こくさんの映画レビュー・感想・評価

こく

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碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.4

落語を元ネタとした時代劇ではあるが、非常に見応えがあった。白石和彌監督、時代劇もいける。

囲碁の打ち方から見える、貧しさに耐える侍の、志しある生き方。それが市井の人々の生き方すら変えていく。

そん
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サラリーマン・バトル・ロワイアル(2016年製作の映画)

3.7

タイトルまんまの映画ではあった。人間の醜さや、グロシーンはバッチリ。

『キューブ』のような何らかの社会実験、生き残りをテロリストに仕立てる『実験室KR-13』のような感じもあった。

本当にあのジェ
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許されざる者(2013年製作の映画)

4.3

意外な拾い物。イーストウッドの傑作西部劇を、舞台を幕末後の北海道に移してリメイク。当然、銃も出ますが、メインは刀です。

渡辺謙の刀と銃捌きも、素直にかっこいい。

モーガン・フリーマンの役を柄本明が
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.3

フィンチャー監督らしさ満載の変な映画。何が変って、このナルシストの殺し屋を真面目に撮ってるのか、ギャグとして撮ってるのか、その意図が全くわからないw

『殺し屋とは』みたいにウンチク語りまくる主人公が
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I’M FLASH!(2012年製作の映画)

4.0

豊田利晃監督。相変わらずぶっ飛んでる。ムラもあるが、『ポルノスター』から天才のまま。

やっぱり元プロ棋士志望で薬と拳銃所持で逮捕されてる映画監督って、ナチュラルに危険だしアナーキーだ。←褒めてます。
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アメリカン クリスマス・キャロル(1979年製作の映画)

3.4

『3人のゴースト』などと同様、何度も映画化されているクリスマスの寓話。

己の私欲のために、人の生活を壊しても気にしない最低の金持ちがクリスマスイブに3人の人物と出会い、過去を回想。心を入れ替えてクリ
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

4.3

松居監督、相変わらず凄い熱量。年齢や作品を重ねて、しつこさと暑苦しさ、純粋さが増しているって、凄い。1ミリも円熟していない。

ヒロインの愛が実ると、初恋の相手は消えて、また何度でも現れる。それでもめ
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ジョー、満月の島へ行く(1990年製作の映画)

1.0

カルトとも違いますが、凄い変な映画。これが企画通るって凄いいい時代だな。主演のふたりで、中身がどうでもオッケーとなったのだろう。

自暴自棄になった主人公が金持ちの薦めで、活火山を鎮めるための生贄とな
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イレイザー(1996年製作の映画)

3.5

20年振りくらいに観たのですが、やはり安心安全なシュワちゃん。

絶対にシュワは死なないし、ヒロインを守る。超安全。それがわかっているので、楽しいけど緊張感は皆無なのが残念。

動物園の水槽を破壊して
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.9

斎藤工監督作品。ジャンルがガチなホラーサスペンス。ジャンル映画好きそうだ。

江戸川乱歩から脈々と続く、頭のおかしなストーカーがマイホーム内にひっそり同居している映画としては合格点。

窪田がゲス夫と
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グリーン・ゾーン(2010年製作の映画)

3.4

久々観たけど、面白くはない。ただ、エンタメを通して現代世界史を知るという意味で、ポール・グリーングラス監督は必修科目だ。

イラン・イラク戦争もクウェート侵攻からの湾岸戦争も、まあ確かにフセインはやば
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.3

社会派、ヤクザ映画のイメージが強い藤井監督。

若者の王道恋愛+美少女+難病+岩井俊二+海外が舞台。要するにテレビ局主導の映画とかによくあるパターンを、あえて自力でやり切って傑作にしたのは素晴らしい。
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ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ(2022年製作の映画)

3.4

911テロ後、本当に多数のイスラム系の移民たちがタリバンと疑われて米軍に逮捕され、拷問を受けました。

この映画は、全くの無実で捕まった息子を自由にするために、米国大統領を訴え奮闘する母の物語です。
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トキワ荘の青春(1995年製作の映画)

3.0

つまらなくはない。ただ、連ドラなどで丁寧に描いた方がよい題材だった。色々と惜しい。

日本の漫画界を支えた巨匠たちの若き時代が描かれる群像劇だが、手塚治虫、藤子不二雄以外は、真面目に観ていても、全くわ
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.3

何度観ても、これがデビュー作という事自体が、映画史的に凄い。

テンポも悪くダラダラと続くオフビートな会話←褒めてます。それを切り裂く唐突にくる暴力。もうタランティーノ完成しちゃってる。

マイケル・
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約束のネバーランド(2020年製作の映画)

2.1

アニメ、実写ともに盛大な原作レイプがなされた作品として歴史に残したい。少年ジャンプ掲載の人気原作って、それなりの配慮されないのかな。

原作の子供たちを成人に改変。大人と子供の頭脳戦という設定が、足元
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.9

スピンオフが本編に肉薄したというか、少し超えてしまった部分もある。凄い映画です。時空的には『エピソード3.9999999』くらいという設定も絶妙。

『エピソード4』で勝利を呼び込む設計図入手のために
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ロストケア(2023年製作の映画)

4.3

前田監督、デビュー時の軽さはなくなり、どんどん重厚に進化してます。

例の大量殺人が起こらなければ、映画にならなかった題材だろう。

大量殺人者は単なる異常者ではなく、実は理にかなった善人かもと思わせ
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.9

殺し屋バトルロワイアルが3回くらいあり、全編がクライマックスなので、満足感はありますが観ていて疲れます。3時間弱ありますが、90分でできる話。

日本での大虐殺、パリ凱旋門皆殺し、蒲田行進曲な階段落ち
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あまろっく(2024年製作の映画)

3.9

最初は鶴瓶をアイコンとした安易な緩い映画と舐めていたのですが、なかなか観せます。

家族映画であり、親子映画であり、なんとシスターフッド映画でもあります。

中条あやみが、ちゃんと女優していて驚きまし
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

4.4

近年のマネー映画では抜群の面白さ。スコセッシもオリバー•ストーンも完敗かと。
2020年のコロナ禍のアメリカで起きた、個人投資家たちの連帯が、クソ投資家たちを倒した現象の映画化らしい。

株の信用取引
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トラック野郎 故郷特急便(1979年製作の映画)

3.5

シリーズ何作目かわからないですが、順番無視で楽しめる凄いシリーズ。菅原文太がトラック運転して旅して恋してってだけで、多幸感満載なんです。

全編全作、細けえ事はいいんだよ!って乗りなので細かいストーリ
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ウォール・ストリート(2010年製作の映画)

3.6

20年以上経過しての続編。何よりやばいのは、不正取引で懲役を喰らった主人公が、出所したらまた不正取引連発してること。ちょい父親らしい仕草も見せますが、やはり極悪銭ゲバ。

人間は全く変わらない。バブル
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ウォール街(1987年製作の映画)

3.8

得体の知れない株屋の実態は描ききれてないが、その胡散臭さをよく描いている。バブル期の世界の狂いっぷりがよくわかる。オリバー・ストーンの好きそうな題材。凄いのは、真面目に2時間観ても、彼らの仕事内容がほ>>続きを読む

Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

2.5

丁寧に紡がれたシリーズのオチとしては余りにも酷い。テレビシリーズはスペシャル含めて大好きでした。

漫画原作も中断し、あくまでもフジテレビが金のために作った完結編。

主人公の医師を難病にして、島では
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

大人の淡過ぎる純愛。昔から好きだった人と、ただ再会するだけ。本当にそれだけの映画ですが、魅せます。過去の恋愛に対する男女の捉え方の差も、すごい残酷だけど現実的。

大好きな人と、ただもう一度会って少し
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そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

4.1

クズをクズのまま描いているのに、なんとなく尊い感じになるのが三浦マジック。また、ジャニ俳優さんは、皆さんこういったクズ役を演じると上手い。何か下地があるのかもしれない。

今作では、ひたすら嫌な事から
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コンジアム(2018年製作の映画)

2.9

世界中で流行ったPOVホラー。それが何も進化も工夫もないまま安易に量産され続けているという事が実感できる。

迷惑系YouTuber集団が心霊スポットに行き、予想通り心霊現象地獄に。完全な素人である自
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.3

オシャレな雰囲気だけの映画監督と荻上監督をみくびってました。ジャンピング土下座謝罪します。

これまでの監督作品で描かれていた無駄に小洒落た人々は消え、氾濫する川のそばに暮らす底辺の人々の姿が。

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スノーデン(2016年製作の映画)

3.5

うーむ。いつもの陰謀論大好きオリバー•ストーン全開。アメリカがこんなやばいことをっ!

確かにやばい話ですが、実在のスノーデンはCIAなどの組織ではかなり末端だったと思われます。それを自分がプロジェク
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.2

ダルそうに日々を送る普通の女の子が殺し屋って設定で勝ってます。主演のふたりが、キュートですが最高の美女でないラインなのが素晴らしい。あと全く賢くない感じもいい←褒めてます。

阪元監督作品の中では、最
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地獄の更生キャンプ(2023年製作の映画)

3.0

凄い。面白くはないが、凄いドキュメンタリー。観て損はない。

不登校、反抗期の子供達。彼らに手を焼いた親が頼ったのは、スパルタ過ぎる更生キャンプ。送り込まれた子供達がバタバタと死にます。

古い話です
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劇場版 おいしい給食 卒業(2022年製作の映画)

3.5

まさかの劇場版2作目。全くスケールアップしていないのが素晴らしい。

何気に誰にも認知されていないが、このシリーズで市原隼人は映像の世界に大きな足跡を残した。

彼が給食を食べる時のオーバー過ぎるアク
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ハングリー・ラビット(2011年製作の映画)

3.6

あなたの妻をレイプした男を殺害してあげようか?

そんな誘いにまんまと乗り、予想通りに交換殺人地獄に巻き込まれるニコジ。

定番ではありますが、それなりにハラハラしながら観れました。警察の中枢にまで食
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.4

中国の小説を映画化。大成功してると思います。金子修介監督も、久々に力を出し切れた作品かと。またまだ良い映画撮れるじゃん。

少年法で守られている間に、邪魔者を全て始末して大金を得ようとするアンダーZ世
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

4.1

余りにもバカバカしく楽しい阪元監督作品。最近は安っぽい画はそのまま、作品としてクオリティも上がってます。もうついていきますよ。

ゆるい殺し屋の日常生活からの、大虐殺。その緩急の激しさ。ターゲットを間
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