レイチェルさんの映画レビュー・感想・評価

レイチェル

レイチェル

マリー・アントワネットに別れをつげて(2012年製作の映画)

4.0

フランス映画大好き人間で、さらにフランス革命関連の作品も大好き人間として声をあげておきたい。

この視点は珍しい。面白かった!

マリー・アントワネット王妃の朗読係という侍女の視点から1789年のフラ
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.8

コナンの映画、初鑑賞。何も知らない界隈からお邪魔しましたが冒頭の説明が丁寧でほぼ知った(気がする)ので大丈夫。

とは言え、初心者らしく疑問点が残ったので記録。

①あの子たち!小学1年生なの?夜中ま
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.8

私の美しさと、あなたの優しさは、人々の悪意を生み出すのよ…

美しすぎる女性(モニカ・ベルッチ様)と優しすぎる男(エミール・クストリッツァ)による愛の逃避行。監督自ら主演。

監督の作品『アンダーグラ
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プレタポルテ(1994年製作の映画)

5.0

プレタポルテ(高級既製服)。この時代のパリコレはまだサステナブルとかエコロジーとか関係なく豪華に贅沢三昧に振り切っている。そんなランウェイシーンも多くて大好きな作品。

パリのプレタポルテ協会会長のオ
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ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

4.2

鬱系ホラーと呼びたい。幻覚が鮮明すぎて現実と区別がつかない怖さを映像体験。音楽も死にそうな怖さでとても良い。

「貴女の夫が浮気してるわよ」という電話。普通は浮気相手からかかってくると思うけど電話の主
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汽車を見送る男(1953年製作の映画)

3.8

家族の為、会社の為、真面目に勤労奉仕してきた中年男性の悲哀溢れる良作。

タイトルの『汽車を見送る男』とは、自分もいつかあの汽車に乗りパリに行きたいと夢見ながら、踏切を超えて通勤する事から。

ある日
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

5.0

大好きなウェス・アンダーソン作品は本作も唯一無二の世界観。まるで美しい『動く絵本』のよう。

冒頭のシーンから、お得意のシンメトリーの構図がどこを切り取っても絵画のように完璧。細部まで丁寧に作り込んで
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青い体験(1973年製作の映画)

3.6

ラウラ様が完璧すぎる家政婦役。お色気たっぷりで、優しくて家事育児掃除洗濯完璧。思春期の男の子には堪らないだろうなぁと笑う。

イタリアの洋品店(仕立て屋?)一家の母が夫と三人の息子を残して病死。母は亡
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墨東綺譚(1992年製作の映画)

3.8

原作、永井荷風の同名小説。荷風の最高傑作との事。とはいえ娼婦との恋愛物語なので一人鑑賞案件。

津川雅彦さんが主人公の永井荷風。彼の語りで物語が展開。独り身の気楽さが捨てきれず、60歳目前でも最高の女
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鹿の王 ユナと約束の旅(2020年製作の映画)

4.5

素晴らしかった。原作の上橋菜穂子さんは文化人類学者で作家。『守り人』シリーズが大ヒット。あのテレビアニメ大好き。実写版ドラマ『精霊の守り人』は綾瀬はるかさんがクールビューティーで良かった。

そんな訳
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青髭(2009年製作の映画)

4.5

グリム童話、怖すぎて最高。原作と少し違う点もあるらしいが主題はそのまま。

禁忌を課せられた主人公が違反する事で絶体絶命の危機。好奇心への教訓はいつの時代にも当てはまる。

とわさんのおススメは私の好
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ユー・アー・ノット・マイ・マザー(2021年製作の映画)

2.5

アイルランドだから気になって観ましたが、りょーこさんのおっしゃる通り陰鬱なだけでした。

多くを語らずに余白が沁みる映画もあるけれど、これは普通に説明不足で意味不明。おばあちゃんの足の黄緑のグジュグジ
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ゼロ・コンタクト(2022年製作の映画)

3.8

タイトル通り、出演者同士が接触せずに撮った作品。コロナ禍という制限を逆手に取って面白い企画だと思う。

パソコンのモニター越しに集められた5人。彼らにどんな繋がりがあって、どんなミッションが課せられた
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愛をつづる詩(うた)(2004年製作の映画)

4.0

サリー・ポッター監督が"911”に触発され翌日から脚本を書いた渾身の作品。

前半部分は冷え切った夫婦の妻が偶然出会った男性と恋に堕ちる展開。普通に不倫モノかと思いきや…

彼女の出自、彼の過去や信条
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ドリアン・グレイの肖像(1945年製作の映画)

4.2

最近原作を読み、妄想が爆発する前に鑑賞。とても素晴らしかった!

とわさん、いつもありがとうございます!何から何まで最高でした。

原作の持つ貴族感が映像で確認でき、超絶美しくなければ成立しない主役の
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イビルアイ(2022年製作の映画)

2.8

監督の過去三作品と比較すると、今までの「他には無い魅力」がほとんど感じられなかった。

魔女のビジュアルは〇〇を脱いだところが良かった。魔女の目的や方法は既視感があった。

監督の次回作は、ちゃんと変
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.2

特に大事件が起こるわけではない、こういうヒューマンドラマが沁みる今日この頃。80年代のフランス、パリ。当時の街並みやファッション、今見ると超絶キュート。

特にあの林立するマンションの外観のデザインが
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トニー滝谷(2004年製作の映画)

4.2

20年も前なのに色褪せない作品。原作は村上春樹『レキシントンの幽霊』の中の短編のひとつ。前に既読。その世界観を損なうことなく美しい。すごく良かった。

特異な出自により孤独に慣れて孤独が平気なトニー滝
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スペースマン(2024年製作の映画)

3.8

アダム・サンドラーは何故か苦手だけど、これは良かった。静かなSFは好み。

時代背景は良く分からないけれど…
空に紫色の雲の集積物が現れた地球で、調査の為チェコが有人宇宙船を送り込む話。たった一人のミ
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M(1931年製作の映画)

3.8

フリッツ・ラングは本当に面白い映画ばかりなので期待値高めで鑑賞。

連続少女殺人事件…1930年代のドイツ。科学捜査がまだの頃は警察の捜査もなかなか進まず、ただひたすら市民生活を監視する状態に、犯人逮
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.8

初鑑賞。最近アクション映画はドキドキして苦手。これはコメディ寄りで、ふふふとなった。血飛沫はアニメ化されたりモノクロ化されたり優しいタランティーノ。

復讐劇。日本ネタ満載。大好きなルーシー・リュー様
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ボヴァリィ夫人(1933年製作の映画)

3.8

有名タイトルを初鑑賞。原作未読。ボヴァリィ夫人のイラっとする半生に女の業を感じる名作。

町医者ボヴァリィさん。病弱な妻が亡くなるとかねてから憎からず思っていた娘と再婚。新妻が可愛くて仕方ない。何でも
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.8

温かい気持ちで安心して観ていられる良作。大好きな世界観。美しい景色。

イタリアの丘の上の古書店。店主は隣のカフェの店員ニコラや、お店の常連客などと毎日穏やかに過ごしていた。ある日、移民の少年と出会い
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クレールの膝(1970年製作の映画)

4.0

エリック・ロメール監督作品の中でもかなり変態寄り。部分フェチのロリコン危険人物が、人助けの皮を被って期待通りに動く大変な作品。面白すぎました。

とわさんのおススメはいつも最高です。ありがとうございま
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.0

『ファーザー』の監督・脚本家の新作。

深く心が揺さぶられて、しばらくレビューできなかった。

妻子を捨て、若い妻と乳児と暮らす弁護士(ヒュー・ジャックマン)。元妻(ローラ・ダーン)と暮らす17歳の息
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美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

4.0

カンヌ映画祭で評価される作品はアカデミー賞よりも私好み。長尺でも飽きずに没入できた。

若い画家と若い妻マリアンヌ(エマニュエル・べアール)。ベテランの老画家(ミシェル・ピコリ)と永遠に美しい妻リズ(
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魂のジュリエッタ(1964年製作の映画)

4.0

フェリーニの妻ジュリエッタ・マシーナが役名もジュリエッタのまま、夫を愛し過ぎて壊れていく敬虔なキリスト教徒で真面目な妻。孤独になる事が不安という中年女性(共感)の心の闇が妄想になり現実との境目が曖昧。>>続きを読む

赤い砂漠(1964年製作の映画)

4.0

徹底的に病んでいる美女をひたすら眺める作品。ふわふわ揺れたりいきなり走ったり色々忙しくて目が離せない。

ジュリアーナ(モニカ・ヴィッティ様)はイタリアの工業地帯に技師の夫と幼稚園児の息子と暮らしてい
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.6

アガサ・クリスティ原作のミステリーは安定の面白さで人間ドラマも良かった。

娘が自殺した母親。彼女の屋敷で霊能者を呼び降霊術会が行われ、そこへ引退した名探偵ポアロ、馴染みの警部、ミステリー作家が参加。
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

大好きなアキ・カウリスマキ監督の最新作は「敗者三部作」にプラス1、あるいは「労働者三部作」にプラス1とでも言うような隅から隅までカウリスマキ節炸裂しており、ファン大満足の作品。

アル中の労働者くんが
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ディス・マジック・モーメント(2023年製作の映画)

4.0

ミニシアターでミニシアターについてのドキュメンタリー映画を観ました。

監督が日本全国のミニシアターを南から北へ移動しながら訪れて、そこの支配人や関係者にお話を聞くスタイル。

映画好きで運営している
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東京画(1985年製作の映画)

4.0

胸熱のドキュメンタリー。ヴィム・ヴェンダースの小津安二郎愛が溢れて大変。

小津作品に欠かせない笠智衆へのインタビュー、とても良かった。笠智衆は全て監督に言われたままに演技していたのだった。どんな細部
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アメリカ、家族のいる風景(2005年製作の映画)

4.5

大好きなヴィム・ヴェンダース作品の中でもこれはすごく好みだった。名優サム・シェパードが脚本・主演。素晴らしすぎる!

人気俳優だったが破天荒な振る舞いが多く、落ちぶれたハワード・スペンス(サム・シェパ
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アッシャー家の惨劇(1960年製作の映画)

3.0

エドガー・アラン・ポー原作。ジャケットの中にあれこれ書いてあることがほぼ全てだった。もし鑑賞するのならジャケットを拡大しないようにお気をつけください。

婚約者を迎えに来たイケメン。屋敷の前で執事に帰
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天使の影(1976年製作の映画)

4.0

ジャケットのシーンがとても印象的。ファスビンダーがシュミットと一緒に脚本書いているし、役者でも!

戦後ドイツのフランクフルト。ジャケットの女性は娼婦リリー(イングリット・カーフェン)。男はリリーの恋
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

鬱鬱とした気分になりたい時にぴったりのダーレン・アロノフスキー監督の最新作。

通常のぽっちゃりさんを遥かに超える大きな身体の男性の部屋の中だけで進行。元は舞台用の作品らしい。

辛い過去を語るのをほ
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