イツカさんの映画レビュー・感想・評価

イツカ

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嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)

4.0

再鑑賞。
なんとも豪華で、色彩豊かな世界観…。
松子がどんどん転落していく暗い話にもかかわらず、子気味良いテンポと音楽で、進んでいくから凄い。
生きることが下手な松子は、どこか的外れだけれど、一生懸命
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ザ・フェイス/誰だ!(2014年製作の映画)

3.7

ド派手なアクションと、途中ぶっ込まれるミュージカル的ダンスと歌、ツッコミ所は、数あれど、ラーム・チャランの卓越したアクションとダンスは圧巻。
いかんせん長かったので、前半途中で寝こけた…。もう無理かも
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世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

3.9

ヴェニスに死すを観て、タジオの美しさ以外記憶に残っていなかった為、その裏で、1人の少年の運命一変した事を考えたことはなかった。羨望と崇拝、大人達の欲望の渦に抗う術も持たないまま翻弄されていた事が痛々し>>続きを読む

ダニー・ザ・ドッグ(2005年製作の映画)

3.6

再鑑賞。ほぼ記憶になかった。
せっかくのジェット・リーだから、もう少し見応えのあるアクションシーンが欲しかったかなぁ。当時40越えていたのに、役柄的には20歳前後なのだけれど、流石の童顔、そこに違和感
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白河夜船(2015年製作の映画)

3.6

淡々と流れて行く日常に大きな変化がある訳ではないし、働きもせずだらだら寝て恋人に会って寝るを繰り返す。
ただ、寺子の内側に巣食う闇は大きく歪だ。社会からはみ出しても、好きな人に忠実であろうとすること、
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

3.7

年末、録画していたので観てみた。伝説と言われるだけあり、超有名ミュージシャン達がそれぞれ惜しみないパフォーマンスを繰り広げ、聞いたことのある曲も多く楽しく観れた。ジェイクとエルウッドの、行き当たりばっ>>続きを読む

歓びのトスカーナ(2016年製作の映画)

3.7

邦題がなんだかなぁ?とはよく思うが今作は特に残念なタイトル。ベアトリーチェは、実際にいたら、絶対に関わりたくないタイプ、ドナテッラはまだ共感できる部分も多いけれども…。全く正反対の2人でも、やり切れな>>続きを読む

かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

3.4

キッチンのすりガラスからこぼれる光だとか、細部までこだわりの感じられる映像。
15から16歳の揺れる動く心情描写も繊細…。好みの問題なのだろうけれど、薄い水彩画の綺麗な上澄みをすくいとったようで…。あ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.4

どうも、自分は、アリ・アスター監督とは、怖いと思う感覚が違うのかもしれない...。最終的にちょっと、笑ってしまっていたし。ただ、カメラワーク、美術などは、流石という他ない。
これは、ミッドサマーを観た
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.6

虚栄心のない人間など存在しないのは、理解出来る。だが、ジリ貧の生活から背を向けて、今日の食べる物にすら困っているのに、セレブ気取りなのは、しんどい。
以前はそれなりにいい暮らしをしていたのかもしれない
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.9

なかなか勇気が出ずに観れなかった1本…。
心が弱っている時に観てはいけない映画だった。覚悟はしていたが、それを超えてくる痛々しい展開。ビョークが夢想しながら歌うシーンは圧倒的で急に彼女が美しくなるから
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RRR(2022年製作の映画)

4.4

勧善懲悪、痛快活劇、問答無用で面白かった!絶対、映画館で観ろと友達に言われ、吹き替えの映画を小学生以来(多分)観にいった。細かいことを気にしている暇もないほど魅力的なカメラワーク、サウンドの嵐…。何故>>続きを読む

レディ・マクベス(2016年製作の映画)

3.5

国や時代によって、女性の立ち位置生き方には、大きな差がある。何不自由ない暮しの貴族の奥様となったキャサリンだけれど、外へ散歩に行くことすら禁じられる生活。抑圧された欲望が決壊した先には、悪女と呼ばれる>>続きを読む

金の国 水の国(2023年製作の映画)

3.9

おとぎ話の世界を素敵なアニメーションにした作品。
サーラのおっとりと優しい性格も、何故か江戸っ子のように話すナランバヤルのひょうひょうとした明るさも好感が持てる。
おとぎ話のような世界なのだけれど、こ
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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

4.0

ヤバいなー、とつぶやいてしまった。
苦くて甘くて酸っぱくて痺れるほどスパイシー!めちゃくちゃなようで芯のしっかりした凛々しさがある。
傷つけられ自分の性さえも失ったヘドウィグの生き様は、偏見も差別もぶ
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.2

壮大で心の奥から震えるような作品。
ドイツが東西に別れていたことが、何処か遠い昔のようにも感じるが、30数年前でしかない。
思想と政治が、ちぐはぐになり、国家として末期を迎えていた東ドイツ。灰色の装飾
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.8

冒頭のマッチ工場の様子、古ぼけた機械音からのイリスの無表情…。地味で質素な生活。家族は会話もなく、母と多分義父は、ずっとテレビの前にいるだけで、食事の世話まで、イリス。まだ、若いカティ・オウティネンの>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.8

老若男女関係なく、毎日、違う顔になるウジン、荒唐無稽な設定だが、丁寧なラブストーリーに作られていた。
運転免許、パスポートとかどうするの?とは思ったけれど、一旦、考えないことにする。イスを演じるハン・
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スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

3.7

人生において、本当に大切と思える人と出会い共に生きれるということが、どれほどの奇跡か知っている2人は、お互いがお互いを思い合ってる。髭面のコリン・ファースにはなかなか慣れなかったけれど、ふと見せる切な>>続きを読む

ガリーボーイ(2018年製作の映画)

3.8

インドのヒップホップは未知の世界だったが、結構ハマりそうな気がした。ムラドの暮らすスラム街や、家族構成、宗教についての説明がなかったので、設定を理解するまで戸惑うが…。インドでは圧倒的少数であろうイス>>続きを読む

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

3.7

とにかくボブが賢くて可愛い!
正直、これが完全なフィクションだったら、ご都合主義のストーリーにも思えるが、実話が元になってるから何も言えない。
そして見終わって、ボブを演じたのがボブ本人(?本猫)なこ
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明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)

3.6

アルゼンチンの片田舎で、オジサン達が奮闘する。
2000年代に入っての経済混乱、自分が知らないだけでこんな事態に陥っている国があったとは…。ここまで無茶苦茶なことを政府がやってしまたっら、何でもありも
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.2

かなりシビれた。
ドン引きするぐらい残虐な犯行を見せられているのに、阿部サダヲの演じる榛村の術中にはまってしまいそうな気持ちになって引き込まれる。
鬱屈した気持ちを抱えた雅也役の岡田健史くん、爽やかイ
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.6

ホラーだと言うなら、怖くはない…。完璧な家族を配信するティンヤの母親のろくでなしぶりに苛立つ。典型的な毒親中の毒親。その母親に期待に答えようとするティンヤの痛み孤独。色々気色悪いけれども、母親が1番狂>>続きを読む

モンテーニュ通りのカフェ(2006年製作の映画)

3.6

何が言いたいか、とても分かりやすい作品。安直さは否めないけれども、サクッと観れるので悪くはないような気がする。
ジェシカのお節介で空気の読めなさに、少しイラつくものの、この作品の中では好意的に捉えられ
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

4.1

ウディ・アレン自身が出演している彼の映画を観たことがなかったと今更気がついた。アルビーは、かなりアレン本人を思わせる設定で、皮肉屋で神経質なお喋りなユダヤ人、アニーは、独善的で言っていることは、ん?と>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.8

今までなんとなく、観たいと思いつつ観なかった映画。スペイン内戦後の争いの火種が燻る山中で、オフィリアはおとぎ話を信じるには、ギリギリの年齢に見えた。世の中の辛酸を舐め尽したような子供時代が彼女を空想の>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.6

マトリックスを3作観ていないと楽しめないのでは?とは思う内容。それはそれで、いいとして、モーフィアスが別の役者さんだったのは残念…。顔は似ていたが、なんかチャラくて、重厚感とカリスマ性がないし、あまり>>続きを読む

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.8

ドラマのその後の2人…。冒頭の京都旅行、日々の2人の暮らし、溢れる美味しい料理。
ほっこりとした気持ちになる。
好きだから言えない本音、相手を気遣っての勘違い。徐々に2人が恋人同士から家族になっていく
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.2

韓国の女性の生き方のプレゼンテーションを見せられているような気持ち。
女性であっても、自分の人生は己で切り開き選択できる、ただし、お金とキャリアは必須…。
面白いカメラワークのシーンもあったが、淡々と
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.5

あの時代の女性としては、かなり革新的な人であったんだろう。
だが、芸術と自由という概念に縛られて息苦しそうに見えた。その中で生まれたムーミンの世界。
同棲愛が罪となる社会で生きること、女性の芸術家が軽
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.5

クーパー・ホフマンが、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子ということ、ポール・トーマス・アンダーソンが監督という2点で観た。25歳のアラナが精神年齢低すぎで、どこがいいんだろう?ゲイリーは子役上がりの>>続きを読む

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)

3.9

フィンランドの豊かな自然が美しい。ミカ・カウリスマキ作り出す世界はシンプルだけれど、おおらかで優しい。傷を抱えながら人は生きていくし、人生の中で美味しい料理は幸せをくれる。料理は上手じゃないけど心優し>>続きを読む

アメリ(2001年製作の映画)

4.5

再鑑賞。
何度観てもいい!あのデリカッテセンの頃のグロテクスさを残したまま、可愛さとロマンティックを纏わせて作り上げられた世界観には、どっぷり浸ってしまう。
スパイスの調合が絶妙過ぎる。
不遇な幼少期
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.8

スケボが、不良の遊びという認識しかなかった90年代。人種も家庭環境もバラバラな少年達…。家庭が居心地がいい場所ならば子供は無理に大人にならなくてもいいが…。鬱屈した気持ちを板に載せて少年達は街を滑って>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.0

キューバ危機直後、冷戦只中の時代に、これ程皮肉の効いた映画が作れたことに驚く。今となっては笑い話で済むが、当時は実際起こってもおかしくない緊張状態…。
3役こなしたピーター・セラーズの熱演というか、怪
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