毛玉さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

コロンバス(2017年製作の映画)

4.1

対称性な中に非対称性を持ったモダニズム建築の町コロンバスで出会う少女と男性のヒーリングムービー。

韓国系アメリカ人のジンと、コロンバスで生まれ育ったケイシーは、お互いにどこか疲れていました。その理由
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

4.0

王室の向ける愛の形がプレッシャーとなり、どんどん押しつぶされていくダイアナ王妃のクリスマスを追いかけた作品でした。
ことあるごとに周囲に「私はどう見える?」と聞く彼女の顔の悲しげなことよ…。映画の9割
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ゾンビランド(2009年製作の映画)

4.3

ゾンビが好きなやつ!
不謹慎ギャグが好きなやつ!
ていうか孤独なそこのお前!
絶対楽しめるテーマパークがゾンビランドです!

家族と疎遠、大学寮でひとりぼっちの主人公がサバイブしているのは、ゾンビウィ
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.2

105分のキレ!
人物紹介とトリックの謎が同時進行で説明されるので、全く冗長にならずに最後まで集中できました。
むしろ、詩的なドラマや感動的な展開も説明ベースの早足気味のスピードで語られるため、感情に
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.3

残酷な映画だなあ…。
本作を見て1番最初に思ったのはそれです。

なんで自分なりの恋愛をしているだけで、こんなにも登場人物たちが悪者ばっかりに見えるのか。
たぶん、人物配置が絶妙だからなんでしょうね。
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初恋ロスタイム(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

好きなティーンラブ感
好きなSF感
好きなひっくり返り感

主人公が浪人生で、頑張ることを諦めてやる気を出さない人間。その主人公が時間の止まった世界で出会うのが、距離感が近くてドキッとさせる発言も言え
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アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

4.3

初めて見ました。
公開当時に見ておくべきだったと、後悔しました。

見終わる頃にはめちゃくちゃに楽しんでいました。
強すぎる大佐にターミネーターを感じて笑い、歩行兵器にエイリアンを感じて笑い(見た瞬間
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.2

癒しの70分でした。

監督の前監督作『燃ゆる女の肖像』では静かかつ情熱的な女性たちの姿を描写していましたが、本作はガラッと雰囲気が変わっていました。
登場人物がそれぞれに抱える喪失や後悔を、森の奥で
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.2

こころ、ほぐされました

お風呂に浸かり、ほかほかのご飯を食べて、野菜を愛でて、お隣さんと交流する。
本作では、インスタグラムの中にある豊かさとは全く正反対の、禅の世界にあるような豊かさを見せてくれま
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

3.7

八百万の神的な存在によって、人々の思い出の詰まった場所を擬人化。
それによって、少年少女たちの心のぶつかり合いだけでなく、思い出の場所からの卒業を描いていました。
ダイナミックな設定を美しいアニメーシ
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.4

ゆるくてヒリヒリした銭湯の裏家業

町の古びた銭湯は、閉店後に殺し屋がターゲットを連れてきて処理する場所になっていた。
開店までに血を洗い、焼却炉で死体を燃やす。その仕事で疲れたら、死体を燃やして沸か
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君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

4.0

この名前を呼んでいいのは、あなただけ。

『Call me by your name』を髣髴とさせる英題の本作は、さまざまな形で家族や自分自身についての深刻な悩みを抱えて生きている高校生たちの群像劇で
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Daughters(2020年製作の映画)

3.7

中目黒でシェアハウスをしている小春と彩乃。
小春の妊娠がわかった時、これまで衝突することのなかった2人が、初めて向き合うことになります。

全体的にCMやPR動画のようなおしゃれな映像で、監督のこだわ
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.5

どうやったらこんな映像が撮れるのか分からん…。
奇跡みたいな愛おしい瞬間の連続で、全編ニッコニコでしたわ。

見終わった後、シンプルに「良いもん見たなあ〜」と思えました。
フランス映画の苦手な部分とし
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喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

4.1

とにかく口の悪い水川あさみと、とにかくセックスがしたい濱田岳が、喧嘩しながら腐れ縁のような愛情を確かめていくお話でした。

水川あさみが作った料理に、
濱田岳「おいしいねぇこれ」
水川あさみ「おいしい
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ソワレ(2020年製作の映画)

4.1

和歌山の美しい田舎の中を逃げる男女。
人生に希望もなく、孤独ながらもなんとか生きている2人は、お互いの境遇を重ねながら仲を深めていきます。
孤独な2人は、孤独から救われたのか。
彼女の言動が一本の線で
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ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

4.3

今まで見たウェス・アンダーソンの中で1番ドラマを感じた!

脚本のノア・バームバックのおかげか、ロマンスとファミリーに関するドラマが濃かった気がします。映像が他の監督作に比べてウェス感薄めで、全てを支
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

画家、お嬢様、女中、奥様
ほぼこの4人しか登場しない孤島のお館を舞台に、美しすぎる絵画的ショットと支配されなかった女性たちの愛情が刻まれた2時間でした!
映画館で見たかった!

Netflixで配信が
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.2

夫の事故死、過酷なパートタイム、かさばる出費、コロナ…。
生きづらさや理不尽さ、他人からの悪意を感じている人にぶっささる尾野真知子さんの演技が爆発していました!

関わった人間から「あなたおかしいです
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.9

デビッド・リーチとブラッド・ピットが遊び放題やってる!
ガイ・リッチー映画のような群像劇×伏線回収の楽しさもありつつ、デビッド・リーチとブラッド・ピットにゆかりのあるメンバーがとんでもジャパンを舞台に
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くれなずめ(2021年製作の映画)

4.1

6人の中の吉尾は面白いやつだった…!

超実力派の若手6人が、高校時代から現在までの12年を振り返りながら、馬鹿騒ぎして、ノスタルジーに浸って、また思い出し笑いをする…。その様子がとても愛おしかった!
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フェイス/オフ(1997年製作の映画)

3.9

ニコラス・ケイジのフェイスが大暴れ

ケイジに息子を殺された熱血刑事のトラボルタが、長年をかけて追い続けてきたケイジを追い詰める!
ケイジが仕掛けたテロ兵器のロックを解除するため、トラボルタはケイジの
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アジアの天使(2021年製作の映画)

4.0

韓国のきょうだいと日本の兄弟と男の子の6人が、言葉も国境もいらない家族になるまで。

男性女性女性の韓国のきょうだいには両親がおらず、長女と長男が母と父のようになっています。男性男性の日本の兄弟には明
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

東京のお金持ちの娘↔︎地方の一般家庭の娘
この2人が出会い、少し豊かな人生を歩み出すまでの物語でした。

本作の好きだったところは
・俳優陣の演技
・対比の美しさ
・たっぷりと間をとった演出
引っかか
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家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。(2018年製作の映画)

4.1

もはや捻くれてるとも思える行動派の妻の死んだふり大喜利が楽しい!
夫・安田顕のちょーどよくくたびれた面白いオジサン感がめちゃくちゃハマってました。


幼い頃から文学が好きだった妻は、結婚3年目のその
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

ジョーダン・ピールらしからぬアツい一本でした!

“らしからぬ”と言ってもまだ名作『ゲットアウト』を見られていないのですが…。
『アス』を見た時に感じたメッセージ性の高さと、説得力のある設定が魅力的だ
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

4.2

浅野いにお独特の鋭利さと青臭さが、とても良い劇伴と等身大な役者さんたちの演技のおかげで解像度爆上がりでした!

断片的にしか浅野いにお作品に触れたことのない、浅野いにおシロウトの僕ですが、オープニング
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