まぬままおまさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白い会話劇。
と思えるのも、私が男性ジェンダーを自認しているからだと思うし、なんだか笑っていられないなとも感じてしまった。前文は、本稿を書き終えた後に加筆したもので、以下の文章はそのこ
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

3人の女性がいる。求職中の中年の知珠とガスの検針員の早苗、大切な人を亡くした大学生の夏。3人の様子や状況をみていれば、人生は単線的な時間で進まないことがよく分かる。中年になったら人生が「終わった」わけ>>続きを読む

舟を編む(2013年製作の映画)

5.0

大傑作です。なぜみてなかったのか、いや多分、いま観なければいけなかったんだと思う。

ドイツ語のBerufとしての仕事を、これが天命だと人生をかけてやりたいことを見つけないといけないですね。それが
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

4.0

遺言が『奇妙な戦争』の予告とはどういうことなんですか。本編無き/亡き予告。奇妙すぎる。
でもゴダールはきっと遺言として本作をつくってはいないし、残された者が勝手に徴付けただけだ。しかしリテラルに本作
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.5

祝・山崎貴監督。
アカデミー賞は「田舎者の年中行事」であり祭りなんだから、カンヌの方が大事とか言わずに純粋に祝いたい。

ということで、本作。『ゴジラ-1.0』で浜辺美波がキャスティングされたの
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ミュンヒハウゼン男爵の幻覚(1911年製作の映画)

4.0

ジョルジュ・メリエス監督作品。
Youtubeからみれます(https://youtu.be/ZCmaAfAdVpA?si=lriQvLcop8LlTD1w )。

映画黎明期において、舞台装置
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ナルヴィックのヘアパーラー(2021年製作の映画)

-

ブリリア短編。

第二次世界大戦の最中、ノルウェー・ナルヴィックにあるヘアパーラー屋の娘として生まれたアナの実話に基づく物語。

大学への入学通知をもらっても、戦争状態であれば進学は容易ではな
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忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.5

ルイス・ブニュエル監督作品。

忘れられた人々=私たちがみなくなった人々

戦争が忘れられない50年代の人々の現実。スラム街に生きる子どもは教育もまともに受けられず、親からの愛はもらえないし、
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人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)

5.0

桐生と玉ノ井テアトルが私で接続される。
その喜びはきっと私だけだと思うが、チベットに見間違えられる荒涼の地であんなドラマが起こっていたとは…感動です。

さて、小津なんです。私も意味が分からない
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

4.0

「ランティモス映画は教育によろしい」という暴論は私の持論なのだが、ランティモスに教育をさせるのはダメなのがよく分かる本作。これは犬に大変失礼だが、犬も手懐けられない父が子どもをしつけようとしたら、軟禁>>続きを読む

ラヂオの時間(1997年製作の映画)

4.0

三谷幸喜監督作品。
何という傑作…!ワンシチュエーションコメディーでこんなに面白い作品がつくれるとは。

ただ本作を単なる娯楽作品として消費すればいい現在ではない。某テレビドラマで出版会社とテレ
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

4.5

手が触れると悲しくなるときがある。

強張った感触を得れば、〈あなた〉の声は美辞麗句を並べただけで、〈私〉を許してないことが分かるし、安心の感触はその柔らかさと共に〈あなた〉との隔たりを自覚させる
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

「ママ、きがへんになりそうです。」

私がへんになりました。
終わってほしいところで終わってくれない気持ち悪さが二度襲ってきて最高でしたね。

初期短編の『Beau』をみていて、主人公像とか
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The Strange Thing About the Johnsons(原題)(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アリ・アスター監督の卒業制作作品。

アフリカ系の親子の近親相姦ですか…しかも父と息子という…

結婚もして世間体はいい息子と性愛を向けられる父。父は息子にも母にも世間にも悩みが言えず、小説で
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マックス(2019年製作の映画)

-

ブリリア短編。

人権意識が高いフランスであっても、パリ郊外に行ったり、労働者階級になればそうとは言えない状況がある。自動車整備業なんて典型的な男社会であり、下ネタは飛び交うわ、更衣室はトイレと一
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悪魔がはらわたでいけにえで私(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

宇賀那監督の短編『往訪』を長編化させた本作。

うーん。いいんじゃないですかね…
現代の日本でバイオレンス・ホラーをやるとこうなるというか。

この世界はすでに狂っているし、人は減ってショッ
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往訪(2022年製作の映画)

-

そうたの生存が分かったのなら、帰ればいいんじゃない?それに尽きてしまうのだが、シュールさだったり、血や虫でぐちゃぐちゃにしたかったんだろうな〜

なお2022年鑑賞済みです。

ヘルレイザー4(1996年製作の映画)

3.5

ターミネーターのパクr…(ここで地球との連絡が途絶える)

監督が「アラン・スミシー」で納得というか、ヘルレイザーの魂が引き裂かれている。
勝手な妄想だが、「現在の地球にはすでに地獄が実在するか
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ヘルレイザー3(1992年製作の映画)

4.0

2が傑作であるのは聞いていたから全く期待していなかったけど、3もいいじゃないですか…
物語内容については後述するが、街をぶっ壊したり、クローネンバーグの『ヴィデオドローム』をやりたかったんだろうなと
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ヘルレイザー2(1988年製作の映画)

4.1

続編が面白いのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』しか認めてなかったのですが、本作も素晴らしい!
それは前作が大ヒットして制作費が潤沢にあるから美術やセットに多がk…
おっと、セノバイトがきていま
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ヘル・レイザー(1987年製作の映画)

-

自宅で1→2→3→劇場で2→1→4というピンヘッドもドン引きな観賞経験をしてしまった。
けれど地獄を劇場でみるのは素晴らしいことだったから後悔はしていない。

ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.0

「呼ばれて来たぞ」
こわいです。

恐怖の「つくりかた」が本当に上手いし凄いし恐ろしいし素晴らしい。
人間の身体を獲得する前のフランクの造形とかどうやってるんですか。
しかも家はぶっ壊される
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おべんとう(2016年製作の映画)

-

ブリリア短編。

お弁当の映像イメージと〈声〉の音声イメージによって、お弁当が詰められ食べられる市井の人の物語が展開されると最初のシークエンスで期待していたが、その後の物語は凡庸なイメージとなって
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ユキの異常な体質 / または僕はどれほどお金がほしいか(2017年製作の映画)

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ブリリア短編。

芹澤興人、素晴らしいな…こんな役者はいないですよ。
芹澤さん出演作品で一番好きなのは、今泉力哉監督の『最低』である。この時の、修羅場の芹澤さんの表情が最高なんですが、本作もどう
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インディアナとアーシバルド(2020年製作の映画)

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ブリリア短編。

動作の反復運動。

アーシバルドは、極度の臆病と不信感のために他人の手の動きを自身と同じにできる特殊能力を持っている。それにより、クラスメイトの鼻をほじらせたり、映画館で皆の
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Here(2023年製作の映画)

4.8

私が思ったのはリゾームだった。

それはエンドクレジットに象徴的である。スクリーンという一面に名前が羅列され、役割がポコポコと浮上する。ここでは主演や監督が特権的な地位を占めることはない。中心がな
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

バス・ドゥヴォス監督作品。

不可視の存在を覗くこと。

冒頭、部屋を捉えるショットに詩が流れ込む。
「…(略)…赤の他人が この部屋に入ってきたら その人は何を見て何を聞くだろう」
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スローンはネックフェイスに恋する(2020年製作の映画)

-

ブリリア短編。

グラフィティアーティストのネックフェイスと彼に恋するスローンの恋文のやり取り。

全編ナレーションで恋文に載せた彼らの心情が語られる。その中で語る主体と書き手の主体が相違する
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

3.5

『首』をみた後にみるとやってることが変わらないと思ってしまう。

どいつもこいつも狂ってる。
銃をぶっ放し、監禁して、暴力を振るったり、法を逸脱しているのは警察もヤクザも一緒。そこに友敵はあろう
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バービー(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

本作をみてジェンダー不平等の現実を感知して、エンパワーメントされた経験は何にも代え難い。これほど多くの人々に観賞された事実も大きな意義があると思う。

しかし本作をみて、現代の問題が的確に描写され
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東京画(1985年製作の映画)

4.0

ヴィム・ヴェンダース監督作品。

ヴェンダースが1983年にカメラで捉えた東京の画=イメージ。それは小津作品をみてイメージしていた東京とは全く異なるだろう。

花見のサラリーマン、パチンコ、タ
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アリスとひまわり(2022年製作の映画)

3.5

ブリリア短編。

ルックがとてもいい…これこそエモーショナルさだ。

レマン湖での母とのバカンスに退屈しているアリス。彼女がひまわり畑に行くと、ザックと出会って、仲良くなって。

以下、ネ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.5

アリ・アスター監督作品。

『ボーはおそれている』を観に行きたく無くなるぐらい気持ち悪い作品でした(好き)!
ひとりで行きたくないけれど、こわがっているのみられたくないからひとりで行きたい。
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Munchausen(原題)(2013年製作の映画)

4.0

アリ・アスター短編作品。Youtubeで視聴できます(https://youtu.be/G9Rxu5uW41Q?si=DhoAZhqBjjVEe7Dj )。
セリフが一切ないから全くみるのに問題ない
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Beau(原題)(2011年製作の映画)

4.0

ボーのために。

アリ・アスターの初期短編作品!おそらく『ボーはおそれている』とは全く無関係だが、とてつもなく面白い。

自主制作であろう短編なのだが、スーツケースに荷物を入れるカットでは、ア
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カナダでの暮らし(2023年製作の映画)

-

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

これにて短編作品を全部みることができました。ベスト3をコメントに載せたいと思います。

さて、本作。

レズビアンの主
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