diesixxさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ひまわり(1970年製作の映画)

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俳優としてのキャリアののち、ネオレアリズモの旗手として鳴らし、その後はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニコンビの俗っぽいラブコメで大衆の心を掴んでいったデ・シーカ。『ひまわり』は、実録社会>>続きを読む

鶴は翔んでゆく/戦争と貞操(1957年製作の映画)

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20年ぶり再見。IVCから2023年に発売された4Kリストア版。序盤から撮影の才気走り方が半端じゃなく、これはVHSの画質であっても一目瞭然であったが、画質の向上により、照明の高度さも際立って、より一>>続きを読む

俺たちの血が許さない(1964年製作の映画)

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前半は高橋英樹&長谷百合、小林旭&松原智恵子の対照的なカップルが面白く、編集のテンポも小気味良くて、かなり面白い。後半の銃撃戦が映像が暗いのと重苦しい愁嘆場になり、ちょっと冗長だった。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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どこに連れて行かれるかわからないまま映画を見たのは久しぶりの体験。てっきり宮崎駿の少年時代を脚色したリアリズムエッセー路線かと思っていたのでアオサギが喋り始めてびっくり。良くも悪くもいつものジブリ映画>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

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女子高生殺し屋の日常をオフビートなタッチで描くノリ、自分が大学生のころに死ぬほど見せられた映画サークルの自主映画すぎてきつかった。ヤクザ側の2000年代っぽいキャラクター造形も結構むず痒い。しかしアク>>続きを読む

サムライ(1967年製作の映画)

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メルヴィルのノワールの中でも、とくに詩情と色気が高い作品。アンリ・ドカのカメラは、ブルーを基調とした暗く、艶かしい夜闇を映し出し、メルヴィルの美意識をかんぺきに表現してみせた。その強靭な美意識と呼応す>>続きを読む

仁義(1970年製作の映画)

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U-NEXTで久しぶりに見てみたら、なんかちょっと違うような…よくよく調べたらオリジナルより20分カットされた短縮版だった。見る人は要注意。ただでさえ、説明の少ないメルヴィル作品なので、余計飲み込みづ>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

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今回の敵はAIだ!というのがわかりやすくて良かった。潜水艦に乗っているAIが、あらゆるデータ改竄で先回りして人類をコントロールしようとしてくるの、10年前なら「名探偵コナン」にありそうな設定だったけど>>続きを読む

リンク(1986年製作の映画)

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「ヒッチコック『鳥』のアニマルトレーナーが魅せる」というよくわからない枕ことばが冠せられたイギリス映画。監督のリチャード・フランクリンは『トパーズ』でヒッチコックの下で働いた経験もあり、後に『サイコ2>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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これは劇場で見ておくべきだったな…。子どものころ、とても幸せを感じているんだけど、いつか自分も大人になって、両親も亡くなって、歳をとって、いつか死んでいくんだ…とたまらなく不安になる夕暮れ時が、たまー>>続きを読む

怪談雪女郎(1968年製作の映画)

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山本薩夫の『牡丹灯籠』と並んで、私が偏愛している大映黄金期の怪談映画。以前、蓮實重彦が「大映の雪を見てきた目には『キル・ビル』の雪の降り方はあまりに粗雑で許せない」と書いていて「じじいウゼー」って思っ>>続きを読む

イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)

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『吸血ギャング団』のリメイク映画でイルマ・ヴェップを演じるために香港からやってきたマギー・チャン。神経質な落ち目の監督(ジャンピエール・レオ)のせいもあり、現場の雰囲気は険悪で、身の回りの世話をしてく>>続きを読む

美女と野獣(1946年製作の映画)

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「美女と野獣」の映像化としては最も古い部類だが、野獣の屋敷の豊かなイマジネーションは今見ても色褪せず、世界観としては未だにコクトー版にとどめを刺す。野獣の特殊メイクや不気味だがセンスオブワンダーに満ち>>続きを読む

召使(1963年製作の映画)

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品のいい青年貴族が、ベテラン召使を雇うが、「妹」を名乗るメイドを新たに雇ったことをきっかけに、だんだんと主従関係が逆転していく。鏡、階段、窓、照明といった室内の小道具を効果的に用いたロージーの演出手腕>>続きを読む

ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

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新聞社の同僚(上司と部下)だった元夫婦のヨリを戻す、戻さないまでのロマンティックコメディと、政治利用される無実の死刑囚をめぐるスクープ合戦が交錯する複雑なストーリーを、口喧嘩と電話の膨大かつ丁々発止の>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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初日に『ザ・フラッシュ』とハシゴして見たけど、あまりの情報量に脳みそが追いつかず(しかも字幕版だっため)途中で強烈な眠気に襲われた。2回目は吹替で、しっかり糖分摂って臨んだけど、まだ細かいところとかB>>続きを読む

プリンセス・ブライド・ストーリー(1987年製作の映画)

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見終わったあとに、特に人生の見方が変わるわけじゃない。ただ、あしたも平穏な日々が続くんだろうな、という無条件な安心感をかみしめながら、温かいベッドでまどろんでいる。毒にも薬にもならない砂糖菓子のような>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

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しがない農家の息子バリーが、悪運と喧嘩もハッタリだけでのしあがり、破滅していく18世紀貴族社会のピカレスクロマン。ライアン・オニールの最初から最後まで貴族社会に馴染めていない野暮ったさが愛おしくも悲し>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

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クライテリオンにて。
Y2Kカルチャーがスポットを浴びているけど、この映画が今のティーンエイジャーにも刺さるのか興味がある。99年作だが、ガス・ヴァン・サントの『エレファント』と並び2000年代の気分
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大脱走(1963年製作の映画)

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俺、あっなーをほっる♪
クライテリオン盤にて久しぶりに。
各人役割をこなしながら、テキパキと脱獄を準備する前半部。脱獄穴が露見し、仲間の1人が死亡…血湧き肉躍るアクションと手に汗握るサスペンス、そして
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幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形(1970年製作の映画)

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ハマーフィルムに着想を得た和製怪奇映画の原点かつ頂点。吸血鬼のキャラクターとしては次作以降の岸田森の強烈なインパクトに譲るが、全編を貫くゴシックなムードと、メリハリの効いた恐怖演出はこちらにとどめをさ>>続きを読む

月の輝く夜に(1987年製作の映画)

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イタリア系移民のコミュニティやライフスタイルに材を取ったロマンティックコメディ。
若きニコラス・ケイジがワイルドでセクシー、でもオペラ好きというギャップに萌える。恋愛の描写自体は淡白なのだが、シェール
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『スパイダーマンNWH』で開いたマルチバースの扉、文字通りエンターテイメント映画界としても禁断の扉だったんだということがよくわかった映画。面白い!本当に最高だった!最高だったんだけど、もう後戻りできな>>続きを読む

タンポポ(1985年製作の映画)

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トラック運転手のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)が、ひょんなことから寂れたラーメン屋の女主人タンポポ(宮本信子)と知り合い、味がイマイチなラーメンを立て直す、という縦軸に、食をめぐるコントっぽい挿話が>>続きを読む

人妻集団暴行致死事件(1978年製作の映画)

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ロマンポルノというより、東映の実録犯罪ドラマの趣が強い傑作。室田日出男、黒沢のり子も東映出身。『㊙️色情めす市場』と双璧をなす田中登の代表作で、田中の主要なモチーフである水のイメージが、全編の通低音と>>続きを読む

オルエットの方へ(1970年製作の映画)

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バカンスでフランス西部のヴァンデ県を訪れた3人のギャルがキャーキャーとはしゃいでいるだけの多幸感が160分持続する奇跡の映画。16ミリフィルムをブローアップした荒い粒子の映像が、ノスタルジックで甘美な>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

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アメリカンニューシネマや西部劇っていまいちハマらなくて、一番の理由は子どもの頃、映画好きになるかなり早い段階で『テルマ&ルイーズ』を見てしまったからだと思う。
古典的なボニー&クライド型ロードムービー
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殺人者はライフルを持っている!(1968年製作の映画)

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昨年没したピーター・ボグダノヴィッチの鮮烈なデビュー作が、クリイテリオンコレクションにラインアップ。
低予算映画の帝王ロジャー・コーマンは、映画批評家として名を上げていたボグダノヴィッチに電話をかけ、
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ラフィキ:ふたりの夢(2018年製作の映画)

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ケニア映画。アフロカルチャーのカラフルな色使いを前面に押し出した画面が楽しい。若い世代の生活、風俗をイケてる映像で見せていて、A24…もっと言うと『ムーンライト』っぽい。
ケナは寡黙だがきっぷがよく、
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愛しい詐欺師(2020年製作の映画)

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元カレに金を騙し取られた主人公が、詐欺師と組んで金を奪い返すロマンティックコメディ。元カレも詐欺師なので、騙し騙されのコンゲームなのだが、同じGDHの『バッド・ジーニアス』と比べるとかなり演出もシナリ>>続きを読む

アラヴィンダとヴィーラ(2018年製作の映画)

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インド映画でも家父長主義やトキシックマスキュリティへの対峙が主題になるんだと感心。こちらはテルグ語映画。主演は『RRR』のNTRJr.。やはりダンスのうまさが際立ってるが、今回はインド映画によく見られ>>続きを読む

ミュータント・タートルズ(1990年製作の映画)

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子どもの頃タートルズ流行ったなあ。ゼロゼロ発射🎵
ジム・ヘンソンがデザインしたタートルズは表情豊かで今見てもかなり良くできている。アクションもさすがゴールデンハーベスト。マイケル・ベイ製作の2部作より
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