小川勝広さんの映画レビュー・感想・評価 - 67ページ目

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

4.0

古今東西、このような暴政者、悪政者は数多くいた。
カストロやゲバラのように血の粛清を繰返したにもかかわらず、
英雄のまま伝説として残るのは稀で、基本的には必ずツケがまわってくる。
本人自体に?子孫に?
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.1

拝啓 ハリー・キャラハン様
先日の手紙から
すぐに次の手紙を書ける事に感謝します。

今回はクリントさんの映画を見た・・・
と言った方が良いみたいですよね。

開始間もなく、頑固オヤジ、ポーランド系米
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第9地区(2009年製作の映画)

3.7

アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』の
50年上空に居座るオーバーロードと
そこから降りてくる醜いエイリアン。

もはや制度だけをみると昔の話になってしまったアパルト・ヘイト等
なんとなく壮大な
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サブウェイ123 激突(2009年製作の映画)

3.4

「サブウェイパニック」のリメイク版
初日とはいえ旧作のラストのウォルター・マッソーのどアップに魅せられた人たちが期待を胸に足を運んだのか?観客の多さにビックリ!!
旧作は子供の頃に月曜ロードショーで見
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告白(2010年製作の映画)

2.9

加害者の中学生と被害者の幼児、そして幼児の親、
その関係は生徒と担任の教師。
現代の中学校や高校で実際に起きても不思議ではないお話し。

追い込まれていく生徒と追い込む教師、
善意の旗の下に暴徒と化し
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クロッシング(2008年製作の映画)

4.0

2001年、ゴビ砂漠で彷徨い父を待ちながら凍死したチョルミン少年事件、
そしてニュース映像等でしばしば見られる
脱北者が各国の大使館に駆け込む事件、その背景にある深刻な事実を
ありのままに見せている。
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1984(1956年製作の映画)

3.3

ラドフォード版ではなくアンダーソン版をDVDで見た。
LOVE色が濃いのに驚き!
オーウェルの遺族が公開中止を求めたのも、なんとなく理解できる。
ラドフォード版の方が面白かったような気もするが
ずいぶ
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インセプション(2010年製作の映画)

3.4

コンセプト良し、設定良し、描写も素晴らしい作品ではあった。

このコンセプトで世界のマーケットで勝負する為に行ったであろう
取捨選択、そこに手放しで楽しめなかった要因があるような気がする。

取捨選
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.0

フィンチャー、フェイスブック、ナインインチネイルズ
このメンツ、この素材でどんなテクニックを使ってくるのか?
が一番の楽しみだったが、カメラは動かない、カット割りはオーソドックスな切り返しの多用
CG
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J・エドガー(2011年製作の映画)

3.4

主題がジョン・フーバーなら俺が撮る必要はないからオリバーに!Make my day !

主題がCIAなら俺の出番は無いからリドリーに! Make my day !

俺が撮るならタイトルはJ・エドガ
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ルート・アイリッシュ(2010年製作の映画)

4.0

よ~い スタート!

『ヒューゴの不思議な発明』
でリュミエール兄弟、メリエスから始まる映画草創期の時代の映画への愛を

『アーティスト』
で無声映画からトーキーへ変わる映画黎明期の時代の映画への愛を
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ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

4.6

♪あたりまえ~あたりまえ~あたりまえ体操♪

劇中のセリフを引用して。
ーー詩を書く事は日常の中で「美しさ」を見つける事ですーー

もひとつ引用
あなたは【映画】を今までに何回見ましたか?千回ですか一
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おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

4.0

単純明快、勧善懲悪、奇想天外、そして明快な起承転結。
昨今の映画のほとんどが、こうでないとイケナイ空気に縛られている。
その狭い土俵の上でどれだけ、アタラシイ風の、とか、ミタコトナイ風の、とか、見せ方
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アルゴ(2012年製作の映画)

3.8

ベン・アフレックからオビワン・アフレックへ
A short time ago in a galaxy around here・・・・・

類稀なるフォースをふんだんに使った『ゴーン・ベイビー・ゴーン』
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サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)

4.1

チャーハンライスで満腹満腹!
チャーハンライス?
一般的にチャーハンをオカズにして飯は食えない、少なくとも僕は。
しかし、この監督はあえて飯&飯というありえないレシピで観客を納得させ、
涙させる荒技を
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.6

傑作or駄作 意見が分かれる作品かもしれない。

現実の社会=バーチャルの世界と考えることができる人は
違和感無く気持ちが入っていくだろう。
古くは吉本隆明の「共同幻想論」やガタリの「脱領土化」の概念
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

4.0

内容が難解とか周囲でよく耳にする。

その大きな要因は
宗介母とポニョ母が2人で話すシーンで
はないだろうか。
通常の展開だと謎解きの場面あるいは起承転結の
結へ一気に向かう場面である。
ここはおそら
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ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

1.4

Mr.マリックなら赦される・・・
宇宙創世、人類誕生から始まって
家族→個人→生→性→死→喪失等々・・てんこ盛り過ぎる~。
おかずが多過ぎてフタが閉まらない幕の内弁当。
またはメッセージを羅列し過ぎて
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最強のふたり(2011年製作の映画)

3.4

ウマく生きるよりもマトモに生きろ
マリファナは吸う、素行は悪い、でも、人として思いやりのある人間に実はちゃんと育っている黒人ドリス。貧しい母親は、彼にウマく生きる術を教える事はできないが、マトモに生き
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キック・アス(2010年製作の映画)

4.4

本郷猛と立花藤兵衛とその他1名の会話

猛「いやあ、キックアス面白かったですねぇ!数々の名作映画へのオマージュ、映画音楽へのリスペクト、楽しめましたね、おやっさん!」

藤兵衛「でもヒーロー物はな、バ
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おとなのけんか(2011年製作の映画)

4.3

ポランスキーの私生活と比べたら・・・
こどものけんかに過ぎない。

チェンジリング(2008年製作の映画)

3.9

拝啓 ハリー・キャラハン様
あなたが44マグナムを35カメラに持ち替えてから
ずいぶん経ちますが、まだまだ世界は暴力にあふれ
平和ではありません。

僕があなたを知ったときはブルース・リーと同じように
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渇き(2009年製作の映画)

5.0

罪と贖罪、暴力と道徳、欲望と赦し、これらを究極の状況に落し込み、その苦悩と葛藤をユーモアを交えて描く、
ここまでならパク・チャヌクの今までの仕事でも観る事はできた。

しかし本作はソレに加えラブファン
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モテキ(2011年製作の映画)

3.7

サブカルチャーなんて言葉、死語だよ死語!
映画、音楽、小説等エンターテインメント産業において
性別、世代を超えて超大人数で形成される巨大マーケット
→メインカルチャー

一部の少人数で形成されるカウン
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偽りなき者(2012年製作の映画)

4.1

原題は『Jagten』洋題は『hunt』
邦題は『偽りなき者』日本人マジメか!?(苦笑)そうマジメなんです。
タイトルが狩りや狩猟であれば、見方も変わるし、評価も変わる。
でも、そんなタイトルだとあん
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.5

♪聖者になんてなれないよーだから僕は唄うんだよー 精一杯デカイ声でー 見えない自由が欲しくてー・・・♪を思い出したー!911から12年、311から2年、いや、古今東西、世界中で求められているスタンダー>>続きを読む

天使の分け前(2012年製作の映画)

4.4

「マーガレット・サッチャーは、現代において、もっとも<分断>と<破壊>を引き起こした首相でした。

 大規模な失業、工場群の閉鎖、破壊された地 域社会などが、彼女の残した遺産です。
彼女は闘士でしたが
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

3.9

インド国内の自殺率は高く、そのうち4割が学生らしい。しかも、未遂で生還した人は警察に逮捕される(宗教上の理由)。そんな状況を唄いつくし、踊りたおし、笑いとばす!どんな映画や~!きっと、うまくいくー!凄>>続きを読む