百鬼園先生さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

百鬼園先生

百鬼園先生

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一晩中(1982年製作の映画)

1.5

暗い画面を男女がそわそわウロウロ時々ダンス。様々な人物が出てくるけどセリフも少ないし各カップルの特徴も薄いから正直退屈。抱き合って→次の展開が8割で流石に一本調子すぎないか。思わせぶりな長回しに混じり>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

2.0

ギャグはノリ切れなかったけど4人のキャラは愛せた。リリスちゃんの妖精顔と、のびしろしかない魔法使いが推せる。全員が覚醒したラストのチームバトルは文句なし。敵の魔女が魔法使う時に白目なのめちゃ良かった。>>続きを読む

淪落の女の日記(1929年製作の映画)

3.0

はっぴ姿やオールバックのルル。いつもの悪女じゃないから不幸になる姿が見てて辛い。数人を除いて登場人物が全員クズ。とりあえずあの親父と店員がいる薬局は放火したい。フルメタルジャケットみたいな感化院(ただ>>続きを読む

パンドラの箱(1929年製作の映画)

4.0

あざとエロかわいさ大爆発。七変化も見所だけど表情から仕草まで全てが蟲惑的。腕ぶら下がりや階段でのドアップの破壊力。むっつりパパとの舞台出る出ないの攻防も凄い。老若男女、関わるもの全てを夢中にし触れるも>>続きを読む

(1928年製作の映画)

1.5

アメリカ版の砂の女。男相手に隙ありすぎなリリアンギッシュが色々と浅はか。どう考えてもいとこ同士の距離感じゃないだろ。奥さん怒って当然よ。最初は可憐なのに、風に閉じ込められてバキバキに狂ってゆく女の顔が>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

2.5

榎津が本当に殺したかったのは父=神だけであり、それが果たせぬから「恨みもない人間」を殺し続けて抗ったのか。カタルシスを金に置き換えた代替殺人。その点で我が子を宿した女殺しだけが、自らの血を絶やす家族殺>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

3.5

レストア凄い。セットや照明が最高なんだけど、特に泣く女の背中に当たる光が神がかってる。三人の母親。山田五十鈴と有馬に関しては子への仕打ちがブーメランに。かといって子のために家庭に戻る原節子が幸せと思え>>続きを読む

福岡(2019年製作の映画)

2.0

過去の女性の面影を追う幻の福岡散策。外国人目線で切り取る日本の街角が新鮮。旅先での自由な別行動っていいよね。ただ緩やかで思わせぶりなエピソードが少し物足りないし、ファーストカットから揺らぐカメラの存在>>続きを読む

人生の乞食(1928年製作の映画)

3.0

男装のブルックス。すぐにバテたり盗んだパンを笑顔で齧るとこ激萌え。レッドの心変わりは唐突だけど「鍵ここにおいたぞ。俺は寝るから」で主人公を助けるたぶん元祖。ここでの「え、これいいの?」みたいな男の察し>>続きを読む

港々に女あり(1928年製作の映画)

3.5

爆裂かわいいのに一目で性悪なブルックスの存在感。乳首の浮いたレオタードで親友を誘惑するとこほぼ寝取られAVで興奮した。トムとジェリーみたいに愛らしいスパイクとビリーが2本の指を立てたり引っ張ったり。港>>続きを読む

悪魔の往く町(1947年製作の映画)

3.0

ペテンと宗教と精神分析。三者を同列に語る大胆さ。人の心の傷を喰い物にする主人公もまた、最後まで過去の罪悪感に苛まれてるの人間味があって良かった。デルトロ版より派手さはないけどテンポが良いし、疑う事なく>>続きを読む

こんな私じゃなかったに(1952年製作の映画)

3.0

昼は応用化学、夜は芸者の二足の草鞋。口だけ大学生の水原真知子が芸者になって輝き始めるの血筋を感じて魅力的。お座敷と研究室のカットバックなんて初めて見た。天文学者の「星が好きなのと同じように君が好き」に>>続きを読む

フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

3.0

登場人物が男も女も倫理観の底が抜けまくっててビビる。ショーを愛する一方で金にも下半身にもだらしない主人公の「こういう生き方しかできないんだ!」って開き直りはフランス国民全員のスタンスと受け取った。中東>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

2.0

女性を家に閉じ込めるメタファーとしての「VR廃人化」は少し直接的すぎ。ただ企業と宗教を同一視した描き方や、男が夢中になるそれっぽい大義、経済システムや医療すら性差による役割の洗脳に繋がってるの面白い。>>続きを読む

囚われし者 ボーラー(2023年製作の映画)

2.0

インドで鑑賞。全編ヒンディー語だけど楽しめた。激強い男が麻薬組織をぶっ潰す話。籠城ものとカーチェイスを合わせた大盛り展開。バイクアクションやシヴァ神の三叉で無双する場面が良かった。ただインドCGはリア>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.0

親子の話を軸にエピソードの断片を積み上げる作りに好感。破壊衝動の芽生え、フィルムの秘匿性、母のダンスを車のライトで照らす叙情的な場面は日常の美しきLights Camera Action!髭のおじさん>>続きを読む

群盗、第七章(1996年製作の映画)

3.0

ノンシャランじゃない暴力に塗れたイオセリアーニ。中世の王政から共産党時代、現代にわたる富の奪い合いと特権者の横暴。拷問のバックヤードなどブラックな笑いの合間に出てくる鳥やヤギさんにほっこり。時制と役柄>>続きを読む

そして光ありき(1989年製作の映画)

3.0

シュールなセネガルコントという未到のジャンル。強い女子と気弱な男子に分かれる中学校の教室のような村。首継ぎや、作り物のワニ、怒りの突風など笑いとマジックリアリズムの狭間をたゆたう。村を離れて文明が発達>>続きを読む

集団痴漢 人妻覗き/海鳴り 或いは波の数だけ抱きしめていられるか、アホンダラ!(1991年製作の映画)

2.0

性に考えの浅い少年達。性にしがらみが付きまとう大人達。神社で蝉の鳴き声を聞きながら呟く「つくづく欲しい」や、去る者と残る者が見えないボールを投げ合う「しまっていこうぜ」にジーンときた。ただ、その他はど>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.5

よりによって確定申告サボって鑑賞。選択の無限性をアクションで紡ぐアイデア。数多の可能性を見てもなお今いる世界線を愛せるのか?それとも虚無に落ちるのか?の闘い。カオスバトルはジムキャリーのマスク。オェ〜>>続きを読む

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

3.5

流れるようなカメラの群像劇。格差を認めつつ、その垣根を超えた交流に幸福を見い出す。各々の世界から踏み出し混じり合う重要性。ただ犯罪がその信頼の扉を閉じてしまう現実も。巨大鳥や銃、水上ラブホなど画面のイ>>続きを読む

ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー(1981年製作の映画)

4.0

夜の撮影はもちろん何気ない情景カットまで超クール。盗みや賄賂や人身売買で叶えるハリボテの幸せは、刑務所でチラシをつぎはぎして作った男の不器用な夢そのもの。息子の名前を中華屋のウェイターに自慢する場面に>>続きを読む

団地妻 白昼の不倫(1997年製作の映画)

2.0

団地の乱れた性関係。でも一番エロいのは最後まで関係を持たない長曾我部と本田菊雄の視線と言葉のやり取り。自転車に乗る事ですれ違う寸止め感。長曾我部が暗がりから姿を現すシーンは位置関係の曖昧さもあってこの>>続きを読む

ネッド・ライフル(2014年製作の映画)

2.5

見事な太ももによる交渉術。シンプルで洗練された画の雰囲気はフェイグリムより好み。ただ良くも悪くも雑味がまろやか。「若い世代に受けたい」と色気を出して失敗するサイモンに全中年クリエイターのリアルを感じた>>続きを読む

フェイ・グリム(2006年製作の映画)

2.5

続編はまさかのスパイもの。シングルマザーが急に国家を揺るがす「告白」を巡る諜報戦に。あのヘンリーが?そんな人には見えませんでした…って聞き込みされた隣人の気分。胸元ざっくりニットから細身のコートまでフ>>続きを読む

マジェスティック(1974年製作の映画)

2.0

何もない闇から車のライトが光ってトイレ跳ね飛ばす場面が好き。金より法より命よりスイカの収穫を最優先する男。そのスイカ愛の理由が一切明かされないのが不気味でもある。実際はマシンガン乱射シーンからの逆算で>>続きを読む

四月(1962年製作の映画)

3.5

愛の間に家具は邪魔。部屋の広さに合わない大量の家具は実家の居間を思い出す。忙しく荷物を運ぶ人達に逆らって丘を目指す男女。シンプルな趣味を楽しむ人々と家具の手入れで手一杯な人々。まあ現代ではそれも趣味と>>続きを読む

水彩画(1958年製作の映画)

1.5

アル中男が妻に追われて逃げ込んだ美術館で自分の家そっくりの水彩画を見て…という世にも奇妙な物語の設定みたいな話だけど設定だけで終わってしまった。自分の幸せを立ち止まって見つけろって話なんだろうけど、あ>>続きを読む

珍しい花の歌(1959年製作の映画)

1.5

キレのいい音楽に合わせてカットを繋ぐ花の映像に思わず笑ってしまった。色とりどりの花弁、牛の憩う草原、多肉植物、押し花。庭の手入れをする老人は月夜に何をしていたんだろう。トラクターに掘り起こされてもなお>>続きを読む

殺人者たち(1964年製作の映画)

2.5

ヤバめな殺し屋コンビが、さらにゲスめな計画者たちを追い詰める。思った通りの人物が黒幕で捻りはないけど、誰にも感情移入させず全員を破滅に導く脚本が冷徹で面白い。理知的なマーヴィンとサイコな筋トレ相棒の取>>続きを読む

ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ(1969年製作の映画)

3.5

浅いのか深いのか。バカなのか哲学なのか。そうした二項対立から逸脱している点で現代思想的。エロい妄想と満州悲話の落差。童謡ぞうさんからの…で、私の話は?で爆笑。「やつはスケベだ!ワシはその確証を幾つか掴>>続きを読む

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)

3.5

構図のセンスが抜群で、それをこれみよがしに長回しするでもなくスパっと切り上げるのもカッコいい。下衆で反社会的と揶揄されながらも周囲に変化を与え続けたサイモンの詩はそのままヘンリーという男の生き様に重な>>続きを読む

ヒーロー・ネバー・ダイ(1998年製作の映画)

3.5

無理めな設定をゴリゴリと進めていく唯一無二の話法。キャラ説明もなく正面衝突からのワイングラス割り合戦とか映画の法定速度を大幅に超えている。暗がりの銃撃が多い前半を抜け、深傷を負った後半さらにブースト。>>続きを読む

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

3.5

男達の幼稚なミソジニーから転居や転職、自転車で逃れる女性達が魅力的。難解なテキスト朗読は少なめで、何より話と映像が面白い。日常を物語化する作為的なコマ送り。娼婦と社長のピタゴラスイッチ。列車からF1カ>>続きを読む

じゃりン子チエ(1981年製作の映画)

3.5

ダメ父を支えるため早くから大人にならざるを得ないチエ。今で言うヤングケアラーだけど地域の目が家族を見守ってるのが救い。歪ながら深い家族愛が確かにあって、運動靴に石鹸を塗るテツや、母の前や遊園地で童心に>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

2.5

ホモソーシャルな男社会に蹂躙される祇園というシステムの話だった。想像以上の批判精神。女達も憐れだが、酔客から男衆まで常に金の話しかできない男達も逆に憐れ。名誉男性の位置にいる浪花千栄子のヤダ味が絶妙。>>続きを読む