OMCさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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過去のない男(2002年製作の映画)

3.8

アキ・カウリスマキ敗者三部作の2作目。
ヘルシンキに列車でやってきた男が暴漢に襲われて記憶喪失になる話。
抑揚のないセリフ回しで無表情な演技だけど、起きてることは結構ドラマチックだし、クスリと笑えると
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浮き雲(1996年製作の映画)

3.8

アキ・カウリスマキ敗者三部作の1作目。
レストランの給仕長の妻と市電の運転手の夫が職を失ってしまう話。
愚直に生きる庶民への暖かい眼差しが感じられる良い映画でした。
フィンランドと言えば、国民の幸福度
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.9

アキ・カウリスマキ労働者三部作の3本目。
マッチ工場で働く不幸な女性を描いた作品。
無表情で抑揚のない話し方の登場人物が、つまんなそうな日常を過ごしているのは他の2作品と同じ。あっ、またこのテンション
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.7

アキ・カウリスマキ労働者三部作の2本目。
ハードボイルド版「オズの魔法使」でしょうか。愛する人との、平和で温かい暮らしを夢見て、がむしゃらに生きる。不遇な身の上を悲しんでいる時間がもったいないとばかり
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.7

アキ・カウリスマキ労働者三部作の1本目。
ゴミ収集車の運転手とレジ係の女性の恋物語。
不器用な男女がお互いに意識しながら、求め合ったり、すれ違ったり、最近見た「枯れ葉」とほぼ同じ展開。違うところと言え
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.7

不器用な男女の恋愛物語。
何でもない、どこにでもありそうで、一昔前の作品のような展開、なのに最後まで目が離せないのが不思議。
現代の設定(ラジオからロシアによるウクライナ侵攻のニュースが流れてくる)に
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.8

感謝祭発祥の地マサチューセッツ州プリマスでサンクスギビングの日に町の人が次々と惨殺される話。
妙にこだわりのある殺し方と、容赦ない人体破壊が見どころのスプラッタームービー。お料理上手な殺人鬼が繰り広げ
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

4.0

ダニに寄生された犬の幻覚を見たことから始まる一家の惨劇を描いた作品。
「ビバリウム」の監督の新作ということなので見に行きました。
不穏で不可解な出来事が次々と起こって、平穏な日常が壊れていく。そしてい
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素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

3.6

大切な人を亡くした男の再生の物語。
ずっと同名作品(邦題)のリメイクだと思ってましたが、全然関係ないんですね。
「愛」「時間」「死」をテーマに話が進んでいく。主人公はもちろんのこと、同僚たちもそれぞれ
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.0

クラシカルなクリスマスの定番映画。
若い頃一度見た時は、あまりピンとこなかったけど、改めて見たらラストで泣けました。やっぱり名作だと思う。
人が周りに及ぼす影響って、みんなそれぞれ違う。ちょっとしたつ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

東京のトイレ清掃員の日常を描いた作品。
毎日同じことの繰り返しで大きな事件は起こらない。だから見ている方の感覚が研ぎ澄まされて、ちょっとした変化に敏感に反応してしまう。日常で起きるちょっとした変化に喜
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.9

「手」を使った憑依チャレンジにハマる若者の話。
双子のお騒がせYouTuberフィリッポウ兄弟の長編監督デビュー作。
憑依させる方法とか、「トーク トゥ ミー」「レット ユー イン」という呪文?がシン
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

3.9

映画監督を夢見る貧乏青年の前に、資金援助を申し出る怪しげな男(ジョー)が現れる話。
スティーヴ・ブシェミが男に振り回され続けて、困り顔になっているのが、かわいそうだけどちょっと楽しい。
なにしろ、ジョ
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ティル(2022年製作の映画)

4.0

1955年ミシシッピで起きた「エメット・ティル殺害事件」を描いた作品。
アメリカ南北戦争で北部が勝利して奴隷制度は廃止されたが、保守的な南部の体質は変わらず黒人差別や隔離はその後も続けられた。
そんな
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

スプリットスクリーンで老夫婦の最期を看取る映画。
チラシのアートワークがあまりにも美しかったので見に行きました。
終始淡々と話は進んで、救いのない、出口の見えないトンネルに入った感覚。大きな事件は起き
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ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)

3.8

ポッド妊娠を選べるようになった近未来の話。
とてもセンシティブな話で、何を言っても色んな方面から怒られそう。
妊娠は女性の特権である一方、身体への負担や、キャリアへの影響など、マイナスの面も大きい。
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.5

2001年公開作品のリバイバル上映。
近くのミニシアターでも始まったので見に行ってみました。初見です。
イーニドは、外交的だけど周りの人間はバカばっかりと冷めた目で世の中を見てる。そして同類の親友レベ
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.8

ロアルド・ダール原作「チョコレート工場の秘密」の前日譚。原作は未読です。
思ってた以上にミュージカルでした。楽しくて、時々クスッと笑えて、そして何よりティモシー・シャラメが美しすぎる。男が見ても惚れ惚
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.7

ティモシーの新作を見る前にジーン・ワイルダー版を鑑賞。
ジョニー・デップ版と比べるとストーリーの大まかなところは同じだけど、細かな設定に違いがある。チャーリーにお父さんがいないとか、工場に入ったら誓約
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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.7

ティモシーの新作を見る前に復習。随分昔に一度見ただけなので細かいところは結構忘れてました。
ちょっとダークで、挙動不審で、カッコつけてるけどカッコ悪いウォンカにティム・バートンらしさを感じる。
作中で
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.8

少女2人に取り憑いた悪魔を追い払う話。
ブラムハウスがエクソシストの正当な続編を作ったということで、期待と不安が入り混じった状態で見に行きました。
かなり怖いし、びっくりさせられるし、脚本も面白い、そ
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怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.7

サイコパスな弁護士が連続殺人鬼に狙われる話。
予告を何度も見せられて脳に刷り込まれた上に、題材が個人的に大好物なので、期待していましたが、反面チープな仕上がりなんじゃないかという不安も頭をよぎり、恐る
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

ナポレオンの生涯を描いた作品。フランス革命でマリー・アントワネットがギロチンにかけられるシーンから始まる。この始まりから引き込まれました。
ナポレオンは、頭が良くて、戦略家、幾多の戦いを勝ち抜いた名指
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.6

前作に引き続き派手なアクションと容赦ないグロで、復讐が続く。
今回はカンフーも加わり、殺し方がバラエティ豊かになったが、多人数での格闘シーンがなくてちょっと残念だった。
そして、1作目冒頭で描かれた教
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.6

タランティーノの作品、なぜかこれだけ未鑑賞でした。
従来の枠にとらわれない奇抜さと、「カッコ良い」とか「美しい」にとことんこだわった映像と音楽。当時はかなりセンセーショナルだったろうと思う。
ちゃんと
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サムシング・イン・ザ・ダート(2022年製作の映画)

3.2

予告とあらすじから、掘り出し物を期待して見に行ってみましたが、残念ながら私には良さがわかりませんでした。
一攫千金を夢見て動画を撮り続けるグダグダな2人の会話を聞いていたら、いつの間にやらウトウトと心
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.8

見るつもりはなかったのですが、滋賀県民としてはサブタイトルの「琵琶湖」の文字がずっと気になっていた上に、近くの映画館が一日23回まわしになっているのを知って、いてもたってもいられず初日に行っちゃいまし>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.3

本能寺の変に至るまでとその後の話。
アクションとバイオレンス描写が凄かった。そして俳優陣の狂いっぷりが見事。特に加瀬亮!あのヘビのような目で睨まれたら身動きできなくなると思う。絶対に絡まれたくないヤバ
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東京物語 4Kデジタル修復版(1953年製作の映画)

4.7

尾道に住む老夫婦が東京の子供達に会いにいく話。
初めての小津安二郎作品です。
終始淡々と話は進んでいく。大きな事件が起きるわけでも無く、ごく普通の家族の会話が交わされて、親の気持ち、子の事情が、少しず
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正欲(2023年製作の映画)

4.1

秘密を抱えて心を閉ざしてしまった人たちの群像劇。
作品の中で描かれる性癖については正直なところ理解し難かった。でも世界は広い、いろんな性癖、趣味嗜好があって当たり前。理解できないからといって、嘲笑った
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.8

特殊な能力を持った女が精神病院から脱走する話。
主演の子、見た後で気がついたけどNetflixオリジナル映画「バレリーナ」で素晴らしいアクションを見せてくれたチョン・ジョンソさんだったんですね。目ヂカ
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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.9

パトリシア・ハイスミス原作のサスペンス映画。
アラン・ドロンは誕生日が私と同じなので勝手に親近感を持ってます。(でもこの作品は初見です)
トム(アラン・ドロン)は頭が良いが、上流階級出身じゃないことを
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理想郷(2022年製作の映画)

3.9

田舎に移住してきた夫婦と地元民との軋轢を描いた作品。
実際の事件から着想を得たフィクションらしい。
まず冒頭から度肝を抜かれる。
「ガリシア地方の男は野生の馬を素手で捕まえ、印をつけて再び野に放つ」の
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.8

「Filmarks90'」リバイバル上映企画にて鑑賞。
前から見たいと思ってた作品が劇場で見られるとのことなのでこの機会に見てきました。
見始めた途端嫌な予感がした。主人公が粗野で、気が短くて、自分勝
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.0

公開当時かなり話題になったし、その後も何度か見る機会があったのに、何となく重くて怖そうなので避けてきたけど、今回思い切って見てみました。
これ実話だったんですね。wikiで調べてびっくりしました。
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君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

4.2

亡き妻との約束を果たすためにバスを乗り継いで1,350kmの旅をするおじいさんの話。
この設定絶対に泣くやつと思いながら見始めたら、案の定泣いちゃいました。
アメイジンググレイスの独唱なんかされたら、
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