イツカ

善き人のためのソナタのイツカのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.2
壮大で心の奥から震えるような作品。
ドイツが東西に別れていたことが、何処か遠い昔のようにも感じるが、30数年前でしかない。
思想と政治が、ちぐはぐになり、国家として末期を迎えていた東ドイツ。灰色の装飾ない世界の中、ヴィースラーはまるで心を失ったロボットのよう。脚本家のゲオルクの部屋を盗聴するまでは…。氷が溶けるように彼の心の殻が溶け出すことで起きる波紋。静かで圧倒的に、人の中にある渇望と善意に訴えかけてくる。
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