diesixxさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

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アルジェントの美学とフェティシズムに、計算された映像トリック、シナリオ、ゴブリンの音楽が高度に結実した最高傑作。
アルジェントを始めとする多くのジャッロ映画の特色としてフーダニットは二の次で、いかに美
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ブラザー・オブ・ザ・イヤー(2018年製作の映画)

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タイの『男はつらいよ』。ヘタレがあだ名の本当にダメな兄貴(でもイケメンなので女遊びもする)が自由を謳歌していたのに、日本に留学していた優秀な妹が帰国。兄の勤める広告代理店の取引先の日本企業に妹が勤める>>続きを読む

レディ・ハード/香港大捜査線(1985年製作の映画)

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『エブエブ』関係で見たいなーって思っていたミシェル・ヨーの初主演作がジャイホーにて配信!!サモ・ハンやツイ・ハークも出ているが、あくまでコメディリリーフ。アクションの主役はミシェル・ヨーとシンシア・ラ>>続きを読む

ミス・バイオレンス(2013年製作の映画)

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さすがに胸糞すぎた🤮
最後じじいぶち殺して解決したみたいになってたけど、何の罪もない未成年の虐待と性被害取り返しつかないし、周りの大人も同罪だわ。暴力シーンもポルノ的過ぎて、演じてる女優はさすがに未成
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野獣の青春(1963年製作の映画)

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ジャイホーにて久々の観賞。実験性と娯楽性のバランスがいい入門編にふさわしい一本。『殺しの烙印』ほどぶっ飛んでなく、『東京流れ者』のような独特の抒情もないが、友人の死因を探るためにヤクザに潜入し、対立す>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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コンビネーションミットの小気味良いリズム。音楽的とすら言えるボクシングジムの風景を音のない世界に生きる主人公を通して描くことで、逆説的に聴覚障害者へのエンパシーを喚起するつくりがありそうでなかった。>>続きを読む

フェーンチャン ぼくの恋人(2003年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

タイのイケてる映画会社GDH559黎明期の作品。1980年代の地方の町での眩しい少年時代と淡く切ない恋模様が瑞々しく描かれる。フィルムの質感、センチメンタルな作風は侯孝賢初期作など90年代台湾映画の手>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

見終わった瞬間、次の回のチケットを押さえ、即座に再見。こんなの何年ぶりだろうか。
映像、脚本、そして音響と緻密に張り巡らされたコンテクストにクラクラしそう。以下、忘れないうちにメモとして書き留めておき
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暗殺の森(1970年製作の映画)

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シネフィルWOWOWから出たUHD Blu-ray。くっきりと見やすくなったけど、この映画の持つ陰鬱で退廃的なムードはしっかりと残してて素晴らしい仕上がり。ブックレットの解説も、マルチェロとクアドリ教>>続きを読む

ヤコペッティのさらばアフリカ(1966年製作の映画)

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野蛮で愚かな人間たちを描くために、自身も野蛮と残酷の魔物と化してしまったヤコペッティの真骨頂。『世界残酷物語』のような面白映像ショーケースとしての荒々しさはなくなったものの、画力のキレは増していて、や>>続きを読む

サンドラの週末(2014年製作の映画)

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うつ病から職場復帰を待っていたサンドラは、急な解雇を言い渡される。職場に復帰するには、同僚にボーナスを諦めてもらうように説得して回らなくてはいけない。というだけの映画。
同僚は、謝りながら断ったり、居
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

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『イット・フォローズ』は当時めちゃくちゃハマって、新作も楽しみにしてたんだけど、SNSの評判があまりに微妙なテンションだったから急激にモチベーションが低下し、結果ジャイホーで配信されてようやく見た。や>>続きを読む

田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

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ブレッソンのシネマトグラフ的な作法を最初に確立した作品、とされてるけど、後年の作品群のような研ぎ澄まされた感じはまだなくて、普通の映画っぽいシーンもある。上手いことに変わりないが。
主人公がグズグズい
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ヤマドンガ(2007年製作の映画)

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ラージャマウリ監督第4作で、NTR Jr.主演。インド映画らしい運命論的な恋愛模様と、地獄から閻魔大王が主人公を連れに来るという壮大な死生観が楽しい歌とダンスと共に描かれる。主人公がヒロインにもらった>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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私の家庭はゲーム禁止だったからマリオにそんな思い入れないけど、スーパードンキーコングは友達とか親戚の家でめっちゃやり込んだからジャングルランドで、一瞬テーマ曲かかったのはちょっと上がった。ゲーム好きな>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

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字幕吹替両方観賞。
トリックスター的なサイドキックだったロケットが、実は主人公だった…という完結編。
vol.2のクレジット前のラストカットがロケットの顔のクローズアップなのが結構印象的で、なぜなんだ
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

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雪崩のシーンは本物みたいに見えるし、ワンカットで夫婦の信頼に決定的な亀裂が入ってしまう大事な場面なので非常に良かった。
雄大な雪山のスキー場という舞台も、人間の存在のちっぽけさやよるべなさ、それをコン
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悪魔が来りて笛を吹く(1979年製作の映画)

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原作は金田一耕助シリーズでも特に救いのない話で好きなんだけど、なかなか映像化に恵まれていない気がする。個人的には稲垣吾郎のドラマ版が好きかな。
西田敏行のアプローチがコミカルとシリアスのバランスがうま
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イップ・マン外伝 マスターZ(2018年製作の映画)

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葉問4部作は、最初の2作しか見られてないけど楽しめた。話の筋が直線的でわかりやすいのと、アクションの配分が絶妙なので見ていて飽きない。中盤、自宅を放火されてからの香港のネオン看板を生かしたアクションが>>続きを読む

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

主人公ファミリーが結構成長してしまったことで、一作目ほどの輝きが若干失われてしまった感は否めない。『ストレンジャー・シングス』でも起こってる現象だと思うけど。たぶん作り手もそこには気づいていて、「変身>>続きを読む

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

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2018年の『SSSS.GRIDMAN』は、円谷作品の中でもほとんど忘れ去られていたB級キャラクターを青春学園ドラマとして鮮やかにリブートしつつ、本家ウルトラ以上(同時期はどちらかというと異色作のウル>>続きを読む

立ち去った女(2016年製作の映画)

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冤罪で30年間も刑務所に入っていた元教師の女。ようやく嫌疑が晴れて出所したが家族は離散、夫は死別。主人公は自分を陥れた元恋人に復讐するため、行動を開始する…というプロットだけ読むと桐野夏生のノワール小>>続きを読む

ポリス・ストーリー3(1992年製作の映画)

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結婚、離婚を経たミシェル・ヨーの復帰作。今回は中国公安との合同で、さらに潜入捜査というなかなか込み入ってそうなんだけど登場人物が少なく直線的なストーリーなのでかなりシンプル。ジャッキーが組織内で孤立し>>続きを読む

乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

田中絹代が巨匠たちの「サポート」から完全に自立し、女性脚本、女性主演で女流歌人の半生を描いた女性映画の金字塔。これまでと違う女性映画を撮ってやるという田中氏の気概がビンビン伝わってくる。
女流歌人にな
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わるいやつら(1980年製作の映画)

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もっとドロドロしたピカレスクロマンを想像してたけど、主人公の戸谷があまり魅力的じゃないからそんなに面白くならなかった。片岡仁左衛門にはあまり合わない役だったのでは。良くも悪くも2時間サスペンスのノリに>>続きを読む

月は上りぬ(1955年製作の映画)

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田中絹代監督作だが、脚本は小津安二郎でカメラワークや台詞回しに強く影響を感じさせる。油断して見ていると小津作品と間違えてしまいそう。
でも随所にガールズムービーっぽさはあって、ぺちゃくちゃ喋りながらス
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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『仮面ライダー』一作目初期の怪奇色や暴力性、ハードボイルドな感触を純粋培養したような映画。登場人物がほとんどライダー側とショッカーしか登場しない排他性、無国籍感も初期ライダーっぽくて好みだった。『シン>>続きを読む

剣鬼(1965年製作の映画)

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犬と蔑まれながら育った青年斑平は、花づくりの名人として城に徴用されるが、一方で情勢不安定な藩内政治に巻き込まれ人斬りとの才能を開花させていく…。
馬に追いつくほどの健脚という設定にはちょっと笑ってしま
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斬る(1962年製作の映画)

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Blu-rayにて。

スジ、ヌケ、ドウサの全てが極限まで削ぎ落とされたほぼ完璧な映画。
全ての始まりとなる女による女殺しをバックに「斬る」のタイトル。エモーションを排した叙事的な筆致で描かれる剣士の
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十七人の忍者(1963年製作の映画)

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東映集団時代劇路線の第1作。
前半はちょっと退屈したけど、城への侵入作戦が始まる後半から俄然面白い。劇伴も最小限で緊迫の潜入劇。敵側の陣頭指揮を取る才賀は、紀州の根来衆忍者出身で、エリート集団である伊
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

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17世紀の修道院を舞台に、神と交信できるベネデッタが、のし上がっていくピカレスクロマン。ベネデッタが生命力と妄想力とハッタリだけでキリスト教的な父権主義や拝金主義、欺瞞に満ちた禁欲を打ち負かしていくと>>続きを読む

網走番外地 望郷篇(1965年製作の映画)

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東映オンデマンドにて。
長崎ロケということだけ知っていたけど、今回初めて見た。
網走を出て、故郷でカタギに戻ろうとする健さんが、港湾荷下ろしのシノギをめぐる抗争に巻き込まれるストーリー。舞台となる港湾
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明治大正昭和 猟奇女犯罪史(1969年製作の映画)

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阿部定(本人)が自分で事件のことを語るシーンが一番やばい。