先日『ベネデッタ』を見ましたので、こちらも。リヴェットを鑑賞する機会はなかなかないわけですが、彼を特集する尖ったサブスクが本邦には存在する。私にとっては文化村で見た『美しき諍い女』以来です。それもこれ>>続きを読む
中盤までどうなることかと思いましたが、いい意味で中盤からは世評通りでした。ちょっとしたアイデアですが、これぞ映画というか、絵的に面白いものが撮れていると思う。
私たちがもっとも恐怖するのは、当たり前>>続きを読む
今泉力哉氏がTwitterで、百億超という興行収入を期待される重圧を背負って(新海誠が)映画制作に臨んでいること自体がすごい、と書かれているのを見て、なるほどそういう見方もあるのかと思ったものです。>>続きを読む
なんか凄いものを見てしまったわけなんですけど、ほとぼり冷めると、こんなこと書いてあれなんですけど、ヴィルジニー・エフィラのホトの匂いばかりが爪の間にこびりついている、となるような映画です。
ハリウッ>>続きを読む
まずこの映画を見ようと思った動機はいささか不純なもので、映画宣伝部の「天安門」云々の謳い文句に「おや」となった。
今の中国で映画は果たして「天安門」を描けるのか。描くとして、どう描くのか。また開放経>>続きを読む
もうね、始まって十分で私はノックアウトでした。
岸井ゆきののすっぴんの横顔のアップから始まって、あの年頃の女子には不似合いな殺風景な畳の部屋ですよね。畳に直に座りついて、折りたたみ式の一人用のテーブ>>続きを読む
昨日見た『デンジャラス・ラン』でデンゼル・ワシントンがライアン・レイノルズに言ってましたよ、「特殊工作員が普通の恋愛をしようなんて思うなよ」って。まさに箴言です。ショーン・ペンも『デンジャラス…』をも>>続きを読む
この映画、トニー・スコットのオマージュなんじゃなかろうか。というくらいにカメラワークから画質から似ておりました。そこに我らが安定のデンゼル・ワシントンですからね。ますますトニー・スコットでございました>>続きを読む
PádraicはPádraigで、聖パトリックはアイルランドにキリスト教を伝えた守護聖人のひとり。ColmはCalm(平穏)との類似を想像させるが、調べてみるとラテン語で鳩を意味するcolumbaから>>続きを読む
安定のデンゼル・ワシントンと言いたいところですが、当たり前のことですがお年を召されました。体も作ってらっしゃらない。『イコライザー』はもう卒業なんですね……と思うとなんとも寂しい限り。
故あって刑事>>続きを読む
「ヘンリー・フール」トリロジーのトリを飾る本作。哀愁と感傷を誘うBGMに終始泣かされます。思いつきで広げた話がとりあえず完結を見た、という感じではありますが、ところどころ、「わかるわかる」となります。>>続きを読む
バート・レイノルズといえば、私にとっては「キャノンボール」「ロンゲスト・ヤード」そして「ブギー・ナイツ」でございます。いや、特に彼がどんな俳優だったか知らなくとも、本作の要諦は誰にもわかりますでしょう>>続きを読む
カリスマと異常者は紙一重、あるいはほとんどカリスマは異常者なのではないかと勘ぐりたくなるようなお話。メディアの責任とか、そういう次元ではないですね。ちょっとエキセントリックな好青年が、実は犯罪者予備軍>>続きを読む
マンハッタンとは周囲21の橋によって連絡する島なんですね。島であるとはさすがに知ってましたが、東側のハーレム側にかかる橋が15本なのに対し、西側ハドソン川にかかる橋は1本のみ。残り5本は北方のイースト>>続きを読む
久しぶりにエキサイトいたしました。『リコリスピザ』を見て打ち震えるのとはわけが違います。もっとこれは直截的な興奮。ネッシーが捕獲されたと聞いて高揚するのに近いでしょうか。
映画についていくらpeda>>続きを読む
夢枕獏原作、谷口ジロー漫画化。でこれをフランス人監督がアニメーション映画にしたと。フランス人による日本漫画への期待値は本邦のそれを遥かに凌ぐのではないか。アングレーム国際漫画賞では楳図かずおの『わたし>>続きを読む
思ってたのと違いました。
単なる冒険活劇ファンタジーではありません。
監督のセンスが光ります。質感にこだわる監督は……の、アレですね。
ご都合主義的……といえばそうなんですけど、そこをセンスで乗り>>続きを読む
まさかの『ドントルックアップ』系。今般のウイルス騒動のカリカチュアライズ。ヒトラーへの愛憎半ばする感情ってのは、西洋人インテリの典型的なパラドックスてなわけか。
まぁ、惹かれるのはわからないでもない>>続きを読む
前作のほうが断然良いよ。
ミステリーファンには肩透かしものです。安楽椅子の探偵、とまではいかないにしても、あのダニエル・クレイグが老いを隠さずアクションからすっかり身を引いて、頭脳で勝負するキャラク>>続きを読む
ドイツのアクション映画とは珍しいと思って視聴。
いや、こうすればいいのに、と一々視聴者がイラつく演出、というか脚本。まずは救急車をちょっと遠くに動かしなさいよ、と。起爆装置の電波が届かなければいいだ>>続きを読む
クリス・ヴァン・オールズバーク原作『急行「北極号」』が村上春樹の翻訳で書店に並んでおりました。日本でどのくらい馴染みの児童書かわかりませんが、寡聞にして小生未読。欧米では古くから子どもたちに読み継がれ>>続きを読む
英国映画協会なるものが12月1日付で発表したThe Greatest Films of All Time が話題だそうで、十年ぶりの更新らしいが、1位に輝いたのがシャンタル・アケルマン監督の『ブリュッ>>続きを読む
さすがに176分は長過ぎる。好きな人は内容如何によらず、というところがあるから、長ければ長いほどいい、ということなのかもしれないが。……と客を選ぶと思いきや、しっかり13+の設計。この辺に中途半端さが>>続きを読む
なんともまたウエットな作品でございました。「妖怪とは鎮魂なり」という真理に行きついた模様です。そして、雲間から三人の白い束帯姿の男たちが現れて、篳篥と笛と笙を奏で、それに合わせて妖怪たちが合唱する……>>続きを読む
16分のストップモーション作品。これはまた! というくらい雑、というか端的にいうと汚いパペットのお出ましです。粘土で作られてるんですかね、わざとにしても、なかなか凄まじい。まぁ、ああいう年寄りも居なく>>続きを読む
あまり評判のよろしくない本作ですが、まぁ、私は楽しめました。
ジェシカ・チャステインの肉体が、どうしても喧嘩映えしないんですよね。同じ小柄でも、スカーレット・ヨハンソンなんか、アクションをやり遂げて>>続きを読む
これはもう、見る人によってさまざまな感想が口にされる映画でしょう。なにも難しい映画ではない。ふたりの旧友が、二日がかりで森の温泉を訪う、ただそれだけのお話。
出産を控える妻となんとも気まずい感じの優>>続きを読む
ガソリンスタンドに付属する洗車機ありますよね。あれ、みなさんもお好きなんじゃないかしら。わたしも好きです。で、あれやってもらってるとき、運転席に座りながら、映画みたいだなあって、いつも思うんです。わた>>続きを読む
原作は19世紀後半ですから、ファシスト政権下の物語として描かれる本作は、名実ともにデル・トロ版ピノキオということになりましょう。原作のどこをどう変えたかは、そのまま作家性を顕すことにもなる。
時代背>>続きを読む
一本映画を見終えて、さぁ、寝ようかな、と思いつつなんとなく見ていたら、これが止まらなくなりました。これ、大変な傑作ではありませんか? 脚本も監督がご自身で書いておられる。漫画原作を疑ってしまいました。>>続きを読む
またまたまたまた三角関係です。
ただ、本作では、見目麗しい若い女子をめぐる、若い男(既婚)と、その上長にあたる初老の男(既婚)の物語。しかも後半の視点人物は女子。うん、これは男の鑑賞者なら、どちらの立>>続きを読む
たしかにこれは傑作。
このように考え抜かれた脚本は、そうあるものではないでしょう。
なぜ私たちが物語を欲するのか、なぜ物語がなくてはならないのか、いざ説明を求められると答えに窮するような問いですが、>>続きを読む
ホン・サンスの劇場公開2作目にあたるとのこと。38歳の作品です。現在の彼の作品からすると、思わず吹き出しかねない演出は鳴りをひそめ、同じ恋愛劇、不倫劇でも、シリアスで基調は誠に暗い。
酔い過ぎて、管>>続きを読む
道沿いにレールを敷いてですね、そこにカメラを据えて、人物が歩道や通路を行き来するのに合わせて、スーッとカメラを横へスライドさせる。
このように撮られた映画のシーンに、もうどれだけわたしたちは心をつか>>続きを読む
クリスマスにもってこいの映画ではありませんか。
キリスト教の復活思想と、ドルイドを代表とする土着信仰の再生(=緑)思想とが相まって、またとない愛の物語が展開します。
人生とは、何をもって生きるに値>>続きを読む
冒頭の肉子ちゃんの人生振り返るモンタージュで、作家志望の男と彼女が付き合うシーンがあって、その男の机上に『回転扉』が置かれていて、ちょっとビックリしたと。なんかあるのかな、と思って、牛に引かれて善光寺>>続きを読む