ドナウ

メトロポリスのドナウのネタバレレビュー・内容・結末

メトロポリス(1927年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

頭脳と手の媒介者は心でなくてはならない

1時間58分版。開始時に注意書きがあったとはいえ字幕での説明が多く、過去には3時間30分で公開されたという。作品自体が古いものだし分かりやすいだろうと思って見ていたのに、ドイツらしいシュールな演出と複雑な脚本で見る度に違った物が見えてきそう。SFでありながら聖書からの引用が見られ、特にマリアの天使と悪魔的性格が面白く、機械マリアの後ろに描かれた逆五芒星はサタニズムの象徴ということらしい。あまり演技云々は気にしない方ですが、マリアの二通りの演じ分けはお見事。心に関しては言葉通りだと媒介者フレーダーのことだと思うけど、個人的にマリアの方が腑に落ちる。マリアの二面性は心の善悪でもあるし、頭脳と手、親子と発明家と労働者、相互に影響を与えている。人類みな兄弟、対立した双方の手を取り合わせたのは親の子を思う心だった。

化石でも書いたけど言葉での説明が長いと集中力が続かないので、いつの日か完全完全版が発掘されることを願っています。
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