幽斎

サイレント・ロッジ 隠された闇の幽斎のレビュー・感想・評価

2.0
令和4年1月某日。京都で活動する映画ブロガーと、ミニシアター6館の支援者(京都シネマ、京都みなみ会館、出町座、アップリンク京都、福知山シネマ、舞鶴八千代館)が一堂に会して新年会を開催。場所はソーシャルを保てるザ・プリンス 京都宝ヶ池。私はFilmarks移行後ブログは停止してますが、ミステリー代表として参加。

プリンスと言えば中国料理 桃園。京鴨春巻き、京都ぽーく炒飯、京肉XO醤炒めなど、中華と京都のコラボが秀逸。観光客の方は京都と言えば和食に偏りがちですが、京都人なら中華が一押し。餃子の王将や天下一品は京都が発祥の地、来来亭も京都の街ラーメンのコピー。何の話でしたったけ?、あぁ映画の話でしたね。私の2021年ベスト「マリグナント 狂暴な悪夢」ワースト「殺人鬼ジョン・ドウ」ですが、毎回ホラー担当の某氏のセレクションは傾聴に値する。今回は2021年を代表するクソ映画を御紹介。

今日は憶えて帰って欲しいワードが有る。「Midnight Releasing」アマブラ御用達のクソ映画専門会社。このレーベルを見た瞬間に再生を止めた方が、貴方の人生が豊かに成る事は間違いない。底辺にも地下何階が有るが、本作はハイレベルなクソ映画、大事な事なので2度言いました(笑)。多くの方の感想が「よく分らん映画だったな」だと思う。まぁ、スリラーってそんなもんと言えばソウだが、本作は展開の読め無さで興味を繋ぐ、様に見える。しかし、明かされた結末に納得する方は世界中でも0.01%も居ない。

肝心のオチについては、先読みして「それしかない」妙に丁寧で、スリラーとしての衝撃度は木綿豆腐に頭をブツけた程度。ブッちゃけ91分の中で60分は殆ど何も起こらない、禅の修行の様な展開が続き、これを日本語で「虚無感」と言うが、耐えきれずスマホを弄るのは、正しい生理現象。しかし、油断してるとレッグトラップ(後で調べたら虎挟み)登場シーンが唯一のハイライト。

登場人物に感情移入できない時点で、スリラーとして失格だが意図的に名前も混同し易いので、興味を削がれる展開が続く。以下ネタバレ全開なので未見の方はソッと閉じて欲しいが、生き残ったザックが、精神病院で酷い目に遭った少年の霊に感化され、箱に閉じ込めた霊を解放した。ザックリーの霊とザックの過去の記憶とは、少年がザックという名前に変えた成人。箱の意味は封印された過去の記憶。←こんな考察、時間の無駄よ(笑)。

アメリカで全く無名のAce Jordanが監督して脚本も書いて編集もした、一人芝居の様な作品。こんな作品に金を出すプロデューサーが居る事自体が、サブスクが終わってる証明の様なモンだが、ミステリーには定石が有り、また必要で「何か変わった事がしたい」「自分のオリジナリティを出したい」と思う時点で、その作品は終わってる。優れたスリラーはアイデア一発勝負で十分面白い。頭を捏ね繰り回して作った脚本では、本作の様にダッチロールするだけ。コレを映画として認めるのか?、其処から議論したい。

クソ映画が死ぬ程好きと言う方にはお薦め。こんな支離滅裂なスリラー、久し振りに観た。
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