むらむら

デスパレート・ランのむらむらのレビュー・感想・評価

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)
5.0
俺基準での「キングオブ熟女」こと、ナオミ・ワッツが子供を助けるために走る87分。

いわばナオミ・ワッツ版「走れメロス」。

不登校で引きこもりの息子を残して森へとランニングに出かけたナオミ・ワッツは、携帯からの連絡で学校が発砲事件に巻き込まれていることを知る。そして、息子はどうやら、なぜか今日だけ、学校に行っているらしい。息子の運命は……? という内容。

観る前は、「ギルティ」や「サーチ」みたいな限られたシチュの中で展開される手に汗握るサスペンスかと思ってたら、手にスマホを握るナオミがウロウロする87分。

全編に渡って、ほぼ一人芝居。ナオミ・ワッツ出ずっぱり。

「シャドウ・イン・クラウド」が、クロエ・モレッツ ファン感謝祭
https://filmarks.com/movies/92987/reviews/131902391

「マッシブ・タレント」が、ニコケイ ファン感謝祭
https://filmarks.com/movies/97829/reviews/145477674

だとすると、この作品は、確実に

「ナオミ・ワッツ ファン感謝祭」

と名乗って良いであろう、出し惜しみないナオミの存在感。俺はいま、新たな「ファン感謝祭」映画が誕生した瞬間に立ち会えたような、誇らしい気分だ。

なので、たいていのことは許してしまう俺がいる。

息子が引きこもってるのに毎日1時間くらいジョギングに出かけてる意識高いナオミ……。

最初は軽快に走りながらSiriで指示を出してるのに、気付いたら歩いてるナオミ……。

それどころか、立ち止まってしまうナオミ……。

そんなの全く問題ない。キングオブ熟女なんだもの。息切れして当然でしょ? 疲れて当然でしょ? シガニー・ウィーバーじゃないんだから。

正直、俺は観てるあいだずっと

「走れナオミ!」
「途中でタクシー(UBER)乗ってんじゃねーよナオミ!」
「タクシーの運ちゃんに充電お願いしてんじゃねーよナオミ!」
「自分勝手な行動で関係者全員を危機に陥らせてんじゃねーよナオミ!」

と、スクリーンに向かってキモいエールを送り続けていたぜ。

ところで、本編と関係ないが、エンドロールには一言だけ言いたい。

「銃社会は危険!」っていうメッセージを、観てるこっちが恥ずかしくなるほど直球で投げかけるエンドロール。いまどき、あまりにストレートなメッセージに

「作ってるの中学生なのか?」

との疑念すらも脳裏によぎってしまったほど。

だが、そんなことを口に出そうものなら、劇場入り口からナオミが走ってきてブン殴られそうだったので、俺は、黙っていることにした。

とにかくナオミマニア必見の作品。熟女なナオミ大好きなキモオタ(含む俺)にとっては文句なく★5の作品でした。

(おしまい)
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