シャチ状球体さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

3.6

この映画ががあるからプリクエルはかろうじて語り継がれている……。

EP1の時点で既に腐敗していた共和国議会が完全に帝国主義へ移行し、共和国黄金時代の名残であるジェダイは全員抹殺され、オビ=ワンとアナ
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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

3.3

オビ=ワンとアナキン、二人とも衝動的だったり意見を譲らないところが似ていて、相性が超悪いので見ていてハラハラする。
アナキンは元々クワイ=ガンだけが才能を見出していたから、オビ=ワンにとってもどう接す
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市子(2023年製作の映画)

1.9

貧困に対する解像度が低いという邦画あるあるはこの映画にも当てはまっていて、市子の人生をミステリー仕立てにしていること自体が不誠実だと思う。

酷い経験や刹那的な人間関係だけを見せて、だから不幸なんだと
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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

3.6

政治劇として見ればそこそこ面白いプリクエル・トリロジーの一作目。

毎回思うのは、EP1の時点で既に銀河帝国が作られる下地ができてること。共和国の議会はシスのダース・シディアスを止めるのに何の力も持た
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スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年製作の映画)

3.5

オリジナル・トリロジー完結編。
少しずつシークエルの足音が近づいている……もう長くは持たないだろう。

ジャバってEP4の時は人間の取り巻きを大勢連れてたと思うんだけど、今回は手下が何故かエイリアンば
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クリスタル殺人事件(1980年製作の映画)

2.7

推理力があり余るあまり、映画館の観客たちにミステリー映画の犯人の推理を披露するミズ・マープル……ただの迷惑客な気もしないでもない。

そして、映画撮影を巡って起こる殺人事件や女優同士の確執。それを近所
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スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年製作の映画)

4.2

ハン・ソロって普通に嫌なヤツじゃん?と思いつつ、雪の惑星ホスでの戦闘シーンやヨーダの登場など、様々なイベントやロケーションが盛りだくさんでバラエティに富んだ絵面が楽しめるので細かいことはあまり気になら>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

4.7

シークエルという人災から約4年と3カ月。6月に迫った『アコライト』の配信を前に、Filmarksを始めてから一度も振り返ってこなかったこのシリーズと向き合う時がついに訪れたのであった……。(ここまで前>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0

アガサ・クリスティ原作の映画。

『地中海殺人事件』と比べると殺人事件が起こるまでのシーンも普通にシリアスで、婚約破棄やストーカー、上流階級同士の妬み嫉みといった推理小説であまり読みたくないドラマばか
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地中海殺人事件(1982年製作の映画)

3.8

アガサ・クリスティー原作の映画が観たくなったので視聴。

タイトルの割に(?)壮大かつ爽快なオープニングタイトル、死体役の俳優が全然死体になれていない変なところでほ稚拙さ、殺人事件が起きているのに舞台
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第三の男(1949年製作の映画)

3.3

昔大学の講義で見せられて、目が覚めたらエンディングだった映画。

ハリーの事故死を巡って関係者達の食い違う証言の謎を追っていくホリーが特に魅力的なキャラクターに思えず、社会的地位の高いシスヘテロ男性ば
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.8

どころ切り取っても自省が支配している映画。

ポー・ダメロンと同じ人(?)とは思えないオスカー・アイザック演じるウィリアム・テルは非常に謎めいた人物で、感情を表に出さないのにギャンブラーをやっている。
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マッチ売りの少女(1928年製作の映画)

3.8

テロップと物悲しいピアノ等だけで説明される台詞のない世界の表現の仕方が、ナラティブなアドベンチャーゲームに似ているとなんとなく思った。
ドット絵とか水彩画タッチのインディーゲームでこういうカットシーン
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

2.6

主人公の狭い生活圏で全てが完結する感じが邦画っぽかった『1秒先の彼女』の日本版リメイク。

何だか『翔んで埼玉』(この映画について言及することは今後一切ない……はず)のように、ハジメ(岡田将生)が自身
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落ちた偶像(1948年製作の映画)

4.4

邸宅を舞台に、フェリッペの家族や執事達の人間関係をテンポ良く描いていて、次に何が起こるのかを予想できない面白さがある。
大人同士のいざこざの間に子どもを挟むだけでシリアスなドラマもコメディになるし、そ
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ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

3.9

映画自体もそうだし、制作過程の混乱も有名な『地獄の黙示録』の舞台裏を映したドキュメンタリー。
派手なアクションシーンも多い前半と地味~~~~~~~×65535な後半の(悪い意味じゃなく)テンションの落
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.8

前衛的過ぎて吸収するのが難しい映画。

基本的にキャラクターは殆ど不定形。ストーリーも抽象的で、舞台は家の中から一歩も動かない。
順当に考えればオオカミは独裁者または支配的な空気そのもののメタファーで
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ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

3.4

エコテロリストと聞くと派手に環境問題を啓発する運動をしているイメージがあるけど、本作のそれはかなり地味。
映画の前半はテロ行為に必要な素材を集めるために奔走しつつ、ついでに経歴に傷がつくと社会生活を送
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.9

家と家が繋がるという意味での結婚と跡継ぎを作ることが義務。
そんな時代にメイドとして従事するジェーンに与えられた唯一の裁量は規範を守らない(自由恋愛をする)ことであり、その経験を後年に書き記すというの
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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.6

逃がし屋(ドライバー)を主人公にした比較的オーソドックスなクライムアクションだけど、主人公のウナが脱北経験のある女性ジェンダーであること、そして親子関係が重要なテーマになっていることが特徴。

アクシ
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私たちの家族(2021年製作の映画)

5.0

トランスジェンダーが直面する様々な障壁についてきちんと言葉で表現できていて、それに対する解説や説明はない。でも、それでいいと思う。
長編ならまだしも、短編の尺で何も知らないマジョリティの括弧付きの不安
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東京画(1985年製作の映画)

3.4

ヴィム・ベンダースが東京の街を撮ったドキュメンタリー。なんで?

冒頭からいきなり監督が小津安二郎映画を褒めちぎり、バブル真っ只中で活気あふれる東京の風景が映し出される。
別世界過ぎて夢のようだと監督
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.9

職場に居場所のないフィリッパが、歴史の中で悪人とされてきたリチャード3世の名誉を回復させるために色々な文献を探したり学者の話を聞いたりして証拠を集めていく話。

正直調査の最初のきっかけとなるグループ
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ライ・レーン(2023年製作の映画)

4.5

オールジェンダートイレで出会った、たまたま恋人と別れたばかりのドムとヤズ。この導入だけでも100点でいい。

攻撃的or支配的な人が出てこないので居心地が良く、一応ラブストーリーだけどロマンティックな
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ボヤンシー 眼差しの向こうに(2019年製作の映画)

3.8

まだ10代の子どもが貧困からタイへ密入国して強制労働をさせられるというハードなストーリー。ほぼ全てのシーンが船の上で展開され、逃げ場のない閉鎖空間でブローカーにそれぞれの命を人質にされた労働者達の日常>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.3

SNSで評判が良かったヤツ。

端的に言えば野外版正義の『ドント・ブリーズ』のような映画で、ひょんなことからナチスの小隊に狙われた元フィンランド軍兵士が驚異の身体能力で全員を返り討ちにしていくだけのシ
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Of An Age(原題)(2022年製作の映画)

4.2

計算された映像美が登場人物の恋愛模様を際立たせている映画。

今よりも何段階か不便で同性愛者への差別も酷かった1999年、コルとアダムの偶然過ぎる出会いはお互いにとって運命的だったはず。
進路のことも
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.7

あらすじだけだと何の映画か分かり辛いけど、女性ジェンダーから見た有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)がどのようにして男性ジェンダーを苦しめ、そして抑圧の連鎖が社会に波及しているのかをホラーと>>続きを読む

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

2.2

今日は『ポライト・ソサエティ』を観る予定が、U-NEXTのエラーでそれだけ再生できないので代わりにこれを視聴。映画の振れ幅がすごい。

『ズーム/見えない参加者』で新世代ホラーを作り出したロブ・サヴェ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

3.5

MCU作品を独立してそうな順から観ていく作戦(?)。公開順だとマッチョなヒーロー映画を何本も乗り越えなければいけなさそうなので……。

ジェームズ・ガン映画は大体反権威主義とミソジニーが一緒になってる
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.4

人種のステレオタイプをテーマにした映画。

黒人=貧しくて生活が暴力に覆われていて家族仲が悪い、みたいなイメージがマジョリティの間で存在し、黒人達自身もそのイメージを内面化してそれに沿った物語を作って
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トーゴー(2019年製作の映画)

3.7

ウィレム・デフォー×犬、可愛さの2乗ですね。

伝染病の血清を手に入れるために主人公が冬の雪山を犬ぞりチームと越える旅に出るまでの序盤から緊張感があり、雪が文字通り生活のための陸路を塞いでしまった環境
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.6

Web広告みたいな日本語のフォントはさておき、火や水、土といった様々な種族が同じエレメント・シティに暮らしているのは、様々なルーツの人々が暮らすアメリカをモチーフにしているのだろう。

他の主ゾックと
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イヌとイタリア人、お断り!/犬とイタリア人お断り(2022年製作の映画)

3.7

保守的なイタリアの村で出会った二人の恋愛模様と生活風景をナレーションの説明と共に描きながら、当時の世界情勢の変化を追体験していく映画。

地方は国政の影響を受けるのが数年遅れるというところに生々しさが
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.1

動物のキャラクターが歌う有名アーティストの楽曲をたくさん聴くことができる……代わりに色々なものを犠牲にしている映画。

審査員が主人公の『フラッシュダンス』のようなストーリー展開で、審査員と出場者の非
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

3.5

『オデッセイ』と違って火星に取り残されるのではなく、月に3年間滞在する仕事をしている人の話。

サムの身に降りかかった事故の真相、ミッションに隠された裏側。
ディスプレイに感情を示す絵文字が表示される
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