この映画で感動的だったのは、市川崑監修のテレビドラマ「木枯し紋次郎」(注)へのセルフ・オマージュとなっていたことです。
季節と舞台を冬枯れの寒村としたこともあるかもしれませんが、金田一耕助を木枯し紋次>>続きを読む
この映画はアポロ計画のフィルムを再構成したドキュメンタリーなのですが、「アポロ計画」を追ったものではありません。地球⇔月の航行で「宇宙飛行士たちが何を見て何を感じたのか」だけに絞りに絞った映画なんです>>続きを読む
アメリカ人に生まれてこなかったことを後悔する映画です🇺🇸。なんで俺は生まれてくる時、アメリカ人の親を選ばなかったのか。人生最大の失敗だったと思っています。囚人でもいいからアメリカ人の親を選ぶんだった!>>続きを読む
「ノストラダムスの大予言」「砂の器」へと続く「丹波哲郎演説三部作」の第一弾にして最高峰です。とにかく主演の丹波哲郎が物凄い。獄中での悟達から後半の説法大演説はもはや宗教家の「人間革命」を突き抜けて、「>>続きを読む
アラン・ドロン、リノ・バンチュラ、ジョアンナ・シムカスがここでは高倉健、勝新太郎、梶芽衣子。凄い顔ぶれですね。この3人揃えただけでもスコア5.0です。濃い顔ぶれのわりには淡彩なロードムービーと宝探し映>>続きを読む
「古代遺跡は太古に訪れた宇宙人の痕跡である」という仮説を追ったドキュメンタリーです。原作はあのエーリッヒ・フォン・デニケンの「未来の記憶」と「星への帰還」。ですが、映画の製作者がそれを盲信していないこ>>続きを読む
この映画とどうしてもワンセットで思い出してしまう映画が、香港映画「大丈夫日記」(1988年)です。チョウ・ユンファ演ずるトレンディでモテ男のビジネスマンが、昼に夜にモテまくり、2人の女性からの求婚を断>>続きを読む
この映画は全体に青空と明るい陽光のイメージがあります。「コルベット・サマー」や「ビッグ・ウェンズデー」、後年の「ファンダンゴ」などのような感触というか。
ただ、一方でそれらの映画とは異なる残酷な一面を>>続きを読む
この映画が公開された1987年は、「スター・ウォーズ」が一番忘れ去られていた頃で、何をいまさら「スター・ウォーズ」のパロディ?でもメル・ブルックス旦那だからなあ。しゃーねえ、観に行ってやるよと劇場に行>>続きを読む
この映画を観て以来の長年の謎があります。テーマ曲が日本テレビのバラエティ、あの「巨泉・前武ゲバゲバ90分!」のテーマ曲にそっくりなんです。偶然にしては似すぎています。
「ゲバゲバ」が1969年、この映>>続きを読む
この映画の公開時、ある著名な映画評論家が「ワクセイダイセンソウ、口にするのもいやだ」みたいなコメントをしていました。「口にするのもけがらわしい」だったか、要はそんな、それだけのコメントです。こんな言い>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「幼い娘すら顧みないシングルファザーの強欲社長が子ガッパを拉致して大儲けを企む。子ガッパを奪回に親ガッパが襲来。社長は娘に説得されて子ガッパを返す。親子ガッパの再会を見て、この血も涙もない悪徳社長は>>続きを読む
昔、奄美群島の喜界島に行った折、港の岸壁で野宿をしたのですが、夜中に貨物船が入港してきて叩き起こされました。真ッ暗で船体は見えず、マストやデリックや船橋など、船体に輝くライトしか見えません。それが遠く>>続きを読む
この映画を「燃えよ!ドラゴン」「荒野のドラゴン」と並ぶカラテ映画(カンフー映画)の三大傑作と勝手に認定します。
「映画って、何て素晴らしいんだ!」ということを私に教えてくれた映画軍団の1本でもあります>>続きを読む
この映画を「燃えよ!ドラゴン」「片腕ドラゴン」と並ぶカラテ映画(カンフー映画)の三大傑作と勝手に認定します。
東洋武術の達人が西部劇世界に現れるという趣向となるとどうしても異文化交流的側面が描かれた>>続きを読む
いまこの時期だったら上映延期でしょうね。なにしろ「不正を働いても売り上げを伸ばす中古車販売業者」が主役で、社長が辞任するわけでもなく、しかもハッピーエンドなんですから。
通常ならあくどい業者側が敵役>>続きを読む
「ゴジラ」と「ウルトラマン」の「シン・シリーズ」で庵野監督が試みたことは、「もし現実世界に◯◯が現れたら」だったと思います。その流れでゆくと、今回「もし現実世界に仮面ライダーが現れたら」で押し通したな>>続きを読む
今年の梅雨が明けました!この世で一番美しいのは梅雨明けの青空です。
この映画はそんな梅雨明けの青空のような映画です。だから「今」が過ぎないうちにレビューを残しておかなくてはなりません。この時期を逃した>>続きを読む
「ゴジラVSビオランテ」から「ゴジラVSデストロイア」に至るいわゆる「VSシリーズ」6作の最大の見所は、ゴジラはほとんど自分の分身と闘い続けたという点だと思います。
ビオランテはゴジラ細胞から誕生し>>続きを読む
公開当時のパンフレットにポランスキー監督の言葉として「この映画はチャンドラーの小説を映画化したものよりチャンドラー的かもしれない。」と書いてありました。何のことやらわからなかったのですが、その2年後、>>続きを読む
かつて三島由紀夫は黒澤明を評して「凄いテクニシャンだけど、思想的には昔の中学生レベル」と言ったらしい。あんまりな言い方ですが、的を射ているところもある。その言葉を借りるなら、この映画こそは「昔の中学生>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)は第1作「サイコ」で伝説として昇華され、もし「サイコ2」を作るならノーマン・ベイツではなく、「サイコ」でのヒーローを再登場させたシリーズにしてほしかったという>>続きを読む
追悼 トリート・ウィリアムズ。追悼 あの頃の俺!
「バニシング・ポイント」(71年)を観た時、「これは俺のためだけに作られた映画だ。」と思ったものです。しかしこの「プリンス・オブ・シティ」を観た時は>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「悪い奴ほどよく眠る」「用心棒」「椿三十郎」に続く田中友幸×黒澤明×三船敏郎のスーパー・エンタテインメント、最強のミステリ・サスペンス映画に何かを言う言葉もありません。
ただ・・・。
予告編までがす>>続きを読む
最初にこの映画について聞いた時の驚きは「アメリカン・グラフィティ型青春回顧映画」がついに90年代後半を回顧する時代になってしまったという驚きでした。
「ラスト・ショー」(71年製作)が50年代の青春>>続きを読む
もし私が「面白い映画とはどういう映画か?」と聞かれたら、答えは「カプリコン・1」の一言。(注)
それを言えば終わりで、それがレビューなのです。
ただ備忘録用に以下の点は書かせてください。
この映画>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
どうしても忘れられないシーンがひとつあります。
この映画ではジョン・マクレーンは犯人が指定する場所を巡り、その先々で出されたクイズを解いて回らなくてはなりません。
何問目かで、時限爆弾が仕掛けられた>>続きを読む
この映画の中に傑出したキャラクターがいる。それは中村嘉葎雄演ずる理世という密偵です。平安時代の物語世界にあってひとり近代的で冷静な眼と思考力でかぐや姫の正体に肉迫してゆく。しかしながら映画はこの理世と>>続きを読む
どんなに精巧に作られたCGよりも、着ぐるみ怪獣がミニチュアのビルをどしゃーんと壊すほうにリアリティを感じてしまいます。
これは年齢的な郷愁もあるでしょう。しかし加齢以外にも理由はあると、言い訳を考えて>>続きを読む
この映画が何故失敗したのか、以下の2項目に分けて見てみたいと思います。1点目は「マジメすぎた」、2点目は「公開時期の問題」です。
そして最後に補遺として「この映画の素晴らしい点」を附記致します。
ま>>続きを読む
トポル(ハイアム・トポル)が3月に亡くなっていたんですね。とても魅力的なおじさんで、「フォロー・ミー」のお人好しオトボケ探偵、「フラッシュ・ゴードン」の明るいマッド・サイエンティスト、そして本作の怪し>>続きを読む
この映画は1977年4月に東京は神保町の岩波ホールで初公開されましたが、面白いことにその時のパンフレットには、SFという単語が一度も使われていませんでした。タルコフスキー監督の思想とか、黒澤明との交流>>続きを読む
例えば「犬神家の一族」が市川崑の映画で「人間の証明」が佐藤純彌の映画であるなら、この「野性の証明」こそ角川春樹の映画であったと思います。
どんなことがあっても、高倉健vs戦車隊まではこぎつけてやる。日>>続きを読む
初公開時、読売新聞紙上で映評家の河原畑寧氏が「この映画は映画史には残らない。しかし映画史年表には確実に残る。」と評していました。
私は今、これを賛辞と受け止めています。私の中の映画史年表には1977年>>続きを読む
今回の処刑コップ軍団は考え方としては第1作のハリー自身に通底するものがある。それとハリーはどう対決するか。
ですが。ちょっと消化不良です。
処刑コップ軍団とのディスカッションでもハリーは遠慮気味。私と>>続きを読む
チーム・クロサワが脚本段階でこの映画の「テーマ」を決める際、「余命いくばくもない男が七転八倒する話」と決めたそうです。「テーマ」とは「誰が何をする」というように具体的に一言で言えなければならず、もし例>>続きを読む