satoshiさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.3

 愛犬の復讐から始まったジョン・ウィックの地獄巡りも、本作で遂に完結。本作ではジョンは世界各国を回り、いつもの肉体を酷使した限界アクションを繰り広げる。アクションはいつも通り撮影や殺陣の組み立て、そし>>続きを読む

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.7

 山田洋次監督の映画は何が遺作になるか分からないので、新作は見るようにしています。前作『キネマの神様』は酷い映画だったのですが、本作はなかなか良かったです。その最大の要因は、本作が『男はつらいよ』だっ>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

3.8

 NETFILXオリジナルアニメ。非常に現代的なファンタジー映画。現代的というのは、本作が多様性を踏まえた映画のため。マイノリティへの偏見と差別を乗り越え、お互いに理解し合うことで理想の世界を作ってい>>続きを読む

劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023年製作の映画)

3.6

 『新宿プライベート・アイズ』で蘇った「シティーハンター」。本作は、アニメではほとんどその存在が無かったことにされていたユニオン・テオーペ及びエンジェル・ダストにフォーカスし、アニメ版「シティーハンタ>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.6

 初のビクトル・エリセ。当時のスペインの検閲の関係もあったのかもしれないけど、本当に必要最低限の説明もなく、ただアナの日常を描写していく。この描写が凄くて、どこまでが演技か分からず、自然。「子供の体験>>続きを読む

PATHAAN/パターン(2023年製作の映画)

3.8

 豪快なインド発のアクション映画。一応内容としては特殊工作員ものになるかと思うが、トンデモアクションが続く。『ミッション・インポッシブル』的なケイパーものを壮大なスケールでやったり、『サーホー』にも出>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.3

 岡田磨里の脚本&監督作2作目。制作は前作の『さよならの朝に約束の花をかざろう』から変更になりMAPPAとなったものの、基本的なスタッフは同じ。キャラクターデザインは石井百合子さんだし、美術は東地和生>>続きを読む

春に散る(2023年製作の映画)

3.8

 瀬々敬久監督なので一応見た。脚本はオーソドックスなボクシング映画であり、老いた人間と若者の「生き方」の話で、正直新鮮味はない。ぶっちゃけ、ほとんど「あしたのジョー」。しかし、ひたすらに役者がいい。特>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

 本作は、「アステロイド・シティ」という架空の舞台劇の製作舞台裏を取り扱ったドキュメンタリーという、前作『フレンチ・ディスパッチ』同様、非常に複雑な入れ子構造映画になってる。

 ウェス・アンダーソン
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.7

【監督特集 宮崎駿】

 久しぶりに見た。宮崎駿が、自身に感じている矛盾をさらけ出した映画。堀越二郎は宮﨑駿であり、多大な犠牲を払っても、作りたいものを作らずにはいられない業を描く。時代は戦中で、「生
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SAND LAND(2023年製作の映画)

3.7

 鳥山明が「ドラゴンボール」終了後に発表した短期集中連載作品の映画化。原作をこの機に読んだうえで鑑賞しました。

 本作は舞台設定は架空だけど、ミリタリー描写はリアル。そしてそこに「悪魔」というファン
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.8

 GENERATIONSに欠片も興味は無いけど、評判が良いので鑑賞。そしたら久々に映画館で「ちゃんと怖いJホラー」を見ることができて、大満足でした。

 話自体はオーソドックスで、とある少女の怨念がこ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.4

 「肉体の変化/進化」を描いてきたボディホラーの巨匠、デヴィッド・クローネンバーグの最新作は、肉体へのフェティシズムが全開になった超ド変態映画でした(歓喜)。

 肉体が進化し、人々が痛みを感じず、感
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

2.2

 期待はしていた。最近の東映は『孤狼の血』で往年の東映映画を復活させたり、アニメーション映画でも成功を収め、乗りに乗っている。まぁ『レジェンド&バタフライ』はアレだったが、本作も予告見る限りでは頑張っ>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

4.2

 クリス・ヘムズワースのフィジカルを活かしまくった最先端長回しアクション映画の続編。本作は序盤で約30分くらいの長回しアクションを見せてくれる。また、その他のアクションも空間の使い方、アクションの組み>>続きを読む

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.7

 レザーフェイスがとてもかわいい。シリアルキラーではあるんだけど、殺害状況が「家に見知らぬ人が入ってきて驚いて殺しちゃった」な感じのため、殺害シーンが妙に笑える。サディストの親父と兄貴にいびられてると>>続きを読む

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

1.6

 これは酷かった。映画の出来云々よりも、作り手のメッセージに絶望した。以下、感想を書く。

 本作はシリーズ初の3DCGということで、これまでの作品とは違った味わいがあるのは事実。しかし、これは逆効果
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バービー(2023年製作の映画)

4.2

 日本と韓国以外で大ヒット中の作品。監督はグレタ・ガーウィグ、脚本はノア・バームバックの夫婦共同作業映画。主演及びプロデューサーはマーゴット・ロビーで、共演はライアン・ゴズリング。この現代ハリウッド最>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.2

 ピクサー最新作。監督は『アーロと少年』のピーター・ソーン。コロナ禍以降、興行的に不振だったピクサー作品としては久しぶりのヒット作となっている。いや良かった。

 「エレメント」の世界観がとてもいい。
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カールじいさんのデート(2023年製作の映画)

3.7

 カールじいさんがデートをすることになり、その準備に四苦八苦する姿を描くショートアニメ。実は私は『カールじいさんの空飛ぶ家』と見ていない!でも、カールじいさんが前向きに生きてるのを見て、何かいいなと思>>続きを読む

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

4.3

 『誓いのフィナーレ』以来、実に4年ぶりの続編。劇場上映してるけど、本作は特別編ということで、別に映画というわけではない。それでも、シリーズを1期からリアルタイムで追ってる人間なので見ないという選択は>>続きを読む

トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.4

 「トランスフォーマー」にはそんなに思入れはないけど「ビーストウォーズ」は直撃世代な私です(とはいえ見てたのは幼児の頃なのでそんな覚えてないけど)。本作で遂にビースト戦士が合流!『バンブルビー』も好き>>続きを読む

タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.7

 午前十時の映画祭にて。ビルで発生した火災がどんどん大きくなり、人々が逃げ惑うパニック映画の金字塔。本当にビルを建て、燃やし、エキストラを大量に配し、最後は大量の水を放出する。往年のハリウッド映画の力>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.3

 大友克洋の『童夢』にインスピレーションを受けたという映画。監督は『テルマ』『わたしは最悪』で脚本を務めたエスキル・フォクト。団地が舞台、少年少女が超能力に目覚める、悪意ある存在が執拗に主人公を付け狙>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.3

 「映画はアクションやってなんぼ!ストーリー?知らん!!」を前作以上に突き詰めた快(怪?)作。本作において、ストーリーはほとんど無いに等しい。いや、一応、AIが敵ということで、今ハリウッドで起こってい>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

 思春期のときにずっと友達だった人に辛く当たってしまうことがあります。本作のレオのように、ずっとレミと一緒であることをクラスメイトにからかわれ、嫌だから距離を置く。しかし、レミはそこを理解してくれなく>>続きを読む

王と鳥(1980年製作の映画)

3.2

 見たことなかったので急遽見た。理由は察してください(笑)。宮﨑・高畑に大きな影響を与えた、ということで、見てなるほどと思った。宮﨑駿に至っては、『カリオストロの城』でモロパクリしている箇所がいくつも>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.8

 映画は現実の社会問題や個人の悩みに対し、1つの回答をくれる。そこには個人にとって癒しだったり、救いがあります。しかし、映画は、その逆、「最悪」を描くこともできます。本作はまさしく、「最悪」を描く映画>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.2

 ポール・シュレイダー脚本・監督作。1人罪を背負い、苦悩の中、ただカードカウンティングをして生きている男が、その罪を償うため、最後にカチコミをかけ、少しだけ救済を得る物語。『タクシー・ドライバー』はも>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.4

 監督が『オーヴァーロード』の人なので気になったから鑑賞。大変景気のいいホラーアクション映画でした。

 実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父の回顧録を原作にしている本作ですが、多分だいぶ話
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 「僕はこう生きた。僕は少しだけ世界に痕跡を遺した。しかし、僕が遺したものを継承する必要はない。あなたたちは好きに生きなさい」

 話自体は非常にシンプル。「大本」とされている「失われたものたちの本」
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

3.9

【監督特集28 宮崎駿】

ちょっとコメントに困る宮崎駿作品。あれだけ自然と人間の終わらない確執を描いていた宮崎監督が、子どもとはいえこの2つを共生できるようなエンドにしたことにちょっとした感動を覚え
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

3.8

【監督特集29 宮崎駿】

このあたりから話がメチャクチャになる。特に後半なんて、監督の頭の中のイメージや設定を見せられている気持ちにすらなる。しかし、ソフィーが事あるごとに「老い」を意識した台詞を言
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.3

 前作の『X』同様、ミア・ゴス無双映画。本作では、前作で主人公一行を襲ったパールが何故あのようなシリアル・キラーになったのかが描かれる。前作で示されたとおり、本作のパールは前作主人公の映し鏡であり、同>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.6

 見て思ったのは、『インディ・ジョーンズ』というシリーズは、スピルバーグのシリーズだったんだな、ということだった。本作でもシリーズのお約束や、ジェットコースターのように連続するアクションをやってはいる>>続きを読む

紅の豚(1992年製作の映画)

4.2

【監督特集29 宮崎駿】

 「男って、本当に馬鹿」という感じの話で、宮崎駿の自意識が過剰に出てしまっている作品(豚(=宮崎駿自身)に、わざわざ森山周一郎をキャスティングし、美女と美少女に想いを抱かれ
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