直に喜ばしいが、
みんな、
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

グランド・ブダペストホテルまでは、
ストーリーも含めて楽しめた。

今作は、楽しめなかった。

下記、
フレンチ・ディスパッチ、、、
の時の感想。

いつもの通り、
ピタゴラスイッチのような、
ドミノ
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.2

美醜善悪清濁。

世間の認識の反対側に、
常にカメラを割り込ませる森監督。

『A』と続編では教団側、
『FAKE』では本人。

本当に濁なのか、
世間がいうように悪なのか、
観客のみなさん、どうです
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.9

誰にでも同じような経験はあるだろう。

あそこの信号から向こうへ行ってはダメ、
知らない人について行ってはダメ、
あの川には怖いモノがいる、
ひとりで遠くへ行ってはダメ等々・・・

童話や寓話の変異形
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.2

演出、描写の技術が高い。

ジャック・オーディアール作品や
「トップボーイ」シリーズ、
「アテナ」等の団地を舞台にした作品群を、
考えるための補助線にした方が、
理解しやすいかもしれない。

「童夢」
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アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

3.9

1カットが5秒以上!

作品中、1カットが5秒以上のカットが数カットあった。
絶滅危惧種だ。

バリー・レヴィンソンの手法そのものが絶滅危惧種ともいえる。

冒頭で、
影と彼女の存在、
白黒とカラーで
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.0

ロジックよりもケミストリー

logicよりもchemistry(化学変化)。

頭で考えるより、
心で感じる。

論理よりも気持ち。

を描くには、

国と国(の設定)では、
メンツが邪魔して、
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