大鳥涙さんの映画レビュー・感想・評価

大鳥涙

大鳥涙

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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.0

猿の感情をここまで映せる映画の技術進歩に脱帽。それにしても、人間ではなく猿が造るドラマとは... こんな世界は真っ平ゴメンです。

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

2.5

台湾、憧憬、旅情、二人乗りバイク、ランタン、雪景色、ミスチル... 雰囲気と音楽で、何処か見た覚えがある物語を綴る、この監督らしい薄っぺらさ。でも観終わって、トイレで若者が「めちゃよかったわ」と話して>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

濱口の映画では、人が和解することは不可能で、憎しみを飲み込んで、その我慢し難い苦しみとともに生きることを是とする。時に感情は爆発するが、その結果は恐ろしく悲劇的だ。本作のシノプシスも根本的には同じ系譜>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

久しぶりに配信で鑑賞。
宇宙を舞台に、科学と心理を一体化して時間空間の秘密を推論するシノプシスが優れている。2001年宇宙の旅なんかと比べても、遜色無い面白さで、ノーランの資質が存分に発揮されていると
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異人たち(2023年製作の映画)

3.0

ちょっと苦手なタイプの作品で、雰囲気に乗れず。孤独感は伝わったけど... 映画にも相性がある。
アンドリュースコットが演技なのか自なのか分かりませんでした。

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

3.5

現場主義に立脚した実録物で、そのメッセージフルな作風に圧倒される。主張の強すぎる映画は不得手だが、現在進行形の本作は流石に好き嫌いの域を越えていた。
赤ちゃんの出産シーンで思わず涙腺が...

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

3.5

戦後ドイツの礎を築いたのは移民だ。イタリアやトルコ移民の働き無くしてドイツの現在はないかも... ファティ・アキンが僕のご贔屓なのは、ドイツで暮らしてそんな歴史の裏を知ったからかもしれない。でもそれ>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.5

Amazon Prime Video
如何にもインテリ米国人が撮った良作でした。人生は悲喜交々ということ。

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.5

Star channel EX
カウリスマキに繋がっていく系譜を感じつつ、底にある人の傲慢な心に、ドイツの歴史を重ね合わせちゃう。ゲルマン民族らしいと言うと流石に失礼か。
差別が生み出す疑心暗鬼と不安
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

3.5

STAR Channel-EX
遂に観れた。期待が大き過ぎて、ちょっと拍子抜けの感があるのだけど、これもドイツ史の総括と言うこと。ハンナ・シグラの独壇場だった。

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.0

Netflix
テンポが苦手、先が読める。何かズレてきたかなあ。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

IMAX
広角の画面にキリアン・マーフィーの顔がアップになる。重低音とピントポイントフォーカスは雄弁に心象を語り、アクションものと異なるIMAXの威力を見せつけた。時間軸のパズルはノーラン節の真骨頂
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

記憶を巡ること。それは回想なんて陳腐なものではなく、人生の物語を紡ぐこと。何者にも代え難い、一人の人に与えられる宝物だ。そんな齢を重ねて漸く覚える感慨に、本作は心地よく導いてくれる。
アナのドラマが大
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エゴイスト(2023年製作の映画)

3.0

U-next
あり得る物語を上手い役者が演じて、飽きさせない映画ではある。好きな部類ではないが... 令和時代の作品なんだろう。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

中世の物語のようであり、ギリシャ神話のようでもあり、でもやっぱりSF映画なんだなあ。サンドワームとバトルシーンの映像と音響に溜飲が下がる。実に壮大な絵巻物だった。IMAXでこんな映画を満喫できる幸せを>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

2.0

これは駄目だな。刹那さこの上ない物語を、薄っぺらい寸劇にしてしまった。
見えないものを映して、それを観るのが映画だと思う。

独立少年合唱団(2000年製作の映画)

4.0

WOWWOW
数十年ぶりに観た。やっぱり好きな作品だ。複雑怪奇な世の中や、一筋縄ではいかない人生といった答えの出ない問いへ、只ひたすらに苦悶するかのよう。初見時と同様、少年たちの歌声が感動的であった。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5

AnatomyよりPathology の方が的確な気がする。
別人格の二者の関係は、お互いの心理を思いやって上手く擦り合わせることで調和を保つ。相反する様な境遇でも、良好な関係が成り立つ理由だと思う。
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愛のメモリー(1976年製作の映画)

3.5

U-Next
久しぶりにデ・パルマ初期の作品を鑑賞。
流石に雑なところが多く、青二歳が撮ったかのようなロマンサスペンスだ。技に溺れて... 最近もそうだけどシノプシスの根幹から外れそうになる意匠を、今
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

漸く映画館で見ることが出来た。
南へ訪れて少女が癒されていくような展開で、スペイン内戦史を交えた壮大なドラマが見たかったなあ。或いはもっと悲痛な内省的なドラマになっても見応えがあったかな。何れにしても
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スケアクロウ(1973年製作の映画)

3.0

午前十時の映画祭
ラストが如何にも70年代ニューシネマなんだな。ビルモス・ジグモンドのカメラが語りかけてくる感じだった。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

映画館で、伊福部昭さんの音楽に触れることが出来たのは嬉しい。佐々木蔵之介の絶叫は勘弁してほしい。シノプシスが如何にもあざとい。
それにしても、東宝はいつまでゴジラを作るんだろう。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

「ケイコ」には版画の包み込むような奥深さがあった。一方、本作には水彩画の優しいタッチが溢れている。多かれ少なかれ、世の人は苦悩を抱えて生きているのだろうが、その市井の人々の心情を切り取って、暖かく描い>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.0

U-NEXT
何でこれ見逃していたんだろう。不覚だった。川本三郎氏がキネ旬の1位に選んでいたので観ることにした。観て良かった。
川本さんが記していた通り、清貧の清々しい美しさは今の時代に忘れられつつあ
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秋津温泉(1962年製作の映画)

3.5

U-NEXT
流石に林光の🎵が流れすぎ。吉田喜重って、崩れないんだよなあ。そこが大島渚(京大)との違いなのかしら。成島東一郎の画は見事。

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.5

三島由紀子は硬質だ。鋭く貫いて容赦ない。「人間はみんな罪人だ」と、過去を飲み込んで生きて行く強さ。自叙的な物語に画面も揺れた。長回しに耐えた役者も見事で、何でこんなに評価が低いんだろう。なかなか見応え>>続きを読む

ある結婚の風景(1974年製作の映画)

4.0

U-NEXT
毎日一話ずつ観ていく豊かな数日間でした。やっぱり夫婦って、熟成して漸く味が出てくるのね。ベルイマンらしい厳しさを随所に秘めて、ラストは静かに落ち着いていく。後のファニーとアレクサンデルに
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

動物の本能と理性の葛藤は、ロブスター以降のランティモス作品で語られてきたテーマだ。感情と道徳も同様で、二律背反は成りたつのが人生であることを、このダークコメディは雄弁に描いた。
R18らしい過激な描写
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ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

3.5

U-NEXT
奥行きと陰影に富むファスビンダーのモノクロームだった。光と闇が隣り合わせに巣食う世の中だが、ドイツの歴史が物語に絡むとそれが怖立つ。
本作には伝統的なドイツ表現主義を強く感じる。結局ニュ
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.0

Last summer on the way to Munchen
記録を忘れるほど、残念ながらピンと来なかった😓

(1985年製作の映画)

5.0

U-NEXT
大きな映画が観たくなって、久方ぶりに乱を観た。正に壮大な戦国絵巻。描かれた人の世の悲しみに言葉が無い。やはり、一流の映画人が作った掛け値なしの傑作だった。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.0

アメリカのルーツに迫る意欲作の一つなのだろう。エモーションに欠ける意匠は、物語を動かすエンジンのパワー不足を思わせる。まあA24らしいと言えばそれまでだが、物足りないなあ。あの時代の夜は暗すぎて、デジ>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

3.0

Netflix
ラテンの映画って何時もストレートだなあ。かなりショッキングな逸話でも、気後れせず撮っちゃう。本作の美しい遠景のように、映像に一工夫あるから目を逸らさずに見せることが出来るのかもしれませ
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ローザ・ルクセンブルグ(1985年製作の映画)

3.5

U-NEXT
トロッタ女史による革命家の物語。極めてエキセントリックなローザに眉を顰めつつも、迸る情熱は見るものを圧倒する。旧東ベルリンに今も残るローザルクセンブルク駅は、静かだが荘厳だと感じていた。
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ケス(1969年製作の映画)

4.0

U-NEXT
圧倒的な絶望が少年を包み込む。なのに少年の目は何処か力強く、不屈の闘志を感じる。ケン・ローチ後期の傑作群に繋がる精神が、本作には既に宿っていた。労働者階級の卑屈とそれを打ち破ろうとする次
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