AJAPARATIONFILMさんの映画レビュー・感想・評価

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怪物(2023年製作の映画)

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コンペティション『怪物』(@対面)。是枝裕和の新作は、映画でもなんでもないきわめて人為的な演出がもはやしらけるレベルであり、あいも変わらず子供を出しにしてすべてをさらけ出せる開示行為にはドン引き。話題>>続きを読む

チネチッタで会いましょう(2023年製作の映画)

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・コンペティション『Il sol dell'avvenire』(オンライン試写)。ナンニ・モレッティの新作は共産主義者の映画を撮ろうとする監督を巡る、奇妙なドタバタコメディミュージカル。フェリーニとは>>続きを読む

The Goldman Case/ゴールドマン裁判(2023年製作の映画)

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監督週間オープニング『LE PROCÈS GOLDMAN』(オンライン試写)。セドリック・カーンの新作は左翼知識人ピエール・ゴールドマンの1970年の裁判をめぐる再現映画。裁判シーンだけに徹底的に特化>>続きを読む

Disco Boy(原題)(2023年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。不法入国を目指す中で友人を失い、外人部隊での軍人採用によってフランスにアイデンティティを獲得しようとする男アレクセイと、ニジェール・デルタで植民地主義とのゲリラ>>続きを読む

Till the End of the Night(英題)(2023年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。クリストフ・ホーホイスラーの10年ぶりの新作は、一瞬ファスビンダーの『13回の新月のある年に』と類似したものを感じたのだが...どうも違う。ファスビンダーと異な>>続きを読む

夏の終わりに願うこと(2023年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。子供向けで言えばLila Avilés『Totem』の方が良作。ある大家族を舞台に父の誕生日と送別という二重の儀式が行われる一日の慌乱→対立→喝采→空虚への変遷>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭期間中に合わせて拝見。新海誠『Suzume(すずめの戸締り)』は、東日本大震災を単なる消費の記号に貶めた卑劣極まりない作品である。地震を不可視とする事で、原発という真の人的災厄から目>>続きを読む

ミツバチと私(2023年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。9歳の子役の見事な演技をもって成り立つこの作品は、真の名前で呼ばれることのない少女の内的/外的な二重の孤独をある田舎の村落での休暇から描き出す。しかしながらカル>>続きを読む

Ingeborg Bachmann - Reise in die Wüste(原題)(2023年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。フォン・トロッタ御大の新作は今年没後50年になるインゲボルク・バッハマンの人生を彼女のマックス・フリッシュとの長年の関係と、それらを想起しながら行われるエジプト>>続きを読む

ミュージック(2023年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。オイディプス王を翻案したアンゲラ・シャーネレク『Music』には圧倒される。死が蔓延するこの世の中に向かって、拘置所からキッチンから森の中から「歌」の蜂起の狼煙>>続きを読む

Afire(英題)(2023年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。自らの作品を制作するためにある田舎町のコテージにやってきた作家とカメラマンが、そこに住まう2人との関係を築きながらも山火事という大事件を媒介させながらあくまでも>>続きを読む

苦い涙(2022年製作の映画)

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近年のオゾン作品の何が良いかさっぱりわからなかったが、今作品は割と良い出来の作品であった。ただ冒頭は少なくともファズビンダー御大には勝てんだろう。

愛と激しさをもって(2022年製作の映画)

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漸くベルリンコンペで未見だった『愛と激しさをもって』をみた。ドゥニもフランスのタダの平凡な監督に堕ちた。ランドンとピノシュの演出法もいかにも心底つまらない、喧嘩ばかりの117分。

A E I O U - A Quick Alphabet of Love(英題)(2022年製作の映画)

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ベルリン映画祭オンライン試写で。奇妙な愛を貫く年離れた男女の恋愛をコミカルに描く。なぜ最後が、竹内まりやなのかは謎。

ノスタルジア(2022年製作の映画)

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FSPオンライン試写で。母の死を看取る/悪ガキ仲間の極悪非道さに打ちのめされるという2部に分かれている。音楽のセンスがダメであるが、主人公の映画的振る舞いが見事である。どんな終末であれ多幸感の残る素晴>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

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オンライン試写で。ファムファタールの意味がよくわからない微妙な作品。

にわのすなば GARDEN SANDBOX(2022年製作の映画)

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FIDマルセイユオンライン試写で拝見。聞き間違えそうな奇妙な田舎町を舞台に放浪、差異、円環、そして戯れと踊りが炸裂する(本職が研究者である新谷和輝が強烈な俳優である)。音と共に、映画の断絶と、そして拡>>続きを読む

パシフィクション(2022年製作の映画)

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オンライン試写で拝見。大傑作。まずはこの言葉に尽きる。なぜこの作品がパルムドールはおろか無冠なのか。

アルベール・セラの新作『PACIFICTION – TOURMENT SUR LES ÎLES』
>>続きを読む

Tchaikovsky's Wife(英題)(2022年製作の映画)

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権利会社のご厚意によりオンライン試写で。チャイコフスキーと6週間しか結婚生活を送れなかったアントニーナ・ミリューコヴァの結婚、離婚、絶望に至る物語。しかしながら構成が冗長すぎるに加え緊張が殆どなく、セ>>続きを読む

笑いの王(2021年製作の映画)

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オンライン試写で拝見。マルトーネの新作は、戯曲の権利をめぐる裁判物語でありその当事者となるエデゥアルド・スカルぺッタの苦悩と笑いへの苦闘をトニ・セルヴィッロが重厚に演じているのが利点。ただ、全体的に尺>>続きを読む

すべては大丈夫(2022年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。リティ・パンの新作はある死した市民の来ていたTシャツより名付けられている。さて今作では、『消えた画』と同じようにジオラマ、動物のジオラマに人類の暴力の歴史を見つ>>続きを読む

Alcarràs(原題)(2022年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。本年度金熊賞を受賞したカルラ・シモンの新作『Alcarràs』は、カタルーニャの農村を舞台に、モモ農園を営む父の労働と搾取(権利書不在による土地の収奪)への苦悩>>続きを読む

Rimin(原題)(2022年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。落ちぶれた元人気歌手が、自らがかつて捨てた子供の出現により自らの世界を崩していくという物語。よくありがちなプロットをザイドルは歌手の映し方、セックス、そして緊張>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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ベルリン国際映画祭オンライン試写で拝見。ペンの筆音から始まり、都市の動く音、川の音やトレーニングの足音、目を澄ませるボクサー。声や映像のきめ。コロナ禍の中で新たな大傑作が誕生しました。一人でも多くの人>>続きを読む

バビ・ヤール(2021年製作の映画)

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こちらも同時期にオンライン試写で拝見した。スタンダードサイズによる、ウクライナのユダヤ人大虐殺についての悲惨な事実のアーカイブ映画。中盤のテクストと停止写真のフォトモンタージュが、処刑のシーンに該当す>>続きを読む

ミスター・ランズベルギス(2021年製作の映画)

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製作会社ATOM&VOIDのご厚意により、いち早くオンライン試写で拝見。1988年の対ソ抵抗組織サユディス創設に携わった音楽学者で政治家のランズベルギスの肖像から、1991年のソ連崩壊に至る激動のリト>>続きを読む

トラララ(2021年製作の映画)

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7月のカンヌ映画祭試写にて、hors de competitionの『TRALALA』(Arnaud Larrieu & Jean-Marie Larrieu)。もうね、マチュー・アマルリックやメラニ>>続きを読む

Forest - I See You Everywhere(英題)(2020年製作の映画)

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セールスのご厚意によりオンライン試写で観了。7つの短編による共通の運命を描く、ベルリン国際映画祭2021銀熊賞作品。強固なクローズアップによって行われていく対話、俳優の語りの力の凄みや、きめを重視する>>続きを読む

ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

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フィルメックス2021のコンペに現れた大傑作。コベリゼは、映画の様式を厳格に堅守しながらも、偶然と変容(身体)、忘却、そして労働(それは知識でもある)と歴史という重要な政治的図像を軽々と越境しながら、>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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カンヌ国際映画祭パルムドール(オンライン視聴)。前提と文脈を追うことで多様な解釈を生み出すことのできる可能性に満ちているが、最初の殺人の意義以外は基本的に意味不明である。そして年老いたヴァンサンが家父>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

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カンヌコンペ作品の受賞作品で唯一未見だったこの作品をTIFF2021のよみうりホールのかなり良い位置でプレス試写で堪能。圧巻の136分。アピチャッポンならではの睡眠という究極の政治的図像に加え本作では>>続きを読む

ミゲルの戦争(2021年製作の映画)

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山形国際ドキュメンタリー映画祭2021コンペ作品。事前オンライン試写で拝見。監督の仕事を手伝ってきたミシェル(ミゲル)という一人の男性であり、女性の心を持ち、そして人間であろうとする人物を映し出すドキ>>続きを読む

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(2021年製作の映画)

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『劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト』は演劇の死以上に残酷な演劇の歓待の不可能性を示唆する。演劇から発せられる殺戮に翻弄され、次なる舞台の上を意識的に立たない少女が舞台から追放されるという「無の否>>続きを読む

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