イツカさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

イツカ

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うつせみ(2004年製作の映画)

3.9

静かでもの悲しい、主人公2人はほぼ、会話をしないのに、深く繋がりあって行く。
家庭とは?幸せとは?
心の底の部分をザラりとした触感で、触れられたような寒気と共に、皮肉にも安堵してしまったのは何故だろう
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ホテルローヤル(2020年製作の映画)

3.0

どんな小さな町でも、ラブホテルはあるものだと思う。寂れた北海道の田舎のラブホテル....。そういう場所は人の欲望や内底にあるものが吹き溜まる。ほとんどの人間が行う行為でありながら、羞恥の対象として見ら>>続きを読む

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

3.4

シャーリーズ・セロンが、かなりの増量をして臨んだ、たるんたるんのお腹周りや、疲れきった表情は切ない。
女の価値は、若いというだけで高くなりがちで、マーロ自身もそういう価値観を享受してきたのだりう。結婚
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.0

ストップモーションアニメで、これだけの大作、それだけでも凄いのに、なんというストーリー展開と面白さ…。
犬たちの悲哀と逞しく生き抜く姿、人間への複雑な思いが詰まっていて、素晴らしい。勇敢な少年アタリと
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.3

ワンカット、カメラを固定して、絶妙のアングルで撮影されているので、全く誰のものか分からないアルバムの写真を見つめていると、その写真の中の人達が動き出してくるような感覚になる。
多分、時代も場所も様々な
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

3.0

男女の間に、友情は成立するのか?という永遠のテーマがある。ないとは言えないが非常に難しいと思う。どちらかが友情だと感じていても相手に異性としての好意が生まれたら、そこは気持ちを隠さないと成立しない。>>続きを読む

AWAKE(2019年製作の映画)

3.9

正直、あまり期待をしていなかったのだけれど、ぐいぐい引き込まれてしまった。
実際にあったプロ棋士対AIの電王戦の伝説的な1戦をもとに作られていて...。
将棋もコンピュータプログラミングも、かなり地味
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

フランケンシュタインの映画に魅せられた、幼いアナの吸い込まれるような黒い瞳が印象的。
ビクトル・エリセ監督は多くを語らないのだと、マルメロの陽光でも感じていたが、映像は丁寧で、一つ一つ理解できるよう作
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

3.9

テレビシリーズから、一貫して美しい京アニらしい光や風の表現、設定背景キャラクターまで魅了され続けてきた作品の集大成。あの悲劇的な放火事件を乗り越えての映画化。
テレビシリーズの中で、戦争の武器と生きて
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処刑人(1999年製作の映画)

4.0

再鑑賞
やっぱり、最高にクールで痛快。ウォーキングデッドのノーマン・リーダスを最近見ていたので、若いなぁと。そして、ウィリアム・ディフォーの怪演も素敵すぎる。ちょっとプラトーンのオマージュ?的な場面も
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恋する遊園地(2020年製作の映画)

3.3

恋愛の対象が、人でなく無機物である場合もあるのだろう。実話を元に作られているし...(実際はエッフェル塔)
理解するのは難しいけれど、最終的に、ジャンボが可愛く見えた気もする。
キラキラとポップな感じ
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ウォールフラワー(2012年製作の映画)

3.4

レコードからCDへ移行する時代だから、80年代のアメリカということになるのかな?ドラマや映画で見る、アメリカの高校のカースト的序列って、本当にあるんだろうけれど、猿山以下のしょうもない価値観がはびこる>>続きを読む

ジュリエッタ(2016年製作の映画)

3.6

メロドラマ的なストーリーなのに、圧倒的な映像美で、宿命や愛の不条理みたいなものに置き換えてゆく、ペドロ・アルモドバルの力技に感服。
人は1人で生きていけるほど強くはなく、誰かを愛せば傷を負う。
親子で
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ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

3.7

最初、彼の弾き語る曲が、ちょっと女々しいなぁと思って観ていたけれど、2人で歌うようになってそういう気持ちが払拭された。本当に声質が合っているのだろう。
お金より、過去より、抱えている境遇の厳しさより、
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ロスト・チルドレン(1995年製作の映画)

3.7

再鑑賞
ジュネとキャロらしい、ダークな近未来的ゴシックファンタジー?
大人達は、みんなどこかいびつで欠けていて、不気味な世界で子供達の瞳が純粋さを映し出す。
子供の心のまま、屈強な体を持ったワンと、ま
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真白の恋(2015年製作の映画)

3.8

新雪のように、純粋な真白ちゃんが、初めて抱く感情、気恥しくて切なくてもどかしい。
運河があり海が見え、立山連峰まで見える小さな町は、美しく、小さな世界で精一杯生きてきたであろう彼女は素敵に映った。
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エイブのキッチンストーリー(2019年製作の映画)

3.9

家族というのは、1番小さな社会の単位だと教えられたことがある。正に、エイブの家の中で国際紛争が勃発していた。
エイブはユダヤ人の母方の家族もパレスチナ人の父方の家族も同じように大好きで、どちらの宗教や
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欲望の翼(1990年製作の映画)

3.7

1960年代の香港が舞台なので、その時代特有の雑多な街並みを期待していたけれど、そういうシーンはほぼなかった。
愛すべきクズ男をレスリー・チャンがチャーミングに演じていたのと、湿気が多く汗が張り付くよ
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

4.0

痛快、爽快、ある意味シンデレラストーリー?
窮屈な毎日をぶっ飛ばしてくれて、ぶっ飛んでるけれど、最高!
白々しく取り繕ったディナータイムなんか馬鹿げている。
自由に生きたらいい、自分らしくあれる場所で
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

2.8

じっとりと湿気の多い気味の悪さ。意味深なシーンは多いけれど、深読みするのも疲れそうで...。
これがエヴォリューションなのか、甚だ疑問。
ん〜、ん?うーん、とりあえず、お腹壊しそうな感じなので色々と。

ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

3.7

イギリスとフランスの間にあって、フランス寄りのガーンジー島、イギリス領。
とても美しいこの島も、戦争の犠牲になったのだと知った。
いつの時代も戦争は、人の人生を大きく狂わせる。それぞれが傷を抱えながら
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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

3.5

荒削りで悪趣味だけれど、とても愛のある映画。多分、インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアのパロディだと思うが、そちらを未だ観ていないのが、もったいなかったかもしれない。
タイカ・ワイティティが、数年後にジ
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.7

この21世紀に入っても、根強く残るインドのしきたりや貧富、身分の差に戸惑う。
同じ空間にいるのに全く別の世界を生きているような2人。
使用人は床でご飯を食べるもの?
原題のSir(サー)をラトナは何度
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私たちのハァハァ(2015年製作の映画)

3.5

今どきっぽいロードムービー。できれば、方言もリアルに使って欲しかったが、下手に喋られるよりもいいのか?
若くないとできない、あの熱量と無謀さ、暑い夏にクリープハイプの曲はよく似合う。

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.0

最初から最後まで、丁寧に、とても丁寧にどれだけの思いを込めて作られているのだろう?この作品は...。
心がかき乱されて、上手く言葉にできない。体の奥がキリキリと痛み、色々な感情が処理できていないけれど
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ブラザーズ・グリム(2005年製作の映画)

3.3

良くも悪くも、モンティ・パイソン時代の風味が残るテリー・ギリアム...、ちゃんと悪ふざけしてきた。個人的には、ヒース・レジャーが奥手の眼鏡男子を演じている所、ゲーム・オブ・スローンズの超冷酷ワガママ王>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

3.8

埃っぽく、寂れた団地、住みにくそうなそのドアの向こうには、それぞれの小さな孤独があって、諦めや小さなプライド、寂しさを持て余しながら生きている。ある日の出会いが、そんな日常に変化をもたらして、昨日と違>>続きを読む

永遠の僕たち(2011年製作の映画)

3.8

くすんだ色遣いの映像が、イーノック心の不安定さを増幅させる。
死というものが、いったい何なんなのか?悲しみ?痛み?喪失感か?では逝く側は?落とし所なんてあるのだろうか?そこにヒロシの存在は、救いとなる
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.6

子供は親を選べない...、にしても辛すぎる現実。そして、その傷は大人になっても引きずり、付き纏う。やりきれなさと悲しさでたまらなくなった。それでも人生は続いていくし、誰かの手を取り笑顔になれる日がある>>続きを読む

マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

3.6

賢いキャリーの、ツンツンとんがって不器用な所がなんとも可愛いく、いい具合にしょっぱかった。どんなにIQが高くても、泳ぎ方を知らないと溺れてしまう。プライドが高いと助けは求められない。あの年頃特有の、屈>>続きを読む

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

3.6

狭い管理された空間で決められた作業をこなすだけの日々はきっと虚しい...。観ている間、失敗するんじゃないかとビクビクしていた私の方が、臆病で不健全なのかもしれないと感じた。人は、どこかしらイカれてるも>>続きを読む

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.8

犬で泣かされる感じのものは、避けたいと思いつつ観たら、泣いてしまった。ラッセ・ハルストレムは、本当に犬好きなんだろうなぁと、実感。大型犬とコーギーの時の目線の高さが違うあたりは、流石だ。大切なことは本>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

色が好きだと、冒頭10分で虜になった。可愛くデコレートされたバタークリームをたっぷり塗って仕上がったケーキを頬張りながら、とても高価なドールハウスで遊んでいるような時間は、贅沢で高カロリーな所が魅惑的>>続きを読む

お名前はアドルフ?(2018年製作の映画)

3.3

余裕のある中流家庭の夕食会、そこで繰り広げられる会話劇。ドイツの文化や時事ネタを理解していれば、もう少し笑えたかと思う。アドルフは、なんとなくタブーな名前なのは察していたけれど、それが引き金となって、>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.5

ドラマが好きで、その後の話という事で期待が大きかった。ドラマを観ていなかった人には分かりづらいのでは?と...。物凄い熱量と、ぶっ飛んだ真っ直ぐさは、健在だけれど、内容がハードで、観終わってどっと疲れ>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

少し頑固だけれど、優しくて真っ直ぐなダニエル。困っている人や隣人には、なんの躊躇もなく手を差し伸べる...。自分に余裕があるなら容易いけれど、追い詰められた状況でそれはとても難しい。社会的弱者を助ける>>続きを読む