前田監督、デビュー時の軽さはなくなり、どんどん重厚に進化してます。
例の大量殺人が起こらなければ、映画にならなかった題材だろう。
大量殺人者は単なる異常者ではなく、実は理にかなった善人かもと思わせる本作の描写のヤバさ。
それだけ日本の障害者、老人介護事情は地獄になっているのだとわかる。
殺すことが本人や周囲への救いとなる。確かに無茶な考え方だか、安楽死のない日本でそれを完全否定できるほど、皆に余裕があるとも思えない。
皆が生きてさえいれば幸せ、という正論は理解しつつも、その命ゆえの地獄も確実にあるのはわかります。年老いた家族を持った経験のある方ほど、メンタルにもくる映画かと。