百鬼園先生さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

百鬼園先生

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スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火(1989年製作の映画)

1.5

ズームイン暴行団地を見て以来、人体自然発火の映画に興味が湧き期待してた作品。火炎放射器の勢いで吹き出る炎。ちょっとイメージ違う。他人を焼き尽くすシステムがよく分からなかった。伝染って事?でも受話器から>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

2.0

人間の欲望の全肯定。ただしその姿はおぞましいと心得よ。全く感動しなかったけど描くテーマは是としたい。単純にオナニー直後に娘のエッセイ音読するのヤバすぎだろ。でもそれもまた人間。家族を捨て子育て放棄して>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.0

シャンパンと糞尿が混じり合うハリウッド黎明期の一大叙事詩。1920年代のカオスな野外撮影シーンが素晴らしすぎる。人生が一夜にして変わる狂乱の夜明けも美しかった。この映画、サイレントからトーキー移行の混>>続きを読む

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

2.5

ノリで駆け抜けていくけど話自体は都合良すぎでかなり杜撰。カラフルな髪の元カノと殺し屋女の2人が両方どちゃくそタイプでそれを眺めているだけで楽しかった。どちらも意志が強い自立した女性。いちばん悲しかった>>続きを読む

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.0

口頭で組織関係図を全部説明されるけど全く頭に入らないからむしろなしでいい。見せ場が多く、SP選抜で横並びのライバルをボコるとこやギャグみたいな葬式が面白い。役者は全員ハマってて吉原光夫とはんにゃ金田は>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.0

つかみ〜緩急効いた最初のカーチェイスで完全に心持って行かれた。車の動きを把握させつつ、手元、足元、余裕の表情の入れ方が完璧に好きなヤツ。ただここがMAXで後半これを超えるドライブがなくて残念。子供を助>>続きを読む

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

2.5

M-1の審査でよく4分間の「笑いの手数」の話が出るけど、本当に漫才のスピード感で笑いを挟んでくる。12分でギャグいくつよ。劣悪な道路事情で記念日ディナーに間に合わない男。車を駆使したドタバタな笑いで押>>続きを読む

大恋愛(1969年製作の映画)

3.0

初エテックス。 10年目の浮気心というストーリーはもはやコントの設定でしかなく、音、映像、小道具など映画的ギミックを詰め込みまくって笑わせにくる。すごい手数。走るベッドや家電真っ二つなどの大ネタがある>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.0

オッサン同士の「友達やめる/やめない」を微笑ましいのう…と見ていたが次第にヘビーな展開へ。「いい人=退屈」はある意味真理だけど、一方でオモシロのため露悪的に振る舞う不快な姿はSNSでよく目にする。意地>>続きを読む

ライト/オフ(2016年製作の映画)

2.5

ワンアイデアを最大限効果的に見せようとする様々な工夫。明滅による出現は緊張感あるし、ガンショットの閃光で「それ」がコマ送り的に迫るとこ凄く良かった。暗闇という原初的恐怖をストレートに描くのも好感。常に>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.0

プリウス?と思うような静かな動力の宇宙船。砂とテクノロジーと宗教の並列センスが抜群だった。砂を揺さぶるジマーの低音。話は冗長でアクションも今ひとつだけど、引き画の世界観やヴィルヌーヴ独特の緊張感演出で>>続きを読む

ビブリア古書堂の事件手帖(2018年製作の映画)

1.5

鎌倉って警察いないの?自力で事件解決しようとするのかなり不自然。古書への洞察力で謎を解く前半は楽しかったけど、殺人鬼でもない相手から逃げ惑う後半は失笑。何より腹立つのは、預かった本盗まれた癖に信用云々>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

2.5

蛮族達の蛮行がたくさん見られて満足。前半ぬるいけど次第に残虐性が右肩上がり。絶対この時代に産まれたくない。ミッドサマーのルーツのような宗教儀式も興味深かった。ただ随所のファンタジー描写は覚める。アニャ>>続きを読む

リトル・シングス(2021年製作の映画)

2.5

行き詰まる捜査の中、少ない証拠やグレーな容疑者に執着してしまう警察陣営の心理。犯罪映画でこの側面を執拗に掘り下げる視点が珍しい。わずかな類似点から自分と被害者に感情的な繋がりを見出すとこ「あるかも」と>>続きを読む

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

2.5

2時間ドラマみたいな話だけど背景の作り込みなど画面が少しリッチ。ビールで言えばプレモル。日本橋全面協力といった感じで具体的な店名が多数出るのアド街的で楽しい。物語の鍵となる過去パートでの音尾をはじめ3>>続きを読む

アイス・ロード(2021年製作の映画)

2.0

整備工に焦点を当てた変わったカーアクション。横転トレーラーの起こし方とか荷台に閉じ込められた時の脱出法など、雪道トリビア満載で前半は楽しい。ただタイムサスペンスなのにいちいち車体調整に時間がかかりハラ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.5

鉛筆書きの湘北メンバー達が動き出すOPからぶち上がる。「コートの狭さ」を感じさせることがもたらす没入感。点数差の増減を省略しない描写もその場にいるような絶望と興奮を味わえた。回想は少し多めで試合が停滞>>続きを読む

サマリタン(2022年製作の映画)

1.5

人間の中に存在する善と悪。ダークナイトで描いたテーマを子供とスタローンで薄めてややダサめにアレンジするとこうなるって映画。「貧しくても正しくあれ」は為政者側の正論であって、貧困の憤りから生まれたヒーロ>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.0

多層的で変則的な謎解きの物語がタイトルや導入の木箱に象徴されていてワクワクした。一方「人のアイデア盗むやつ最低」っていう話は凄くシンプル。前作では楽しみきれなかったクレイグのクセつよ探偵キャラが今回は>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.0

接近戦の速さが凄すぎ。出来る現場リーダー風の男を投げ飛ばしつつ射殺するとこ笑った。部屋での会話やコミュ障の独り言など会話劇としての面白さも。リアルとアンリアルの配合が絶妙で、あんな死体処理班いるかよ!>>続きを読む

ハズバンズ(1970年製作の映画)

2.0

リアルな死に直面して俺達このまま一生「夫」でいいの?と抱く疑問と足掻き。遊戯的な躁状態しか解決法を持たぬ姿は憐れだけどはた迷惑だよ。煮詰めたアメリカ男性の害悪性=見栄っ張りな幼児性と暴力性。画面のカッ>>続きを読む

メルビンとハワード(1980年製作の映画)

4.0

世界で2人にしか分からない一夜の真実。それが決してロマンチックなものではなく相乗りしたジジイとのランデブーってのが最高。時に懸命に、大体は間抜けに働いて挫折して生きるメルビン。アルトマンみたいな物語の>>続きを読む

愛されちゃって、マフィア(1988年製作の映画)

3.0

80年代アメリカの美容室が想像通りで最高だし飲食店の制服も全般推せる。役者はファイファーとモディンが超キュート。ボロアパート(台所の中央が風呂)の廊下や玄関でのやりとりが良い。ゆるい話の中で嫉妬の鬼と>>続きを読む

スチームバス/女たちの夢(1985年製作の映画)

1.5

女同士の裸の付き合い。女性が直面する家庭、仕事、子供、金、SEXについて巨大セットでダべり尽くす。サウナ外の映像を一切挟まない完全会話劇の取り組みは面白いけど次第に画に飽きてくる。印象的なゆるダンスと>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

2.5

マスクの着用が聴覚障害者をより孤立させる中でケイコが打ち込む「言語」としてのボクシング。誰もが苛立ち追い込まれ、周囲の雑音がより煩わしく感じられたコロナ禍。外とのチャンネルを閉じたくなる気持ちも分かる>>続きを読む

パリのランデブー(1994年製作の映画)

3.0

余裕すら感じるロメール節。スリと二股を華麗な恋愛ゲームに仕立てる①。幸せな公園巡りから一転、無残な愛人の末路を描く②。恋人がいるから愛人のあなたもいるって言い分は痺れる。③は人妻にフラれた画家の作風の>>続きを読む

DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン(1983年製作の映画)

3.0

エヴァもシン◯◯もハマれなかったけど、この作品の愛情と手間暇には感動せざるを得ない。ジーンズを履いたウルトラマン。カセット方式のマットアロー号。子を戦地に送る父、核使用の是非、蹂躙される住宅、画角に至>>続きを読む

パッション(1982年製作の映画)

2.0

工場と撮影所で繰り返す「愛と労働は似ている」という言葉がテーマなんだろうけど、じゃあどこが?という問いには答えてくれないゴダール。撮影中のセットがべらぼうで何だか楽しい。光を求める監督と、金とキャステ>>続きを読む

ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス(2020年製作の映画)

1.5

死体家族写真家って職業があるんだーという設定は面白い。目を離した隙に死体が起き上がって集合写真ポーズ決めるとこが一番盛り上がった。謎解き風に進むものの、最後は投げやりに村全体がポルターガイスト状態で空>>続きを読む

右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

3.0

極上の映像美と悪ふざけコント集…という意図は分かり易いが自分のオシャレ感度とユーモア尺度がぶち壊れそうになる。黄色い車に乗り込む場面は笑えたし、森の赤い車や手錠越しの車窓は美しかった。映画を運ぶ男と彼>>続きを読む

刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年製作の映画)

2.5

刑事ドラマは導入と最後だけであとはアーミッシュ村へのウルルン滞在記。新婚祝いに村人総出で小屋立てる風習すごい。ヒロインに横恋慕する幼馴染と、少年が犯人を指差す場面が良かった。暴力に塗れた現代人と禁欲的>>続きを読む

ゆるキャン△(2022年製作の映画)

2.5

大人になっても基本的には何も変わらない野クルの活動。なでしこがユンボ運転してるとこは驚いた。学園ものの良さは「いつか青春が終わる哀愁」なので期限を決めないほっこりは少し締まりがない。今後リアルなキャン>>続きを読む

父 帰る(2016年製作の映画)

1.0

いかにも企画屋の企画って感じ。ワンアイデアの出落ちなんだからせめて半分ぐらいの短さにして欲しかった。最後の方はもう分かったから早く終わってくれ…と願う始末。ついでに戯曲の内容自体もイラついて受け付けな>>続きを読む

宮松と山下(2022年製作の映画)

3.5

騙す。嘘つく。演じる。そうした行為の面白さや不気味さだったり。虚しさや優しさだったり。描きたい題材と手段の一致が気持ち良かった。記憶喪失といういかにも映画的な題材もこのテーマの中では必然に感じる。銃撃>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.0

贅沢なロケーションと画力が凄い。泉で首拾うあたりが突出していた。リアル感あるファンタジーは見ててワクワクするけどカタルシスには至らず。どこか説教臭さがノイズに。行動の対価であったり、死を内包した生であ>>続きを読む

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

2.0

卵が先がニワトリが先かのパラドックスを孕む構成は嫌いじゃない。「自分が邪魔者なんじゃないか」と感じる子供の心理はホラーにすればもう少し面白かったと思う。ビジュアルインパクトは予告編で出し尽くされて嗅覚>>続きを読む