Foufou

教授とわたし、そして映画のFoufouのレビュー・感想・評価

教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)
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またまたまたまた三角関係です。
ただ、本作では、見目麗しい若い女子をめぐる、若い男(既婚)と、その上長にあたる初老の男(既婚)の物語。しかも後半の視点人物は女子。うん、これは男の鑑賞者なら、どちらの立場で見るか、となりますでしょうな。

2010年韓国公開ですから、ホン・サンス齢五十の作品です。となると、やはり初老の教授に焦点が当たっているとみるべきか。いや、もう、痛い痛い。風刺なのか、自虐なのか、ちょっとわかりませんが、なんか、もう、説得力ありすぎて、困ります。

だって、若い映画監督と、初老のおそらくは文芸系の大家の監督ですね、二人とも大学に飼われている。このへんは、日本の一部の映画監督や大半の小説家と同じですな。大学生を半ばたぶらかすようにして糊口を潤す。当然やましいわけです。そこへ、若い同僚の女性が現れる。

この女性が、それぞれの男たちと、同じ観光地を別日に訪れて、克明にその違いについて映画として記すというんですからね、露悪もいいところ。

で、初老の男が一人で飲んで、踊り食いしたタコを雪の上に吐くとかね、元日早々女に裏切られた背中を撮るとかね、まぁ、これも一種のナルシズムなんでしょうけど、見ていてやりきれませんわね。

というわけで、ホン・サンスにハズレなし。
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