映画でもドラマでも、善悪はっきりしていたほうが気が楽だ。
同時に言えるのは、そこを揺さぶってくる話もまた優れているということ。
欧米特にアメリカの映画ドラマを見ていてピンと来ないもののひとつに、カウンセリングがある。もちろん必要な存在だし日本人が使わなさすぎるのかもしれない。
この映画の作者は私のような、その胡散臭さ、無責任さ>>続きを読む
人知を超えた何かが相手だからいかに脚本の知恵を絞ったって納得感が100%にならないのは仕方ない。
仕方ない。うん。
はじめましてのエリザベス・レイルさん、他作品もっとください。
5枚のポートレートの間を矢印が入り乱れる人物相関図。そんな映画だ。
スペインの変容ぶりを対比させながらも合せ鏡になった冒頭とラストはなかなか乙。あとはひたすら愛憎劇に付き合うわけだが、スリルもあって退>>続きを読む
実らぬ恋に生きる時間、相手とは生きてる世界も時間軸も違うのではと錯覚することがある。よね。
1秒早く生きる彼女と1秒遅れて生きる彼の間を埋めた1日。野暮だからサイコとは決して呼ばないであげて。
人生>>続きを読む
大の大人が毎年5月に本気の鬼ごっこ。
それだけである意味成功している映画。正直もうワンランク上の何かを期待してしまうけど、面白かった。
元々は実話だったとはね~。
この話がフィクションだったら、映画になっていないだろう。捜査はずさんで非科学的、FEDの連中はポンコツばかり、メディアの質は低く、尻尾を振ってローカル紙の後追いをしている。冤罪ものに需要があるとしても>>続きを読む
制作者は犯罪ドラマとして驚かせようとはしてないと思う。勝手にがっかりしてる人たち、ださい。
タイトルとジャケットが悪いね。
アスペルガーの青年の繊細さと危うさをクライムジャンルにうまく溶け込ませた良作>>続きを読む
エビ反り夏菜子の結婚記念にと軽い気持ちで見てみたら。
誰だこの映画をちゃんと宣伝しなかったのは。なんでレビュー数3桁なんだ。
名作。
劇中歌はいちいち耳ごこちよく、金魚を中心とした美術はいちいち目ごこ>>続きを読む
たまには王道のロマンスもいい。
ノースカロライナ沿岸部の自然を背景にゆったり丁寧に描かれた作品。人生は選択の積み重ねと説きながら舞台は選択の余地を奪うハリケーンのメッカというのも何だか深い。
入り込み>>続きを読む
会話には孔子や孟子が出てきて、監督は韓国系、そして小林武史、坂本龍一。アジア人としてきっと欧米の人より解説ができないといけないのだろうが、ご容赦いただきたい。
家族同然だったテクノ・サピエンスのヤン>>続きを読む
香港。2012年作。警察機関も「憲兵」たる組織もそれぞれ独立し、正義と自由が担保されていることが劇中強調される。
10年経って、今どうなっているかに照らしてみてしまう、どうしても。
ストーリーとしては>>続きを読む
ルーマニアとカナリア諸島。入ってこねーよ!
映像やその繋ぎかたは好きだったが、クセの範疇を出たないという感覚。
あとそもそも、君たち最初からそういうあれだっけ??
面白かった。まあ面白かった。
たぶん脚色しまくりだと思ったので、実のところ…?って検索してもほとんど引っ掛からず。
世界史勉強しなきゃ、とこの手の作品見るたび誓うが実践しない。
このレビューはネタバレを含みます
後半の温度低かったなー。超絶豪華キャストのある意味贅沢使い。
マイケルが担当検事になったとわかったときの2人のリアクションを描かない(あえて、と思うでしょ)ってことは最後撃たれちゃうんだろーなーそう>>続きを読む
"こじらせ"みが深い主人公を松岡茉優がキャリアハイライト演技でこなす。憑依系ですね松岡さんは。
不器用な健気さがありながら決定的に偏屈な江藤さんを綿矢りさがどう表現していたのか、読まねば。
話が想像の斜め下を行き始めてからは笑いながら観た。復讐の矢がまんま復讐の矢を意味してるなんて思わないですよ(笑)
飛び交う差別用語と巣食う偏見。1990年というのはまだ、そういう時代だったわけだ。街を汚す「外国人」への白人コップの歪んだ使命感に対する同調心と折り合いをつけながら観た白人たちも多いだろう。
硬派で退>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
三姉妹も周りの人物も、もれなく"病んで"いる。痛々しく、正直おぞましい。闇と病みは深くなる一方で希望の糸口すら見えない。
本人たちを狂わせているのは本人だよなーとなかなか憐憫の気持ちにはなれずにいた。>>続きを読む
婆さんが言うように、29歳、いちばん良い時期だ。たぶん。
この時期に結婚の見えたステディな相手と過ごす日々ほど無駄なことはないと断言できるがみんなそれを欲しがる。人間て不思議な生き物だ。
セックス描写>>続きを読む
とてもよくできた映画・脚本だと思う。
稀代のシリアルキラーの作品化にはいろんな切り口があるだろう。事件を追う当局、犯行そのものの狂気、マスメディア、何だっていい。
本作はど真ん中のテッド本人を主軸に置>>続きを読む
B級と言われたらそうかもしれないが、いわゆる「こういうのでいいんだよ」なやつ。レイチェルポイントも加算!
飛行機の席に受話器付いてた時代、あったなー。今はカーボンが主流のホッケースティックも当然木製。>>続きを読む
このおばちゃん(タラジ・ヘンソン)、どっこにでも出てくるな芸達者やなー。と見始めたが、本作の主題はKKK幹部CPの葛藤だ。その後彼がたどった労苦は想像に難くない。
それでも最後は民主主義で決めるという>>続きを読む
連続でアフリカ舞台もの。
世界最貧国のひとつマラウイの、小さな希望の物語。結末はわかっていても途中ときどきしんどくなる。
学校は好きじゃなかったけど、学校に行きたい、教育を受けたい受けさせたいと命がけ>>続きを読む
実話に基づく物語。どんな映画人でも作品化したいネタに違いない。日本では、ペルーもバングラデシュもワールドトレードセンターも映画にならない。何が足りないんだろう。わかっているのに言語化できない。目を背け>>続きを読む
特に何の興奮もハラハラも社会的メッセージもなくたって、いいじゃないか。
役者が演技をする、それを画にする人がいる。そんな営みを噛み締める映画。
カメ止めの人たちかー、と後から知って妙な納得感。おーそう来たか!が連続した中盤20分くらいはよかったんだけど。小説で読んだら面白かったんだろうなーと思う。つまり演技も演出もいまひとつ。
このレビューはネタバレを含みます
オープニングから一気に引き込まれドキハラしていたのに、ガーバーが現場に呼び出されたあたりからぴゅぅぅぅんと尻すぼみ。
違うんだよ。こっちは無線を介した対決に魅了されてるのに、なんでそうなるかな。ラスト>>続きを読む
ある男の半生を辿り提示される2つの事実のひとつめは、容姿や人格ですらその人のアイデンティティのほんの一部に過ぎないのに、ましてや戸籍や名前など薄っぺらな表札に過ぎないということ。
一方で人間には抗えな>>続きを読む
前作感心したスピード感が、なぜか急に拙速感に思えてしまい、途中微妙に置いてきぼりになった。
せっかくの滝壺シーンもCGっぽくていまひとつ…。
ツイてないかわいそうな北村匠海の映画。で終わらせちゃいかん作品だ!というほどでもないけれど普通に面白いし楽しい。
伊藤健太郎役は原作より存在感薄いし、そんなに目くじら立てなくてもよかったのにーなんて思>>続きを読む
自分より信じられるものはないレベルにあるはずなのに、ミシュラン調査員という得体の知れない奴らの評価に右往左往する。一流料理人が抱えるアンビバレントさというか単に矛盾というべきか、同情するよほんとに。>>続きを読む
アフリカを食いものにした大企業の策謀に迫った妻、その死の真相を追う夫。
わざわざ分かりにくく撮らなくてもいいのに。と思わなくもないが、おかげで主人公の置かれた、いわばアウェイ感はこちらにも強要された。>>続きを読む