『是非、特別時系列版も上映してほしい』
IMAXで鑑賞。
予告編の印象から思ってたのと、違う作品でした。
映画評論家町山智浩さんが、3回は観ないとわからないと言ってましたが、確かに。
大河ドラマ並みの数の人物が次から次へと登場し、しかも時系列がバラバラ。それがいつのどういう場面なのという説明もないので、追いつくのが大変。(最後まで観ればわかるんだけどね)
でも、あまりにもテンポ良く展開するので、上映時間3時間が体感2時間。
しかも、ある意味ミステリ要素で引っ張っていくので、絶対寝ると思ってたけど、寝ずにすみました。
科学者というと、どこか崇高なイメージ持っちゃうじゃないですか。どこまで事実に基づくのかわかんないけど、オッペンハイマー、結構ゲスな人物像でビックリ。彼を称賛する映画なんて日本で上映するなと今日までかかってしまった訳なんですが、全然称賛してないです。
原爆を落とされた日本の惨状を描いていないと批判する人もいるようですが、それはいくら描いても嘘になるとノーラン監督はわかっていたように思えます。
こんなオッペンハイマーをどう判断するかは、観客に委ねられていますよ。
あと、彼の心境を表す音響がすごかったです。ここまでベタなのは初めてでは?
(それにしても、「クライムズ・オブ~」にしろ「哀れなるものたち」にしろ、昨今のハリウッド女優の身体の張り方はすごいです。本作でも…)
【追記】
原爆投下の対象都市を選択するときに、米陸軍長官ヘンリー・スティムソンが、自分のハネムーン先だったからって京都を外すシーン、そんな一個人の意向で何万の人の生死が左右されるなんて、戦争のむなしさしかないです。で、そのセリフは実はアドリブで、長官役のジェームズ・レマーさんが自らリサーチした結果盛り込まれたんだそうです。拍手。