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個人的流れたら嬉しい曲四選。
カチューシャ、ドナウ川のさざなみ、美しき天然、そしてオールド・ラング・サインこと“蛍の光”。
これが私の映画の原風景。クリスマス・キャロルの派生だと思うけど、お爺さん天>>続きを読む
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家族に流れる血と傷口から噴き出す血、それは石油の物語。
偽りの血によって繋がれた親子と兄弟、ためらう事なく裏切った弟もどきを撃ち殺す非情さを持つ彼なら息子に浴びせた言葉も本音なのではと思う、と同時に>>続きを読む
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片腕は不自由で義眼を嵌めた父親と彼を甲斐甲斐しく世話をする娘、そして物食べぬ一頭の馬車馬の暮らし。日々繰り返す着替えと水汲みと馬の世話と食事とをジャンヌ・ディエルマンのように追いかける。馬は走らず、井>>続きを読む
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工場で量産される車、無機質で無個性である表現のようだけどこの作品に登場する車はちょっと個性的。せかせかと走り回る広報の黄色い車やのんびりと休み休み走る輸送車、ワイパーの動きも速さもみんな違う。なのに乗>>続きを読む
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アントニオーニの情事よろしく崖の上から姿をくらました今木草子。
目が眩むほどのノスタルジーをまき散らす8mmフィルムの映像と全体を支配する死の香り、思い出を色づけるのも日常に影を落とすのも全て国木田>>続きを読む
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このジャケット…「フリークスも人間も」が大好きなので見ましたが、そうでなければ絶対に見なかったであろう作品。あの奇妙さを期待してみたからちょっと肩透かしだけど、重厚で一発が重いガンアクションはアメリカ>>続きを読む
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あまりにも監督が時間と予算を注ぎ込み、作品に入れ込みすぎたために国から制作中止を告げられたという曰く付きの作品で、冒頭の注意書きからまさにメトロポリス。カメラへ向けられた視線と汚泥、他の惑星の出来事に>>続きを読む
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あぁ、なんかこれ見たことあるなぁ…なんて思いながら見ていたけど、日本の時代劇からコラージュして作ったようなお祭りムービーのようだった。心中天網島と河内山宗俊をベースに楢山節考、徳川女刑罰絵巻、恐怖奇形>>続きを読む
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暗黒迷画座から。
シャブの暴力性と多幸感と依存性とその行く末を一人の男の人生を通して見事に描いた作品。3時間近くの長さを微塵も感じることなく尋常じゃないテンションで終盤まで駆け抜ける。健康志向のシャ>>続きを読む
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OPでフレッド・アステア出てきそうだなぁと思ったらミュージカル作品でびっくり。「素晴らしき哉、人生!」+「若草の頃」のような作りで、両方とも大好きな私としては十分楽しめた。お金よりも大切なこと…古き良>>続きを読む
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切り刻んだ時系列をコラージュして繋ぐ…なんてサイケデリックなんでしょうか。フーテン達とのドラッグパーティのビデオなど視覚的には文句つけようがありませんが、音楽に左右の揺れが欲しかった。繰り返し流れるか>>続きを読む
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都会的なイメージのあるジャームッシュだったけど刑務所と自然がほとんどで完全に誤解してた。この手の突然展開する変な作品は一度ハマるとなんてことのない場面でもニヤついてしまう。前作はカット毎に癖のある間が>>続きを読む
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クストリッツァのSUPER8と違い結構演出してる感じのドキュメンタリー。楽譜などなく身体で覚えるロマの音楽は技巧だけでなく誇りや精神も受け継がれている。ロマ音楽と言ってもブラスもあればフィドル、ギター>>続きを読む
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ちょっと苦手意識のある画面ブレブレの社会派セミドキュメンタリー作品ではあるけれど、登場人物を対比させ表情や行動、その顛末を通して人々の行く末を想像させるように作られていたのでとても面白く見られた。一発>>続きを読む
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甘いアレンジのクラシック音楽と黄、紫、緑を基調に華やかな色彩や陰影に目と心を奪われた。救いはあれども傲慢な人間の命と誠実な人間の命の重さ、希望をもたせることの残酷さなど結構重い。豊穣を願う祭りはポルカ>>続きを読む
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雪降る西部劇のカルト率…たしかルチオ・フルチの荒野の処刑の終盤も雪景色だった気がする。法も正義も裁きも不公平で不条理な世の中で、復讐の無意味さを最悪な形で突きつけるラストとダメ押しの掟破りの煽りまで完>>続きを読む
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近未来的な側面と香港の猥雑な町並みがデジタルとアナログの対比ようで…というよりもただただあの景色が好きだった。
魂と記憶を持った人形は人間たり得るのか。機械は記録として残し、人間は記憶として留める。>>続きを読む
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ブンミおじさんの森からかなり時間が経ってしまったけどようやく見た。相変わらずの土着的なファンタジーと固定カメラの長回し、けれどリズム感はよくボケ~っと見ていられてしまう。自然と人間の共存と対立、地球の>>続きを読む
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ゴキゲンなロックンロールに乗せてやり場のない感情と破壊衝動と満ち溢れたアシッドな愛。バイクの閃光や節々に見え隠れするエッセンス、ここからAKIRAや鉄男に繋がっていくのかなんて思った。終盤現れるオーバ>>続きを読む
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シャイニングの斧の引用元と言われる作品で、見てみるとなるほどリリアン・ギッシュのサイレントならではの大仰な演技がシェリー・デュヴァルのヒステリックと重なる。斧の方はやみくもに叩きつけているだけで言われ>>続きを読む
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香港功夫の始まりから絶頂期、そして衰退、現在の動きまでを追ったドキュメンタリー作品。ブルース・リーやジャッキー・チェンの現代劇辺りからのギアが上がったアクションもいいけど、それ以前の丁寧にリズムよく動>>続きを読む
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なにで見たのかさえうろ覚えで手がかりのなかったサイレント映画の正体が思いもよらず判明した。小さい男が女性器の中へ入っていくというシュールなものだけど、どう考えてもサイレント期のものじゃないよなぁと思い>>続きを読む
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エル・トポの手足のないマスター二人を中心に据えたショット、ひろしまの爆心地を彷徨う山田五十鈴、そして本作のジャケットになっている紅く燃える家族三人が現在の私的圧倒的人物像3選。
原作は未見。日本人的>>続きを読む
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印象派絵画のような自然と田舎の牧歌的な雰囲気に薄っすらと影を落とす死が不安や緊張を感じさせる。老人が静かに老いを見つめ、他愛のない日常や些細な出来事を噛み締め、死を目前にして今更何を変えられるわけもな>>続きを読む
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B級作品の意図せずに生まれたであろうツッコミどころを見て笑うっていうのは、毎回これはどこまで狙ったんだろうと不思議に思う。役者の大仰な演技とか、ネームドゾンビのデザインは狙っているんだろうと思うけど、>>続きを読む
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ヘルツォーク✕キンスキーを見ていると、どうやってこいつを痛めつけてやろうか…という監督の思惑が感じられて「キンスキー、我が最愛の敵」も見てみたくなった。この人は動物を際どく使っていて中でも驚いたのが、>>続きを読む
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第一章始まりの一枚絵、これテオレマだよなぁと思いながら…。開放者のヤンとマグダラのマリアのベスと聖母のドド。服は抑圧(禁欲)と開放、鐘は神と恍惚の象徴、ヤンはベスの服を一枚ずつ剥ぎ取り彼女を天国へと誘>>続きを読む
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この監督にとってフリークスとは何だったのだろう。他の作品にも弱者が登場するが彼らへの眼差しは厳しく冷たい。それは愚か者のように馬鹿にしたり差別的に描かれているように感じる。ブルーノ・Sの朴訥とした佇ま>>続きを読む
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文革がテーマとは思えないほど優しく穏やかな眼差しと、この世のものとは思えない程幽玄な映像と色彩。シシ神やトトロが今にも現れそうな幻想的な世界で山奥の村にやってきた教師と子どもたちの触れ合いと葛藤を描く>>続きを読む
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脚。
太陽は昇り、沈む。軽やかに踊り跳ね回るようなバレエとは違う威厳を湛えた重厚な宮廷バレエは衣装や小道具も変わっていてまさに輝く太陽のよう。孤独さを感じ芸術を愛する宮廷音楽家リュリとルイ14世は意>>続きを読む
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人の営みは変わらない。田舎も観光地もそこに暮らす人々は煙草をふかし絵を書き歌を唄い月曜になれば工場へと出かけていく。覗きもするし唾も吐くし盗みも働く…ノンシャランと受け入れながら。ゆっくりと進む時間と>>続きを読む
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タイタニックは未見というのが私らしく天邪鬼である。今作は一見地味ではあるものの細部ににこだわり史実に忠実、これが事実ならほとんど人災。船がイギリス、資本主義の権化というか上流下流に無慈悲な隔たりがあっ>>続きを読む
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戦争によって引き裂かれる男女、ひまわりやシェルブールの雨傘が思い浮かぶけど圧倒的にこれが好み。カチューシャが流れる映画はそれだけでいい。冒頭流れるワルツの音色と恋人は瑞々しく、隊列を組み旅立つ鶴の群れ>>続きを読む
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頭脳と手の媒介者は心でなくてはならない
1時間58分版。開始時に注意書きがあったとはいえ字幕での説明が多く、過去には3時間30分で公開されたという。作品自体が古いものだし分かりやすいだろうと思って見>>続きを読む
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反戦争なのか戦意高揚なのか判断しかねる悲劇と熱狂の両輪。爆撃や掃射のあの迫力はちょっと今まで見たことない。爆音と衝撃波で耳をやられ、言葉はくぐもり、音は潰れノイズと入り混じったサイケデリックな音。戦争>>続きを読む